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マイホームを買おう



エリシアとリアは冒険者ギルドを飛び出し、商業ギルドまで足を運んでいた。



「家を買いたいのですが......」



エリシアは受付の男に話しかける。



「予算はいくらに程度で?」



エリシアは金貨を百枚に分けた袋を渡す。



「金貨がこれで百枚あります。これでいい感じの家はありませんか?」


「百枚ですか。これ程大金を一体......」



そう聞かれたエリシアはSランク冒険者のプレートを見せる。



「見ての通り私たちは、Sランク冒険者です。それなりに資金が出来たので大きめの家でも買おうかと思いました」


「しかし、貴方のようなSランク冒険者は見たことがありませんが?」


「私がこの街に来たのも最近ですからね。それはそうでしょうね」


「はぁ......兎も角、それならギルドに近いこれなどはどうでしょう」



男は一枚の図面を渡してくる。


図面を見る限り三階建てのそこそこ大きな屋敷の様だ。



「冒険者ギルドから歩いて徒歩五分程度の場所にありますし、冒険者業をするには最適かと」


「そうですね......ここを買わせて貰いましょうか」



建物の大きさの割に、小さいような気もするが帝都の一等地と考えれば、妥当かも知れない。


仮に騙されて割高の物件を買わされていたとされても、お金などまた稼げばいい話だ。


それ以上に、疲労がかなり溜まっていたので早く休みたかった。



「それで、その屋敷は直ぐに引き渡せるんですか?」


「勿論です。一応部屋の掃除もされている状況なので、承諾書と契約書を書いてくださればもう住めますよ」



エリシアは承諾書と契約書をさっさと書き、受付の男から鍵を受け取る。


 




エリシアとリアは渡された地図を頼りに、購入した屋敷の元までやってきた。



冒険者ギルドの裏側に位置する建物で、比較的新しい屋敷だった。


辺りの家屋よりは大きかったが、エリシアが昔住んでいた屋敷よりはかなり小さかった。



屋敷の中に入ってみると、しっかりと手入れされており清潔に保たれていた。



「意外と綺麗なんですね」



リアは辺りを見渡しながらそう呟く。



「そうで...すね......」



エリシアはそう言うと、気絶する様にソファに倒れ込む。



「私は疲れました。寝ます......」



エリシアが目を瞑ると凄まじい眠気に襲われる。



「ですよね。私の我儘で連れ回してごめんなさい」


「うん...いいんですよ......どのみち家は必要になったでしょうし」



兎も角、リアのわがまま? のおかげで安心して帰ってこれる場所が手に入ったのだ。


これはかなり大きい。 



今までエリシアには、自分の居場所は全くなかった。


しかし、今やっとそれが手に入ったのだ。


人並みの幸せーーと言っても、かなり歪んでいる気もするが、それが手に入った気がした。

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