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雷雨の斬殺
明末清初の中国
広東の街
ピカッ稲光
ゴロゴロゴロ。
雷鳴が轟く
ザー。
雨が降りしきる。
チャプ、チャプ、チャプ、チャプ。
雨だれの音
雷雨の夜
ザッザッザッ。ぬかるみの足音が聞こえてくる。
陣笠を目深に被り黒ずくめの服を着て街を歩く1人の男がいた。
人影は無い。
バーン。
男は家の前に立つと戸を思い切り蹴飛ばした。
ゆっくりと中に入って行く。
トントントントン。
階段を上る。
「ンンッ」
部屋の中、ベッドで寝てた男が目覚める。
目をこすりながら部屋を出ると男が立っている。
「ハッ。朱」
「鄭、死ね」
朱は鄭を思い切り蹴飛ばした。
朱が倒れる。
そして剣を抜くと鄭を斬殺した。
ピカッ。
ゴロゴロゴロ。
ザー。
朱は剣を鞘に収め踵を返すと家を出て行った。
雷雨の夜の街を歩いて行った。