表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無実の罪で処刑された聖女〜全ては力不足だと悟り、レベルを上げて物理で殴る。  作者: ウケソセ
外伝ーー賢者の末裔が、たった一人の為に命を捧げた物語
89/134

決戦



ミリスは教会の中を進んで行く。


七勇教の教会に巧妙に偽装された建物の上部を突破し、下部へ降りると、漂神聖教の地下教会が姿を現した。



七勇教の建築様式とは全く異なった、特有な雰囲気の空間だ。



「殺せ! 逃すな!」



二人の黒衣を纏った男達――恐らくは漂神聖教の信徒だろう。彼等がミリスに短剣を突き刺そうと迫ってくる。



その動きは俊敏で、的確なものだった。


少なからず、そこらの兵士よりよっぽど強い。



だが――。



相手の動きより先に炎の槍で貫いて、瞬時に二人の兵士を倒す。


殺す事を厭わない容赦ない一撃だ。強者の前で、この程度の中途半端な強さでは、雑兵と何ら変わらない。




とりあえず、この辺りの敵の殲滅は完了した。


だが、下にまだ階層があるようだ。


それに目的の女も見つからない。




その時だった――。



ミリスの眼前に、ある女が姿を現した。



漆黒のローブとヴェールを纏った白髪赤眼の女だ。


【魔力感知】でその女の魔力量は自分以上であることがわかる。底無しの魔力量の持ち主であるミリスを遥かに上回る魔力総量――正真正銘の化け物と言っていい存在だ。



「その魔力量……貴方がラウエルスね」



女は「そうだ」とだけ答える。



「私からも質問がひとつある。お前の狙いは私か? それともこの教団そのものか?」


「貴方自身よ」



そのミリスの言葉を聞いたラウエルスは、微笑を浮かべた。



「何処の手の者か――或いは自分の意思かは分からないが、場所を変えよう」


「場所を変える?」



ラウエルスがそう言うと、ミリスの視界が真っ白に染まる。




次に視界が戻った時、ミリスは草原に移動していた。



おそらく今のは、転移系の高位魔法だ。


自身を転移させるだけでも、かなりの高等な魔法であると言える。それを他者に強制させるのは、ミリスでも最近習得した程には難しい。



そしてミリスの正面には、ラウエルスが立っていた。



「ここは、聖都から離れた平原だ。大きな街も無ければ、村もそう近くにはない」


「別にさっきの地下でも良かったのに」


「あんな所で騒ぎを起こされたら私が困るからな」



確かに、あの地下で魔法を撃ち合いをして騒ぎにでもなったら、あの地下の存在が周囲にばれてしまうだろう。



「望み通り、お前のくだらない殺し合いに付き合ってあげるよ」



彼女はそう言い放ち、短剣を構えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 89/89 ・うぇい。ファイトー
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ