私との仲直り
なんか不安なんだけど、ひとまず落ち着いた?
「今日そして明日は何の日?」
今日は何の日?
台風の来る日だよ
そして初めて道に迷った日なんです
今日は何の日?
雨が降っている日なんだよ
そして私が反抗していた最後の日なんです
悪あがきし始めたときもね
ちょうどこんな日だった気がする
今日は何の日?
そう、私が生まれた日、17歳になったんです
そして目標が見つかった日です
新しい門出の日なんです
明日は何の日?
うん、新しい太陽の登る日なんです
そして空気の澄み切っている日なんです
青空、きれいだろうなあ
早く明日にならないかなあ
明日は何の日?
それはね
それはね
私と仲直りする日なんです
「風に飛ばされないために」
風が強くなってきたねえ
そろそろ台風がやってくるよ
雨戸を閉めて
釘で止めて
だけどラジオのスイッチは入れておいてくださいね
でないと迷い葉になってしまうよ
「風が強いけれど」
ほら台風が何か言っているよ
おめでとうって
ああ、私の誕生日?
もう17歳になったんだよ
今日また生まれたんだろ、本当かい
二度目かい
台風が何か言っているよ
ほら、ほら
耳を澄ませて
足がふらつかないように
「落ち葉にまとわりつく霧の森」
静かな空気の霧の朝
濡れた葉から落ちる一滴
冷たい空気の中を滑り
葉の上を滑り
枯葉が積もった地面を濡らす
木々の間に霧が舞う
木の肌を湿らせて空に散る
やがて小枝の間から光が顔を出す
鳥が飛び、霧が追う
頭をもたげたキノコの芽
枯葉の間、木々の下
濡れた落ち葉に囲まれたその中に
薄い茶色のまあるい頭
名前も知らない小さな芽
朝の空気を抱きかかえ
霧をまとって顔を出す
頭をもたげたその姿
再び本に目を戻す
そこには窓の外の様子が描いてある
まだ霧のまとわりついた
すりガラスの向こう側の世界
なんだかなー、やっぱり変だよね―――