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アラスがリアみたいになった件


数日後。



「エリシア、今度ボクとお出かけしようよぉ」



アラストルは、そう言いエリシアに抱きついてきた。



「なんですか、もう! リアみたいにくっつかないでくださいよっ!!」



あの一件から、アラストルがリアの様にくっついたりベタベタしてくる様になったのだ。



「いいじゃんかー。もう」


「キャラ急に変わりすぎですよ」


「そりゃねぇ。あんな事言われちゃたらねぇ、ボクだって乙女だよ?」


「何が言いたいんですか!?」



いや、もはや様子がおかしいまである。



「ねぇ。ボクの頭撫でてよ? そしたら暫くは満足するからさっ」


「ううっ……それで大人しくなってくれるならやりますけど」



エリシアは渋々、アラストルの頭を撫でる。



「えへへっ……気持ちいいかも」



そのアラストルの表情は、人間みたいな和やかものだった。いつもの悪魔的な無感情なものではない。



「なんか、急に人間らしくなりましたね」


「んー、そう? だとしたら人間に戻してくれたのはエリシアだよ?」



アラストルは、そう言いエリシアに抱きついてくる。



「うぎゃ、ちょ……苦しいですよ!」


「あっ、ごめん。少し力強かったねぇ」



だめだ。このひっつき具合はリアの比ではない。1.5リア分はあるだろう。



「ちゃんと撫でたんですから、少し離れてください」


「えー」



アラストルはそう言い、渋々エリシアから手を離す。



「ねぇエリシア、ボクとお出かけしようよ」


「そうですね。折角ですし、どこか行ってみた事ないところでも行きましょうか」


「そうだねぇ、そうしようよー」



アラストルはそう言い、またエリシアに抱きついてくる。



「もうっ、離れてください」


「少しの間離れたじゃんかー」



この悪魔もうだめだ。エリシアはそう思った。



「レーマも見てるだけじゃなくて、助けてくださいよっ!」



その光景を近くで見ていた、レーマに助けを求める。



「へぇ、我の最愛の主人を奪っといて、迷惑扱いか。都合が良いにも程があるぞ」



だめだ。レーマもレーマで、羨ましいそうな、それを妬む様な表情を浮かべており、干渉する気はないみたいだ。



「全く羨ましい、我だって我が主人にああされたいのに」



何故だろう。何故レーマはあんな悲しげな顔をするのか。なんなら今にでも泣き出しそうなそれだ。



「それで、エリシアは何処にいきたいのー」


「どこと言われましても……」



どこか行ってみたいところはあるだろうかと、ふと考えてみる。



そう言えば、帝国領の最北位置するダロル高原には、翼人と呼ばれる存在の小規模国家があると、聞いたことがある。



この翼人と言う種族には、個人的に興味があった。


人間の体躯をどうやって翼で浮かしているのだろうか。物理的には不可能なはずだが、魔力的な補助で飛んでいるのだろうか地味に興味がある。



しかし、ダロル高原自体、数十年前からドラゴンの棲家と化している。


そこで、エストリア帝国と交易を行なっていたダロル高原に住んでいたエルフ部族がドラゴンにより全滅され、残ったのは貿易する価値もない翼人だけだった。


それ以降そこに近づく人間はいなくなったそうである。




「そうですね。ダロル高原の翼人の国に行ってみたいですね」


「翼人の国? あの辺のど田舎にはボクも行ったことないねー。まぁエリシアが行きたいならボクも行きたいよ」


「それじゃあ、近いうちに行ってみましょうか」


「そうだねぇ。いやぁ楽しみだよ」



こうして後日、エリシア達は翼人の国へ向かうこととなる。

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