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非日常奇譚/絞殺欲求・十二支編  作者: 柊木 渚
絞殺欲求・十二支編
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【最終章 始まりを迎える為の反抗 】02【

『オッケー、まずは要件をざっと説明してくれ』

 電話越しにガサゴソと物音をたてた後に父さんは話を切り出した。

「霧縫さんが君嶋って人に捕まった。捕まった場所はうちのマンション近くの公園で大体霧縫さんが捕まってから十分過ぎた。これからどうしたらいい?」

『本当にざっとだな・・・・・・えっと・・・これか!君嶋、君嶋、これと・・・う~ん』

 ページを捲る音が忙しなく聞こえてきたと思えば今度は自棄に悩んでいる。

「早くしてほしんだけど」

 一刻も早く行動に移さないと霧縫さんが危ないんだよ。

 急く僕に対して「こっちも色々とあんだよ」と言ってから尋ねてきた。

『他に君嶋についての情報はあるか?』

「他に?そうだな、猫マスクをかぶってた。あとは昨日、一昨日の事件の容疑者だ」

『そうか・・・そうかそうか!』

 早く霧縫さんを探したいと思う反面、引っ越してきたばかりの僕が無理に捜したところで見つけられないのは明白である為、ただ握るスマホに力が入るばかりだった。

『・・・ここだ!ポイントは二つある!八代神社か自宅だ』

 急に大声を出したと思えば父さんは君嶋の行きそうな二か所を導き出した。

「どうして神社?」

『お前から依頼が来る前に俺の方でも二つの事件の仮説を幾つかたてていたんだよ。犯人が猫で今までの被害者が鼠と牛、それで思いつくのは十二支ぐらいだ』

「十二支?なんでそんな・・・」

『今はそんな事気にしてる場合じゃねえだろ!頭使うより今は場所が分かってんだから足使え!』

 安楽椅子探偵が大雑把なもので・・・・・・

「そうかいそうかい!・・・ありがとう」

 そう父さんには言われて余計霧縫さんを助け出さないとと自信を鼓舞しながらそう口にした。

『頑張ってこい!警察にはこっちで連絡しておくから、でへへ』

「僕の感動を返せ!」

 こいつ絶対僕の親じゃねえだろ、母さん好きすぎか!

 父さんの気づかいなのかよく分からないその言動で心が軽やかになって頭を冷やす事ができた。

 電話を切り、公園内に停車されていた僕のロードバイクを取りに行って生姫を呼ぶ。

「生姫!後ろに乗れ!まず君嶋の住戸へ行くぞ」

「え、場所分かったの?!」

「まあ、ある程度はな、運転荒くなるからしっかり掴まってろよ!」

 生姫が後部座席に座り腕をがっしりと僕の腹部に回して掴まったのを確認してから僕は勢い良くロードバイクのペダルを漕ぎ始めた。

 

「生姫は僕の家から■■■■を取って来てくれ!僕は君嶋の部屋を見に行ってくる!生姫はそれ取ったら先に自転車に戻ってろ」

 ここに君嶋が来る可能性は極端に低い、その上で父さんがここを口にしたって事は母さんから誕生日の時に貰ったあの過保護グッズを身に着けておけって事なんだろう。

「分かった。大城君も気を付けて!」

 マンションに着いてから生姫に僕の住戸の鍵を渡してそう言ってから散開して僕は階段を、生姫はエレベーターを使って自身の目的の場所へ急行する。

 君嶋が居るのは僕の家の上の階だが・・・・・・

「チッ、やっぱりここじゃないか」

 警官一人がただ呆然とスマホをいじって君嶋の住戸の扉の前に立っている姿を見てから僕はすぐさま引き返した。

 なら予想通り神社か!

 先に着いた僕はロードバイクにまたがりって生姫が来るのを待つ。

「持って来たよ!」

「ありがとう、それと八代神社の場所――って」

 生姫から過保護グッズを貰ってから後ろポケットにしまった。

「悪いけど生姫、八代神社までのナビ頼めるか?」

 ここの土地勘は全くといってない僕だ。少なからずここに住んでいる生姫の方が幾分か道は知っているだろう。

「そう言うと思って取りに行ってる時に頭ん中に神社までの行き先ぶっこんでおいたんだ。ナビゲーションならお任せあれ!」

「本当、頼りになるぜうちの自称神様はよう!」

「ちょ、それは言うな~~!」

 ペダルを急速回転させてケイデンスを上げていき生姫のナビゲーション通りに幾つもの道を進んでいく。

 寄り道になったがまだ間に合うのか?いや、どうにか間に合ってくれ!

「大城!気張れよ!」

「おいマジかよ、ここって!」

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