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次は誰を殺るか
翌朝。雨はやみ青空が広がっていた。
鄭の家に男が入って来る。
「先生、おはようございます」
家の中はシーンとしている。
男が二階に上がる。
「先生」
男が叫ぶ。
鄭が血を流して倒れている。
「大変だ。先生が死んでいる」
男は階段を降り、家から街中に出て行った。
その後。
鄭の家の居間でテーブルを囲み男達が座っていた。
「たぶん、朱の仕業だろう」
口ひげを生やした年輩の男が言った。
「袁師範代、そうでしょう。奴は先生に破門され恨んでましたからね」若い男が言った。
「とにかく奴を探し出す事だ」袁は皆に言った。
山中
湖畔に小屋があった。
ロウソクの灯火に照らし、朱は書物を読んでいた。
立ち上がると剣を抜き、振り回すとロウソクの火が消えた。
剣を片手に外に出ると小枝を切り落としていく。
剣を鞘に収め座り、湖を眺める。
青空を写し湖面も青い。
「次は誰を殺るか」
朱は立ち上がり、馬に乗り山道を走って行った。