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絶望の食卓  作者: 枝鳥
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あんまん

 あの豚まんで有名な赤いパッケージの店にあんまんがあることは、実は意外に知られていない。

 何故ならば、関西の主要な駅にはあるあの豚まんの店で、あんまんを扱っているのは本店だけなのだからだ。

 普通の店舗では販売されていないのだ!

 だから、このあんまんの存在は世間から秘匿されている。

 関西出身の知人でも、ここのあんまんを食べたことのない者は存外多い。


 だがしかし。


 この秘匿されたあんまんを手に入れる方法がもう一つだけある。

 そう、通販だ。

 枝鳥は、このあんまんのために通販を利用することすらある。

 まあ、あんまんだけでは送料がもったいないので、豚まんも一緒にポチッとクリックしているのだが。



 さてさて、コンビニエンスストアのあんまんと赤いパッケージのあんまん。

 もちろん、豚まんの項で語ったように皮が違うのは当然。

 このあんまんにも、フッカフカの皮が使われているのだ。

 しかもなんとこのあんまん!

 中身も普通のものとは全然違うのだ!!

 このあんまんの中身は中華餡なのだ!!!


 しかし、枝鳥の周囲の人々にこれを言うとキョトンとした顔をされる、


 あれ?

 中華餡ってもしかしなくてもマイナーなのかもしれない。


 中華餡、それは普通のアンコではない。

 ねっとりとなめらかな舌触り、ふんわり香る黒ゴマ。

 そう、黒ゴマ餡なのだ!

 セサミンだよ!

 よくは知らんが、健康にも良さそうなセサミンたっぷりなのだ!!



 このあんまんは豚まん同様に自宅でもレンジで美味しく蒸して食べられるのだが、皆さんには是非とも気をつけてほしいことがある。

 これはあくまでも枝鳥の経験則だ。

 だが、おそらくは誰もが陥る罠だとも確信している。


 あんまんは豚まんよりも熱くなる。


 豚まんと同じようにかぶりつくと、口内で恐ろしい悲劇が発生することは間違いない。

 上あごに餡がくっついた時には、その後数日は美味しく食事を取ることを諦めねばならぬのだから。


 このあんまんを食べる時は、おとなしく二つ割にすることを推奨する。

 フッカフカの生地の端をちぎり、餡を掬って付けて食べるのもいい。

 そう、きっとあんまんとは豚まんと違って上品に食べるものなのだ。

 香ばしい黒ゴマの風味豊かなあんまん。

 豚まんと違ってつるんとした見た目も可愛いらしいあんまん。


 あんまんのある生活。

 豚まんを食べるかあんまんを食べるか、選ぶことができる生活。

 枝鳥が豊かさを感じる瞬間である。

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