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絶望の食卓  作者: 枝鳥
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閑話

「枝鳥さん、美味しい店を教えてくださいよ」

 そう言われることが度々ある。

「どうやってそんなに美味い店を知るんですか」

 そう聞かれることも度々ある。



 それ、そのまま回答になってるよ。

 そう枝鳥は思っている。


 美味い店を知りたければ、美味い物を食べることが好きな人に聞けばいいのだ。

 だが、周囲に突撃する前に一つだけ知っていてほしいこともある。


 美味い店で、嫌いな奴に出くわしたいか?


 お断りである。

 美味い店では気分良く過ごしたい。

 だから、美味い店を教えるのは嫌いじゃない奴にだけである。


 心が狭いのは百も承知。

 だから、枝鳥は後輩なんぞに冒頭のように聞かれる時にはいつもこう教える。

「美味い店を紹介されるような人間になれば、自然と連れて行ってもらえるし紹介もされるよ」


 そして、美味い店を知るとその情報を美味い物を食べることが好きな同士で交換して、より美味い店ネットワークは広がっていくものだよ。

「今日は俺のオススメの店に行きましょう」

「じゃあ、次は私のオススメの店に行きましょう」

 優しい世界である。



 ところで、微田舎住みの枝鳥の周辺で、初見で美味い店を探す必勝法のようなものを発見した。

 1.車社会の田舎のくせに、駐車場がやたらめったら出し入れし難い。

 2.二千円。


 この2点を気をつければ、滅多に初見の店で失敗しなくなった。

 不便な場所でもやっていけるのは、美味い店でなくては厳しいのだろう。

 千円ほどは多々あれど、二千円は微妙にためらう価格である。

 しかし、美味い物には材料費も手間もかかるのは当然だろう。

 だから二千円なのだと推理している。

 まあこの法則は、他地域で通用するかどうかは知らない。

 あくまで枝鳥の周辺での話なのだから。



 二千円。

 映画一回分。

 ランチ二回分。

 ファミリーレストラン二回分。

 ファストフード三回分。

 居酒屋のちょっとしたコース〇.五回分。


 安いか高いかはよくわからない。

 しかし枝鳥にはちょうどいい。

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