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アラストル




✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎




エストリア帝国、帝都バル・アレにて。




ある日の朝、自宅のリビングで深い溜息を吐いているエリシアの姿があった。



「どうしたんだい、やっぱりリアが気になるのー?」



そう声をかけてきたのは、アラストルだった。



「そりゃ、気にしますよ……だって死ぬかも知れないんですよ?」


「でもさー。そんな事ずっと気にしてたら身体が持たないよ」


「でもですね。気にしないと言うのも無理があります」



アラストルは、そう言うとティーカップに入った紅茶を渡してくる。



「アラスが何かしてくれるって珍しいですね」


「まぁね。気分が向いただけだよー……ってかさぁ、リアが居ないと身の周りのことなんもやらないよねー」


「リアと出会う前はこうじゃなかったんですけどね」




リアと出会う前までは少なくとも、身の周りの事は自分でやっていたのだが、リアが身の周りの世話をなんでもやろうとしてきた。そしてエリシア自体もそれに甘える事が多かったのだ。



「エリシアも苦労人だよねー。まぁ、ボクほどじゃないかもだけど」



そう言えば、アラストルと契約する時に、彼女はエリシアの記憶を覗き見している。


アラストルは、昔は人間だったと言う話を聞いた事がある。ふと、彼女がどの様な人物だったか気になった。



「気になったのですが、アラスは人間だった頃、どんな感じだったのですか?」



その発言を聞いたアラストルは、暫くの沈黙を置いて、表情が変わる。 



「ねぇ、エリシア」



いつとない真剣な眼差しをエリシアに向ける。



「他でもない君になら教えてもいいよ。レーマも丁度出払ってるしねぇ」


「えぇ、気になります。私の過去は知っといて、アラスが教えないのは不公平ですし」


「ははっ、そうだね……うん、でも、しょうがないか」



アラストルの乾いた笑い声が、エリシアの脳裏に焼き付く。


こんな人間らしく、そして弱々しいアラストルをエリシアは今まで見た事なかった。



「それじゃあ、昔話をしてあげる」



そう言いい、アラストルは過去を語った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 104/104 ・エリシアさんやっと来ましたね [気になる点] およ、過去話ですと [一言] まあいいや。楽しそう
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