表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
善棍悪剣  作者: 東武瑛
3/7

剣鬼

その頃、李英風は街にやって来た。

武館の前で立ち止まると男が近ずいて来た。

「この道場のよ、鄭先生が殺されたって大騒ぎだよ」

「鄭先生は剣の達人として名高い。それが殺されたのですか?」李が聞くと男は「そりゃさ。いくら達人でも上には上がいるべ。それに、先生はもう歳だったしさ。ま、門弟達は犯人探しで血眼さ」

「犯人は分かっているのですか?」

「何でも門弟達は先生に破門された朱と言う奴を犯人だと決めつけてるみたいだ。俺にはよく分からんけどさ。ホンじゃな、アバヨ」男はそう言って去って行った。

李は武館の中に入って行った。

「どちら様です。今、取り込んでいる最中ですが」男が言った。

「少林寺の李英風と言います」李が名乗ると男の態度が変わった。

「李先生ですか、失礼しました。実は館主が亡くなりまして」

「聞きました。朱と言う男が犯人とか」

「よく御存知で。ま、中にお入り下さい」

男は室内に李を招き入れた。

「まあ、どうぞお座り下さい」男は茶を李に勧めた。

「一年前の事です。朱は我々の仲間でしたが先生の教えを破り他流試合をし相手を切り殺しました。それで先生は破門にしたのです」

「成る程」李は頷いた。

「しかし、朱は以前から先生に内緒で他流試合をし多くの人達を殺していた殺人鬼だったのです」

「物騒な奴ですね」李が言う。

「まあ、試合ですから仕方がないと言えない事もない。が、素行も不良でしたので先生は破門の決断をされたと思います」そこまで言って男は茶を飲んだ。

「捕まえてどうするんですか?」李が問う。

「殺してやりたい気持ちは山々ですが、改心させるつもりでいます。仏門に入らせるとか考えています。取り敢えず捕まえるため、門下生一同が奴を探しています」。

男はそう言うと「奴は剣鬼です。早く捕まえないと第二、第三の犠牲者が出るかもしれません。我々にも敵意を持っているでしょうからね」と話を締めくくった。

話を聞き、李は武館を出た。

「かなりの使い手だな。朱と言う奴。他に犠牲者が出なければ良いが」と思い、街を歩いて行った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ