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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第2章 王都への道
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第29話 宿泊先でお勉強

本日の宿泊先に着いた。


「カンタの宿『椚屋本店』・・・」


なんともまぁ、分かり易い名前だこと。


俺としては、こじゃれた名前もいいけど、こういうドストレートな名前も大好きだ。


カンタという村の名前と言い、クヌギヤ(椚屋)という宿屋の名前と言い、親近感がわくなぁ。


つい看板の前で感慨深くなってしまう。


それと同時に興味も沸いてくる。


名前からして、ホテルというよりも旅館なんだろう。



和風・・・いったい、このカンタはどういう集落なんだ?



王都に行って調べたいことは、増えるばかりだ。


・・・


「いらっしゃいませー。」


作務衣のおじさんがお出迎えしてくれた。


グラーシュに受付を任せて、館内を見渡す。


どことなく、和風な感じがする・・・。



通された部屋は・・・離れだった。


中に入ると、予想通り、和室だった。


畳に座卓のスタイルだ。


今では少なくなった床の間には、掛け軸が駆けられている。


奥には風呂もついているらしい。


感激した。



2人の目を気にせず、装備をテキトーに下して、身軽になって、つい畳にゴロ寝してしまった。


「あー、もう、サイコーッ!」


俺は小さい時にあてがわれた自分の部屋が和室で、畳に布団を敷いて寝ていた。


根っからの畳っ子・・・なんて言わないか。


でも、この畳の感触が、もうたまらん!



アルディは、帯刀したまま部屋の壁にもたれ掛かって、胡坐をかいている。


帯刀はしたままだ。


この隙だらけの宿泊施設が、しっくり来ていないらしい。


今後はホテルにしますか。



グラーシュは畳の感触を確認してる。


手で叩いてみたり、撫でてみたり、俺の真似をしてごろ寝してみたり、頬ずりしてみたり・・・。


好奇心の赴くまま畳を確認していた。


畳の上で、スリットの入ったミニスカートで・・・。


見・・・


見え・・・。


じゃない!


危うく我を失いそうになった。


攻撃力がハンパじゃないな。



「今夜は飯の支度の必要もないし・・・ゆっくりしてね。」


「はい!」


怒りはすっかり水に流してくれたようだ。



俺は、飯の前に風呂に入るかな~。


「悪いけど、一番風呂使わせてもらうよ~。」



「ちょっと待ってください。」


グラーシュが飛び起きて、受付に駆けて行った。



ん?・・・あ!


入るときに焚いてもらうのね。


ははは、そうだよね。


いつでも入れるように沸いたままなんて、現代の旅館くらいか。



グラーシュが仲居さんを連れて戻ってきた。


仲居さんは速やかに風呂の焚きつけに取り掛かった。


「グラーシュ、沸き上がるまでちょっといい?」


「はい。」


「おカネについて教えてもらいたいんだよ。」


「私の分かる範囲であれば。」


「大丈夫、大丈夫。」


「・・・」


「まずはお財布の中身を見せて」


出発の際に、この世界のおカネのことも相場も分からない俺が、財布を握って偉そうにしていても仕方が無いとおもったから、グラーシュに財布を預けていた。


グラーシュが財布を取り出してきて、見せながら説明してくれた。



「硬貨として、銅貨、銀貨、白金貨、金貨があります。」


実物を見せてもらいながら、価値を説明された。


この国の通貨の単位は、Y(イエル)で、1Yが1円位の価値のようだ。



銅貨は5g、50g、100gの3種類で、それぞれ5Y、50Y、100Y・・・。


5Y未満の釣銭は買い手側が貰っちゃうのが、この国の暗黙の了解らしい。


なんとまぁ、ガバなこと。


駄菓子屋とか儲けれそうだな。


そもそも駄菓子屋なんてあるのか知らんけど。


銀貨は5g、10gの2種類で、500Y、1,000Y。



金貨は10g硬貨のみで、通称10G(10ゴールド)、価値は100,000Y。


身なりの良くない人間が、金貨を持っていると疑われるらしい。


最悪の場合、通報される場合もあるみたい。


それだけじゃない。


契約上、500,000Yでも、50Gと言われたら金貨5枚で払えという事みたい。


そりゃ、こんだけ銀貨と金貨に違いがあればそうなるわな。



硬貨以外にもおカネの種類があるみたいだが、グラーシュは知らないとのことだった。


「それって、紙幣かな?」


「え?・・・紙幣ってなんですか?」


あれ?紙幣とは違うっぽいな。


なんだろう。



そう思っていると、グラーシュがおもむろに袋を持ってきた。


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