ウェタル市国
ウェタル市国上空。
そこに広がるのは、山間に築かれたエルフ達が住まう都市国家だ。
明確な城壁などは見当たらず、周辺にある森林地帯が防壁として機能しているのだろう。
エリシア達は空中戦列艦に乗り、その地へと赴いていた。
「にしても、本当に貴方は憤怒の悪魔なのね……あれ程の大魔法見せられたら信じなきゃいけないけど」
ミスラはアラストルに視線を向けていた。
魂を吸ったせいだろうか。アラストルの肌は異様な程にぴちぴちとしていた。
彼女は「まぁねー」と軽く受け流した。相当気分がいいのか鼻歌まで歌っている。
エリシアは《鑑定眼》を発動し、アラストルのステータスを確認する。
もしかしたら、魂を吸って能力が向上しているのかも知れない。
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憤怒の悪魔 アラストル
レベル:135
体力:5500
精神力:2100
魔力:4200
筋力:6500
スキル:《処刑人》《憤怒》
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アラストルのステータスは、全体的にかなり向上していた。
数千の魂を食らったからか、レベルも15程上昇していた。
「そう言えば、私のステータスってどうなってるんでしょうか?」
エリシアは長らく自分のステータスを確認していなかった。
別に特別な理由があるから確認していない訳でもない。強いて言うなら魔力量が尋常じゃないレベルで上がっているので怖い――と言うことくらいか。
エリシアは鑑定眼を発動する。
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エリシア・エルミール 14歳
レベル:57
体力:110
精神力:340
魔力:18000
筋力:112
スキル:《祝福》《鑑定眼》
ユニークスキル:《聖女》《魔力変換》
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(やっぱりまたレベル上がってましたね……二万超えそうですし)
かつて異世界より転生した勇者ですら魔力量も1800程度だったと伝えられている。
言い換えれば、エリシアの強さは神話の領域に到達したと言うことだろう。
エリシアがそのような事をやっている中、空中戦列艦は少しずつ高度を降ろしていった。




