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鑑定の熟練度

お待たせいたしました。

今回も僅かでも楽しんで頂けたら幸いです。

 〇九〇 鑑定の熟練度



「おおーっ、確かに次々と能力名が流れてて、全く終わる気配がない」


 脳に負荷が掛ると聞いて、恐る恐る鑑定を始めた桜花様が声を上げる。


「桜花様、身体の調子に問題はありませんか?」

「そうね、若干頭が重くなった気もするけど、問題って程でもないわね」

「桜花様、本当に四狼の能力は百も有ったのですか?」

「数は数えてないけど、未だ続いてるから、この分だと本当に百を超えても不思議じゃ無さそうそうよ」


 鷹野夫妻の質問に桜花様が答える。

 鑑定能力の見え方は熟練度で変わるが、桜花様の熟練度では以前の僕と同じで、テレビのL字放送の様に視界が縮小して、空いた縦軸に氏名や年齢等が、横軸に能力名が流れる感じだ。つまり能力が多いと視界の下を能力名が延々と横にスクロールする事になる。

 身体能力や称号は生物鑑定の熟練度がもっと上がらないと分からないので、実質、縦横の二行で事足りるのだ。

 僕は飛ばしてしまったが天照の話によると、鑑定の熟練度が上がると能力名表示の行数が増えたり、視界と重なるAR的な見方にもできるらしく、更にスクロールされる個所は任意に一時停止や巻き戻しも可能になったりと進化していくそうだ。


 折角なので僕も皆を鑑定してみる。

 僕の鑑定の熟練度は最高らしいし、一人一人個別の拡張視覚を使って完全に分けて鑑定するので、ゲームのステータス画面の様に一つの視界に一人の鑑定結果が全て表示され、氏名や身体能力、能力や称号等の、幾つかの枠に分類されている。

 枠をはみ出た場合は任意にスクロールできるらしいが、それこそ能力や称号が三桁近くならないと枠をはみ出ないので、最初の自分以外では見た事が無く、通常の能力数なら文字が動かないので一括表示で見易い。

 更に裏画面に切り替えると対象の立ち姿を確認でき、正確な寸法の表示だけでなく、任意で角度や方向、姿勢を変えたり、衣服を剥ぎ取ったり、無限倉庫内の衣服を疑似的に着せて確認もできるらしいが、それ、なんてエロゲ? と言いたくなる仕様だ。

 精々使えるとしても、服装が似合っているかの確認か、何かを隠し持っていないかの確認くらいだろう。

 しかし、暗器の確認なら検索の方が簡単で確実なので、恐らく使う事は無いだろうし、本人を目の前に、衣服の剥ぎ取って裸を覗き見れる程に、僕は強靭な精神も性癖も持っていない。


 思考が逸れてしまったが、皆の鑑定結果はこんな感じだ。


 名前:森永 楓 (もりなが かえで)

 生年月日:和富歴1038年5月7日 h0E歳(14歳) 女

 種族:人族

 身長:4尺8寸(約144センチ)

 体重:10貫(約37.5キロ)

 胸囲:2尺5寸(約75センチ)

 胴囲:1尺8寸3分(約55センチ)

 尻囲:2尺6寸(約78センチ)

 状態:良好

 性交:無


 霊格:h80

 位階:h0F(15)

 平均筋力:13

 平均知力:22

 平均呪力:25


 固有能力:前世知識

 能力:生物鑑定2、異界収納2、呪力上昇2、言霊術3、算術4、呪力操作2

 称号:小さな魔術士

 職業・役職:和富王国魔術師団・見習い



 名前:森永 紅葉 (もりなが もみじ)

 生年月日:和富歴1038年5月7日 h0E歳(14歳) 女

 種族:人族

 身長:4尺8寸(約144センチ)

 体重:10貫(約37.5キロ)

 胸囲:2尺5寸(約75センチ)

 胴囲:1尺8寸3分(約55センチ)

 尻囲:2尺6寸(約78センチ)

 状態:良好

 性交:無


 霊格:h80

 位階:h0F(15)

 平均筋力:13

 平均知力:22

 平均呪力:25


 固有能力:前世知識

 能力:生物鑑定2、異界収納2、呪力上昇2、言霊術3、算術5、呪力操作1

 称号:魔術の天災

 職業・役職:和富王国魔術師団・見習い


 二人は双子だけあって、身体能力にも余り違いが見当たらなかったが、天照の話によると一応、知力と記憶力に若干の違いが有るそうだ。

 そして二人は完全に術師型で、呪力上昇を持っている辺り、転生前から術師を目標にしていたのだろう。

 今は見習いだが、術師団に入れているのだから、目標は半ば達成できている。


 続けて鷹野夫妻だが。



 名前:鷹野 翼 (たかの つばさ)

 生年月日:和富歴1024年3月28日 h1A歳(26歳) 女

 種族:人族

 身長:5尺(約150センチ)

 体重:11貫(約41.25キロ)

 胸囲:2尺7寸3分(約82センチ)

 胴囲:1尺9寸(約57センチ)

 尻囲:2尺6寸6分(約80センチ)

 状態:良好

 性交:一人


 霊格:h80

 位階:h26(38)

 平均筋力:40

 平均知力:35

 平均呪力:32


 固有能力:前世知識

 能力:生物鑑定2、異界収納2、算術4、太刀術3、小太刀術5、狩猟3、言霊術2、調理2、裁縫1、清掃1、隠形2、苦痛耐性2

 称号:無

 階級:和富王国第七位士族

 職業・役職:和富王国近衛武士、王族護衛武士



 名前:鷹野 爪太 (たかの そうた)

 生年月日:和富歴1021年6月10日 h1A歳(28歳) 男

 種族:人族

 身長:5尺6寸(約168センチ)

 体重:15貫(約56.25キロ)

 状態:良好

 性交:二人


 霊格:h80

 位階:h29(41)

 平均筋力:43

 平均知力:38

 平均呪力:35


 固有能力:前世知識

 能力:生物鑑定2、異界収納2、算術4、太刀術5、小太刀術4、狩猟4、言霊術2、暗器術4、暗殺術3、隠形4、苦痛耐性2、身体操作2、防御1


 称号:守護者

 階級:和富王国第六位士族

 職業・役職:和富王国近衛武士、王族護衛武士


 此方は夫婦揃って直接戦闘が得意な様だ。

 若干、爪太さんの方が不穏な能力を持っているが、称号的に護衛に特化した結果なのだろう。


 最後に平田さんだ。



 名前:平田 幻奉 (ひらた げんぶ)

 生年月日:和富歴1028年1月3日 h1A歳(24歳) 男

 種族:人族

 身長:5尺4寸3分(約163センチ)

 体重:14貫(約52.5キロ)

 状態:良好

 性交:一人


 霊格:h80

 位階:h18(24)

 平均筋力:20

 平均知力:31

 平均呪力:30


 固有能力:前世知識

 能力:異界倉庫4、無生物鑑定6、科学知識8、知力上昇3、算術C、錬金術9、空間制御5、言霊術8、魔道具作成6、能力付与2、自走車操車3

 称号:錬金魔術師、発明家、研究者、移動の革命家

 階級:和富王国第二位商候

 職業・役職:平田自走車会長、和富王国第三魔道具研究所・所長


 位階は低めだが、能力の総熟練度はこの中では圧倒的に高い。

 此方も転生前から考えて能力を取ったとしか思えない構成だ。

 実際に自走車の様な成果も出している。


 やはり覚醒者は転生した理由も知っているし、目的がはっきりしている分、能力の使い方が上手いのだろう。結果として熟練度も高い傾向になる。


 そして、桜花様が僕を鑑定している間も皆との会話は続く。


「でも、覚醒初日にバレちゃうなんて、四狼君は抜けてるよねー」

「否定し難いですが、僕も覚醒直後で混乱していたんですよ」

「覚醒直後の混乱は理解できる。楓もめっちゃ混乱して自爆してた」

「ちょ、紅葉、何で余計な事を言うかな!?」

「自分の事を棚に上げて他者を貶すのは好きじゃない」

「違うしー、この後に気を付ける様に注意するまでがセットだったのに、紅葉の所為で台無しよ!」


 成程、確かに楓さんは少し自爆気味の様だ。僕も気を付けよう。


「楓の身体を張った忠告は四狼にも伝わった様だし、話題を変えよう。先日、桜花様と行った狩りで灼熱熊を狩ったというのは本当なのか?」


 爪太さんは、通常十数人で狩る灼熱熊を、僕達が僅か数人で倒した事が今一信じられないらしい。


「勿論本当ですよ。他に僕の弟と妹に伊吹さんの五人で、目の前で成り上がった灼熱熊を倒しました」

「成り上がったばかりとはいえ、たった五人で灼熱熊を倒すなんて凄いわね。どうやって倒したのか、聞いても良いかしら?」


 僕が経緯を説明すると、鷹野夫妻は感心していた。


「行動の阻害と同時に弱点への距離を詰めるなんて、考えたわね」

「あー、この世界だと呪力を使う事で武器の長さを伸ばせるのが、逆に盲点になっていた訳だな」

「そうかもしれませんね。落とし穴猟は地球でも大昔からやっていたそうですから」


 本当かどうかは知らないが、僕の朧げな前世の知識に、マンモスとか落とし穴に落として袋叩きにして狩っている絵を見た記憶が有る。


「私も前世で見た気がする。でも、土の術を使ってそれを再現すると、大きな熊も倒せるんだ。魔術ってやっぱり凄いよね」

「五メートルはある熊でもこの世界だと、中型では小さい方だからな。大型なんて最低でも体長三十メートル以上だからビルみたいな大きさだぞ」

「そんな巨大建造物並に大きな魔物に魔術で攻撃するのが魔術師団の仕事よ。覚悟しておきなさい」

「うへぇ」


 楽しそうに話す楓さんに、今度は鷹野夫妻が警告する。


「尤も、最近は魔物と戦う事が殆どない俺達が偉そうな事は言えないんだがな」

「そうね、私達の相手は主に人ですからね。しかも、それすら今の処一度も無いんですから、腕が訛りそうよ。私も久し振りに狩りに行こうかしら」


 二人の護衛対象は未だ幼い。城から出る事も殆ど無いだろうから、早々危ない目にも合わないのだろう。


「安全なのは良い事ですよ。護衛対象を危険に晒さないのが第一だと思います」

「その通りだな」

「四狼君は既に近衛の何たるかが分かっているのね。これなら桜花様も安心だわ。後は、桜花様が復活してからね」


 翼さんが何か意味深な発言をして桜花様の様子を見るが、未だ鑑定は終わらないらしい。

 その後は桜花様が普段、どんな修行をしているかについて聞かれて答えていると、然程待たずに桜花様が復活した。


「ふう、四狼の言う通り、能力の多い者を鑑定するのは結構大変ね。それに、これだけ能力が有ると逆に使いこなす方が大変そうだわ」

「分かって頂けたのなら何よりです」

「四狼、もう鑑定は終わったから元通りに隠蔽しておきなさい。ほっとくと好奇心に負けた楓が鑑定してしまうかもしれないわ」

「桜花様、酷いです。確かに興味はありますが、私は約束は守ります!」

「そうね、悪かったわ」


 楓さんが桜花様の謝罪を受け入れた処で、今度は紅葉さんが桜花様に話し掛ける。


「それで桜花様、四狼君の能力は本当に百も有ったの?」

「そうね、正確には数えてないけど、間違いなく百は超えてたわね。もしかしたら百四十位あったのかもしれないわ」


 正確には百六十程だが、わざわざ教えたりしない。


「本当に百越えの能力を持てるなんて、考えても無かった」

「そもそも、能力ってそんなに種類が有るの?」


 どうやら楓さんは、女神様に能力が何種類有るのか聞いていなかった様だ。


「僕は能力の種類は一千万以上有ると、女神様に聞きました」

「一千万って、そんなに有っても聞いてる傍から忘れちゃいそうね」

「百でも持て余してますからね」


 楓さんの感想には僕も同意する。実際、使った事の無い能力は確認してても直ぐ忘れてしまう。


「それでも百四十とは凄まじいな。其処迄(そこまで)多いと確かに詳細も気になる。可能な範囲で良いからどんな能力が有るのか聞かせてくれないか?」


 爪太さんも気になるそうなので、少しならと桜花様に許可を出す。


「そうね、戦闘系が多いのは分かるとして、なんで調理や裁縫なんかの家事系や、鍛冶や木工なんかの職人系まで取ってるの? 別系統の能力を取ってもどっちつかずになっちゃうし、私も気になるわ」

「何? 戦闘系能力が多いの? 四狼君も戦闘好きなの? だったら私と手合わせしてみない?」


 翼さんが身を乗り出して早口で捲し立てる。


「落ち着け翼。四狼もドン引きしているぞ」

「翼は意外と戦闘狂よね。ま、私も坂本戦みたいな手抜きじゃない、本気の四狼の戦いを見てみたい気持ちはあるから、四狼が嫌でなければ許可するわ」


 えっ? ここでも試合をする流れなの?


『既に能力の一部を公開しているのですから、今の能力の範囲で軽く捻れば良いと思います』

『今回は無駄な駆け引きは要らないので、瞬殺で良いのですよ』


 いや、殺しちゃ駄目だろ。やるとしても痛撃の不傷刀じゃないと、本当に翼さんが死んでしまいかねない。


『緋桜で服を切り刻んで、三刃の苦行の練習に使うのも有りなのですよ』

『いやいや、良くないよ! 旦那の前で人妻の服を切り刻むって、何処の盗賊だよ。悪役一直線じゃないか!』


 そんな事したら確実に女性陣の非難にもあいそうなので、当然却下する。


「武術の試合なら私も見たい」

「そうね、達人の試合なら術師の私達にも何かの参考になりそうだしね」


 森永姉妹も期待の目を向けて来る。設計図に夢中の平田さん以外の全員に求められては僕も断り難い。天照の言う通り、軽く済ませよう。


「仕方が有りませんね。少しだけお相手します」

「あら、早い男は嫌われるわよ。折角の機会なんだから、じっくり楽しみましょ」

「翼、流石に未成年相手にその言い方は変態ぽいし、少しおばさん臭いぞ」

「うっ……、未だそこまでの歳じゃないわ」


 翼さんも自覚が有ったのか、桜花様の指摘に少し赤面しながら言い訳をする。


「いや、地球より早熟なこの世界では、二十歳を越えれば十分おばさんに片足突っ込んでるわよ。貴女達も前世の常識に引きずられて、行き遅れない様に気を付けなさい」


 桜花様は森永姉妹にも注意をするが、実際この国の女性の平均結婚年齢は十五歳位だったと思う。

 平民の結婚年齢が低いのも要因なのだが、二人の年齢だと士族でも相手が決まっていない方が少数派だ。


「面倒な話だけど、この国で女性が嫁に行き遅れると日本以上に相手の選択権が狭まって、もっと悲惨なのよね」

「二十歳を越えると、格上からは相手にされなくなるらしい」


 格下と結婚すれば生活水準も下降する。できれば避けたい気持ちも分かる。


「わ、私は結婚して、子供もいますから!」

「話が脱線しているぞ。試合をするなら早く始めよう」


 翼さんが言い訳を始めるが爪太さんが話を戻してしまい、試合が有耶無耶になるかもという僕の期待は裏切られた。



読んで下さった方々、有難う御座います。

次も三週間以内に更新出来る様に目指して頑張りますので、今後も宜しくお願い致します。

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