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第二の悲劇
李が街を歩いているとパラパラ、雨が降って来た。
李は酒店に入った。
「いらっしゃいませ。御注文は?」
給仕が聞くといつもの様に茶と饅頭を注文した。
ザー。
雨は激しく降り始めた。
李が窓の外を見ていると稲妻が光り、雷鳴が轟いた。
食事が終わると李は二階の部屋に行き旅装を解いた。
机に向かい日記を書く。
軽く拳脚のトレーニングをしてからベッドに横になった。
人気の無くなった夜の雷雨の中、朱は街を歩いていた。
やがて武館の前に来ると鞘から剣を抜き中に入って行った。
家の中の一階では若い門弟が1人、留守番をしていた。
「ムッ」若い門弟が気付くと朱が立っていた。
門弟は剣を抜き構える。
が、手元はかすかに震えている。
朱は門弟に一気に剣を突き刺した。
剣が門弟の胴を貫通する。
「ウギャ」門弟は倒れた。
朱は静かに剣を抜き、布で剣に着いた血を拭う。
そして二階に上がって行った。
階下の音を聞き、部屋から門弟が飛び出して来た。
朱は一気に剣撃し門弟達は倒れた。
朱は何も無かったの様に武館を去って行った。