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決戦


暫くして、辺りの日が沈んできた頃だ。



ウェタル市国の外壁には、エルフの軍勢の姿があった。


その数、約3000人程度だろうか。



そこから、暫く離れた所に大地を埋め尽くす程のモンスターの軍勢が迫ってきていた。


ゴブリン、トロール、リザードマン、スネークマンを始め、少数のオーガとトロール等からなる大軍勢だ。


数にしてもウェタル市国側の数倍は軽くいるだろう。




ウェタル市国軍の最前列にいるのは、精霊騎士隊と魔導大隊だ。


同国最上級の実力者の集まりである彼等の背後に守られているのが、その他大勢の一般兵士達だ。


彼らに守られる様に展開している事によって、この絶望的な戦力差でも恐怖を緩和させるのに貢献していた。

 



モンスターの大群とウェタル市国軍との間の距離が、1000mを切った瞬間だった。



凄まじい爆音と爆風と閃光――。



一瞬にして、辺りがそれらに包まれた。

 

その爆発と火炎は、モンスターの大群の大半を飲み込み、瞬時にして大半を焼き殺した。



「全軍突撃!」



一瞬は唖然していたエルフ達だったが、リーンデバイトの号令で一斉に走り出した。




✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎




「この調子じゃ、ボク達の出番はなさそうだねぇー」


「そうですね。モンスター達も戦意喪失気ですし」



エリシア達は、城壁の上でその光景を見ていた。


アラストルの放った魔法により、モンスターの大半は殲滅され、残った残党もウェタル市国軍により各個撃破されている。



「やっぱ、凄いわね。あれだけのモンスターを一撃で……」



ミスラはその光景を呆然と見つめていた。



「でも、上位の個体は殺し損ねたみたいだねー。特にあのゴブリンとトロールは危険かもねぇ」



アラストルはそう言った。


最上位の悪魔であるアラストルが、わざわざ警告すると言う事は、相当危険な存在なのだろうか。



「それって大丈夫なんですか?」


「精霊騎士の隊長と互角って感じ。副隊長には手に余るかもねぇ。まぁエリシアの敵ではないかなー」



別に異次元レベルに飛び抜けて強いという訳でも無い様である。


アラストルが出番はない――と言っていたが、被害は出るが、結果勝利できると言う事なのだろうか。



「しかし、被害が抑えられるなら私達が出たほうが良いんじゃないんですかね?」


「んっー。ボクは面白いからここで見てるかなー。エリシアは自分の判断で動けば良いんじゃない? まぁエリシアが死にそうになったら助かるけどさ」


「アラスらしいと言えば、アラスらしい答えですね……」



エリシアは軽く溜息を吐いた。



「それじゃ、行ってきますよ。お金を貰って、モンスター討伐の依頼を受けたのに、最後の最後で見てるだっけ言うのも気が引けますしね」



エリシアはそう言い残し、前線へと向かって行った。

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