自分との対話 2
「アリンコは勇気があるのです」
ここに世界がありました
たくさんの鯉がエサを食べようとしていました
川岸から私は見ています
堤の桜並木には
アリンコが行列をつくっています
子供がそれを踏みつぶし
かき回そうとしているのが見えます
アメーバがミジンコを取り込んだ
ウィルスが細胞を壊した
酸素原子がぶつかって
あっちとこっちに飛んでった
原子核が電子雲に取り巻かれてせき込んでいる
それらが集まり銀河となって
渦を巻き
膨張し、スカスカになった宇宙で
ポツンと孤独になるらしい
アリンコが子供の足に食いついた
「たまには変わったことをするんだよ」
月のない夜に
山道を一人歩く
足音だけがついてくる
足を止め眼が慣れてくると足元が見えてくる
花を閉じているタンポポがべったりと張り付いている
小さな池には星の光を移して
不思議な匂いがする
突然、鳥が飛び立つ
ぞっとするほどの静寂が続く
気が付くと周りすべてが僕を見ている
「悔しさを叫んでみると」
一人浜辺に立って沖に向かって大声で叫ぶ
たちまち吸い込まれてしまった
そんな海の中では
巻貝が蓋を開いてクスクス笑う
海栗も体を震わせてクスクス笑う
魚なんかは振り向きもしない
眼から汗が噴き出てる
岩場の小魚が飛び上がり
貝殻までが体を震わせている
だんだんきつくなってます・・・