シュラ
「リッタ、人間の国に行くって……どうなるかは私も分からないのに」
シュラはリッタに問いかける。
「ううん、お姉ちゃん達の側の方がずっと安心だよ!」
「でも、今までの生活を捨てる事になる」
「それでも、お姉ちゃんと一緒がいい!」
そこまで言われてしまうと、流石にシュラもどうこう言う言葉が出なかった。
「でも、後悔しても知らない……」
「お姉ちゃんと別れるくらいなら、後悔した方がいい!」
リッタは言い切った。
「申し訳ないけど、リッタも連れてってほしい」
シュラはエリシアにそう言った。
「えぇ、構いません……構いませんよ」
エリシアは、自分が手に入れられなかった姉妹愛や家族愛を感じてしまい嫉妬心が生まれてた。
しかし、今自分にはそれらを埋めてくれる大切なものがある事をはっと思い出し、よこしまな感情を直ぐに無くなっていった。
「そう言えば、外は賑やかにやってる?」
「えぇ、随分と楽しげにやってますが……」
それを聞いたシュラは少しだけ、笑みを浮かべた。
「だったら、私も参加する」
今まで落ち込んでいた人間が、そう言ったのだ。
「もう大丈夫なんですか?」
「うん。新しい未来の方向を決まった、気持ちは切り替える――それに、いつまでもくよくよしてても死んだ人は浮かばれない」
この様な過酷な環境に生きているせいだろうか。
なにかと、立ち直りは早いのか、あるいはシュラが特別なのだろうか。
 




