自分との対話 5
あれあれ?雲行きがおかしくなってきた?
「体の中の宇宙」
肺の中に宇宙ができた
最初はごま粒くらいだったけど
いまではでっかい宇宙だよ
おかげで空気がスースー漏れる
ある日、ある時、あるとこで
写真を撮ってもらったら
そこには砂漠が写ってた
草木も月も太陽も
なんにもない砂漠だよ
うすぼんやりした彼方には
きっと何かがあるんだろ
ある日、ある時、ある用で
動物園へ行ったんだ
エジプト産のフタコブラクダ
僕の顔見て懐かしそうに
目を潤ませて見つめたよ
肺の宇宙がその時に
おおきなあくびをやらかした
そしたららくだが宇宙の中に
スッと飛び込んだ
その時からだよラクダがいるのは
この胸に
そのうち月も太陽も
宇宙が吸い込む時がくる
そしたら砂漠のその先を
きっと見つけられる、かも
「なんか、明るくなってきた?」
夜が明けたかも
輝く朝のひかりが差し始めたかも
やがて、空に輝く太陽が顔をみせるかも
そして、陽は登り、南の空に固着する
陽は登り、陽は登り、陽は登り・・・
200億年の悠久が続いていくのか
紫色の空には雲一つない
「世界が取り戻すもの」
どんよりと濁った空に、突然、光が爆発
あとには谷川のせせらぎの音と
カジカの声と
鳥と草木と太陽と宇宙の笑い声が聞こえる
一瞬の暗闇の後に
そこは希望と行動の世界
そこではみんなはしゃぎ回り
人々は微笑んでいる
心に刺さる棘を
頭の中の埃と重りとハエ取り紙と
それに、それに・・・
簡単な想いが取り去った
くちゃくちゃのフィルムが回り始めた
形を整え、順序立てて
そこに映るものは冒険とおとぎの国
幾多の世界を作り上げ
打ちこわし、また作り上げた日々は去ったのか
もう迷うことはないさ
前に向かって歩くだけ
進め‼ 進め‼ 進め‼
希望と行動と冒険とおとぎの国よ
「わからないふりをしたいのだけど」
虚無よあなたは目覚めたのか
その昔、生命を創り出したあなた
そして眠りについた
あなたは50億年経った今目覚めたのか
よりにもよって私の心の中に
私は知らないふりが出来そうもない
それはあなたがまだ眠たそうな眼をしているから
生命よなぜあなたは虚無によって創り出されたのか
虚無は真理なのか、あなたはそれに連れ立っているのか
心の中に目覚めたあなた
真理を従えたあなた
あなたは全知全能なのか
生命をも創り出せたのか
あなたに対する生き物たちからの疑惑
あなたは宇宙創成の時からあったのだから
このまま、何事もなく過ぎていけばいいのだけど。そんなにうまくはいかないよね――ー。