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ドラゴン討伐ー2



エリシア達馬車に揺られて、帝都の郊外まで来ていた。


辺り一面は平原で、何処までも続いていた。



「ここから先が、例の村です。馬車は目立つので此処からは歩きでお願いします」


「わかりました...」



そう言うと、ギルドから派遣された御者はエリシア達に降りる様に言った。


流石に馬車で突っ込めば、ドラゴンにバレる可能性が高い。



「武運を」



彼はそう言い残し、馬車を走らせた。



「よいしょっと」



馬車が視界から消えた後、エリシアの懐に隠れていた蝙蝠が姿を変え、赤髪の少女になる。



「それにしても、アラスの能力は便利ですね」


「まぁねー。悪魔の権能ならこんなもんだよー」



これから、最上位レベルのモンスターの討伐に向かうと言うのに随分呑気なものだ。


とは言え、自分もである。


負けるはずがないーー何故かその様な気がするのだ。強者の余裕というものなのだろうか。



対して、リアは緊張している様子だった。顔色は悪く、冷や汗をかいていた。



「どうしたのさ。そんなに怯えて......」


「これが普通の反応ですよ。だって相手はドラゴンですよ⁈ しかも群れですし‼︎」



リアは声を荒げた。


思い返せば、リアはギルドマスターからこの依頼を受けた時、え? 本当に受けるの?ーー見たいな顔をしていた。



「リアは離れたところで、待ってた方が良いんじゃないんですか?」


「でも、回復担当が居ないと困りませんか?」


「回復魔法ならボクも使えるけどねー」


「五月蝿いですね! 兎も角、離れていても危ないんでついて行きますよ」



どうやら、リアもついてくる様だ。


確かに一人のところを、はぐれたドラゴンにでも襲われたらリアは対抗できないだろう。


それなら、エリシアやアラストルの側の方がもしかしたら安全なのかも知れない。





暫く道なりに真っ直ぐ歩いていると、焦げ臭い匂いが漂ってくる。



「そろそろ近いみたいだねぇ」


「ですね。気を引き締めていきましょう」



エリシアは当たりに対する警戒を強めた。





更に進んでいくと、黒煙をあげる村の跡が姿を現した。


村は酷い惨状で、建物という建物は焼け尽き、肉の焦げた臭いが充満している。


ドラゴンと交戦した帝国兵だろうかーー鎧を着込んだ丸焦げの亡骸が山を形成していた。


この状態だ。村人も帝国兵も全滅だろう。



「にしても、酷い有様ですね......」



辺りを見渡しても、ドラゴンの姿は見あたらない。


どうやら、既に飛び去った後の様だ。



「ドラゴンはもう飛び去ったのでしょうか」


「それはどうだろうねー。まぁ、だとしたら他の村が燃えてる頃だと思うよー」



アラストルは相変わらず、呑気そうである。


死体の山を見ても、表情ひとつ変える事は無かった。


やはり悪魔には人間的な感情が無いのだろうか。




エリシアは呆然と立ち尽くしていると、頭上を大きな影が横切った。



「やっぱりまだ居たみたいだねー」


「エリシアさん......あれやばくないですか⁉︎」



エリシアが頭上を見上げると、空を大量のドラゴンが覆い尽くしていた。


数にして、おおよそ十二匹程だろうか。



「あれがドラゴン......」



エリシアも、時折空を飛ぶワイバーンを見た事はある。しかし、純粋な竜種を見たのは初めてだ。



ドラゴンの大群は、少しずつ高度を下げて此方へ降りてきてる様だ。



「アラス、一緒に戦ってくれますよね?」


「契約者様のためなら、ボクは協力するよ」



エリシアは《魔力変換》を発動する。


一万以上の魔力を他のステータスに全て振り分けた。

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