表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

掌編小説集8 (351話~400話)

三人の助手

作者: 蹴沢缶九郎

人型の巨大ロボットの設計図を前に、博士は三人の助手に聞いた。


「これは、これから開発しようとしているロボットの設計図なのだが、操縦席を何処にするべきか悩んでいる。そこで、ロボットの操縦席を何処に作るべきか、お前達の意見を聞かせてほしい」


博士の言葉に、一人目の助手が言った。


「それなら絶対に頭部にするべきです。高く見晴らしも良く、操作もしやすいでしょう」


その意見に二人目の助手が横槍を入れた。


「いやいや、作るなら胸部だ。頭部などより位置の安定性が違う」


三人目の助手も言う。


「それならば腹部で良いのではないか? 安定性は胸部以上だろう。それに地面に近い分、乗り込みやすい」


「いいや、頭部にするべきだ」


「いや、胸部で」


「腹部だ」


三人の助手達の操縦席論争が白熱しかけた所で、


「お前達の意見はわかった。三人の意見を参考に検討してみるとしよう」


と、博士は纏めた。


それからしばらくの歳月が経ち、そんな出来事を忘れかけた頃、一人の助手が思い出した様に博士に聞いた。


「そういえば博士、いつかのロボットの操縦席の件ですが、結局、あれはどうなったのですか?」


「ああ、あれなら解決したよ」


あっけらかんとした博士のまさかの言葉に、助手は驚き尋ねる。


「操縦席の場所は決まったのですね!? 一体どこに!?」


「それはここだよ」


と、博士は頭部も胸部も腹部も存在しない、球体型ロボットの設計図を取り出し、その中心を指差して見せた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 確かに博士は、ロボットの操縦席とは言ってますが、人型とは一言も言ってませんでした。私も人型ロボットを思い浮かべて読んでましたw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ