表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
非日常奇譚/絞殺欲求・十二支編  作者: 柊木 渚
ボイスレコーダー78
34/36

ボイスレコーダー78 第二事件発生時【

 再開

「第二の事件が発生した。今回のマスクは牛だそうだ。決まりだこれは十二支を用いた殺人だ。

 そして白野が第二の事件でも第一発見者らしい。

 犯人を取り押さえない限りは白野が事件に遭遇し続けるって事か・・・・・・今までは俺とみーちゃんの二人が先行して事件に終止符をうっていたがこれは中々いけ好かない事してくれる。

 被害者はこの近くで働いている二十代の女性。首に掛けられたホワイトボードにはいつも通り不吉な愛のメッセージが書かれていたよ。

 本当に、犯人はどうしたらこんな方法を思いつくんだか・・・・・・

 みーちゃんからの情報によると橋の手すりに麻縄が縛られており女性はその縄で首を吊るされていたらしい。

 現場の橋は以前から人通りが少なく、橋の周辺は工場ばかりで絶好の犯行スポットだ。

 この状況を考察してみるに君嶋は橋の手すりに予め縄を括りつけておき人が来るのを待っていた。

 するとそこへ被害者の女性がやって来たので何かしらをして強引に女性を気絶させ後に近くに置いていたタクシーから小道具を取り出して女性の身にマスク等をまとわせてから被害者の首に縄をかけてそのまま落とした。

 ざっと考えてこんなところか、地域をよく知るタクシー運転手だからこそなせる方法だな。

 欲望に身を任せながらここまで用意周到に証拠を残さずに事件を遂行するとは本当に強姦事件が無ければ昇格待ったなしの敏腕運転手だったろうに・・・・・・

 それにしてもここで座ってるだけなのは随分と居心地が悪いもんなんだな。

 救えた命を救わず。

 容疑者の犯す過ちを意図的に繰り返させる。

 全くもって安楽椅子探偵とは良い二つ名を付けてもらえたもんだよ。

 現在椅子に座ってこうしてボイスレコーダーにベラベラと喋るのが俺の探偵としての行動範囲。

 皮肉なもんだな・・・・・・

 おっと、電話だ。一旦止めるよ」

                停止

                再開

「みーちゃんからだった。

 いやいいねえ、好きな人の声を聴けるなんて、自分のクソ野郎さに磨きがかかるよ。

 探偵としての俺の意見を聞きたいという連絡だったが俺は全然違う推理をみーちゃんに話した。

 いつもは二人で一人のタッグで白野の事件を解いていたのに今じゃ一対一対一でしかないな。

 最愛の人に嘘をつくのは心苦しくないのかって?

 そりゃあ苦しいに決まってる。今この瞬間、もしも全てを吐き捨てて何もかも投げ出せるのなら俺はそうしてやるよ、だけどそれは叶わない事だって分かっているから俺はこうして自身の心を犠牲にして椅子に座り続けていられる。

 なんでかな、ボイスレコーダー越しになるといつからか弱音の様なものを吐くようになってしまった。

 俺の真の友はどうやらボイスレコーダーだけらしいぞ。

 まあ話を戻すがこの第二の事件をもってしても白野は犯人に届かずじまいだったな、早く見つけてくれよ、でないと全部水の泡だ。

 俺とみーちゃんの子供だろ、ならもっと考えるか死に目に会ってみろよ。

 ははっ、面と向かって言えないのに本当に偉そうだよな俺」

                  停止

                  再開

「今さっき、此処近辺の全ての神社と寺に隠しカメラを設置してきた。

 神主さんには申し訳ないが念の為だ。

 君嶋が儀式的な思考でいるのなら最後の犯罪はここだろうからな。

 それにしてもこれだけ多いと疲れるよ。

 欧風と和風の二文化が混在している市だってのにどうしてこうも神社の数が多いんだよ・・・・・・

 欧風と和風で思い出したがこの霧結市の人口な、外国人が人口の一割ぐらいしか暮らしていないらしいんだ。それもほとんどがアメリカ人。

 そういや和食屋の店主の人も前に話してた時にアメリカ人て言ってたな。

 国境ってのにはあまり興味がないんだがこうもおかしな都市だと無性に気になって仕方ないんだよな、本当、この都市の欧風はどこから伝わって来たもんなんだ?

 文献を調べても全く出てこないし謎は謎のままだな」

                  停止

                  開始

「夜になっても変化なし。今日はここいらが引き時かな。

 犯行があるとしたら明日か明後日のどちらかだろう。

 それと容疑者Xの方なんだが進展があってな、少し絞れてきた。

 こいつか、こいつか、こいつのどれかだと思うんだが・・・・・・う~ん。やっぱり一手足りないな・・・・・・

 警察には頼らないのかって?

 頼ったところでなんて言うんだ?

 超能力者が容疑者を作っていたんだ!か?

 容疑者は全員洗脳されていたんだ!か?

 馬鹿かよ、それに証拠もないのに警察が動くはずないだろ。

 それとみーちゃんには頼めない。

 みーちゃんは白野が生きるための最後の砦みたいなものだからな。

 俺は白野から離れすぎたからこうしていられるんだ。白野の近くに居る事の出来る唯一の拠り所のみーちゃんに頼めるもんか・・・・・・」

               停止

               開始

「朝になったが変化な~し。前の事件から推測するに事件は白野の下校時間以降に行われるんじゃないかな、もう白野も学校に登校した時間だしそれじゃあ俺は今から一度家に帰って支度をして来るとしよう。

 起きた時から何か変な感じがして堪らないんだ。もしかしたら今日で決着がつくかもな」

               停止

               再開

「戻ってきた。

 それにしても報道のカメラが一台も今回の事件について調べに来ないんだな。

 こんな奇怪な事件。マスコミなら食いつきそうなのに・・・・・・

 もしかしたら第一事件の発見者として霧縫さんの名前が挙がったから親が心配になって今回の事件に報道規制のようなのを敷いてるのかもしれないな。

 過保護な親め・・・・・・まあ、俺も人の事を言えないがな・・・・・・」

                停止

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ