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collect fraud online  作者: haruki
間章 FIRST
15/19

始まりの約束 ~ユズキ~

 今回から間章の始まり

 仲間達の過去とハルとの絆の原点が今明かされる

 副団長も少し登場します!!

 蒼い瞳で緑色の髪の綺麗な女性がこちらを安心させるように笑っている


 なぜか満たされた気持ちになる


 なんででしょう?


 視点は変わる


 女に人は私が笑うとそれはもうびっくりするぐらい嬉しそうにする


 よかった笑ってくれた


 喜んでくれたかな?


 視点は変わる


 机の上の物を落としてその破片でけがをした最初は怖い顔で怒ってたけど最後は泣いて抱きしめられた


 ごめんなさい心配かけて


 許してくれたかな?


 視点は変わる


 意地悪そうな男の人が二人だけの部屋に入ってきた大好きな女の人が嫌そうな雰囲気


 この人をいじめるのは許しません


 いつか守ってあげれるかな?


 視点は変わる


 また男の人が来て女の人に何かいって女の人が私を抱きしめながら泣いています


 絶対に絶対に許さない何があっても


 どうしたら泣きやんでくれるかな?


 視点は変わる


 いつもなら寝ている夜中に女の人が私を抱き上げて外に出た


 思いつめた顔をしていた


 どうして外に行くのでしょう?


 視点は変わる


 森の中を女の人が駆けているその体は魔法や武器によって血まみれ


 ときおりこちらに安心させるような顔を向ける


 どうして私にそこまでしてくれるの?


 視点は変わる


 女の人の心臓に弓が刺さる一瞬だけ苦痛に顔がゆがむ


 それを無視して笑顔をつくりながら私の右目にキスをする


 いや!!おいていかないで母さん!!


***********************************************


 「・・・・・・・・・はあぁーーーーーーーーーーーーーーー」


 何もかも全部吐き出すための大きな大きすぎるため息


 (久しぶりに見ました)


 3年ぶりに見たまだ言葉すらしゃべれない頃の夢

 ぼんやりとしか覚えていない母の愛情を感じられる唯一のもの

 でも同時に抑えきれない悪意も感じる


 気づけば右の瞼を優しく撫でていた


 (疲れていたのでしょうかね)


 前の街から1週間の旅でついにたどりついたこのマクスウェア

 危険度は世界的に下級上位かぎりぎり中級下位

 強くなったのでより希少な鉱石を求めてやってきた


 「まあいいでしょうとりあえず露店ですね」


 喜びと悲しみと怒りと憎しみと安らぎと憧憬と懐かしさと寂しさ

 一気にいろんな物を感じて疲れた


 疲れたときは右の瞼を掌で優しく包み込む


 左目だけで見る世界はどこか温かみに欠けるものに見えた


***********************************************

 2080年7月28日 PM2時 城塞都市マクスウェア


 CFO開始一周年を記念した大型アップデートは1ヶ月にもおよんだ

 そしてやっとアクセスが可能になってオレはすぐにCFOの世界に来た

 オレは圧倒されて一瞬これは頭の緩い妄想かと疑った


 昨日まではあほうよろしくここは何々の街だぽん!!よろしくキャハ☆

 みたいなことを言っていたNPCがさっき見ればNPC同士で

 最近息子が体調を崩しがちな事や夫の浮気を疑っていることまた今日の晩御飯の献立など

 正直プレイヤーと言われてもなんら疑わない程のいでたち

 それがあちこちから聞こえてくるのだ


 第二の世界の実現だとテンションが上がったのは言うまでもない


 そんな気分の中引っ掛かる事がある


 「意味わからん」


 そう意味がわかわないののだ


 何がって?


 この都市の人間のこの敵対的な空気とかな!!


 この都市に来て約一か月

 ここまでNPCが人間臭くなるまでに一部のプレイヤーのように目につくNPCを全員殴ったり

 勇者よろしく壺クラッシャーからのタンスティールをかましたり

 幼女ホイホイを断行してみたり

 道をアイテムで封鎖してNPC歩行者天国を作って焼き払おうとしてみたり


 ・・・・・・・どうでもいいがロクなやついないな


 オレはこの都市にもとい人間にちょっかいや迷惑などを特にかけていない

 まあオレの目標が強くなることだし

 一心不乱にこの近くのボスでキュリアスという神の人型兵器の試作品を破壊し続けていたのだ


 「嫌われる要素なくね?このままじゃオレ泣くね」


 これはのちに知ることになるがどこかを拠点に設定するとそこでクエストを全然受けなかったりすると街からの友好度がまったく上がらないどころか敵態度はうなぎのぼり


 運営側もただ狩りをしたり生産をするよりクエストを受けた方が金も経験値もたくさんもらえるのでそもそもネタで設定した見えざるパラメターで敵態度はもっぱらプレイヤーの変態行為だと予測している

 ゆえにもし一回もクエスト受けないなんて状況があれば

 そこらのNPCの反応は親の仇いや先祖の仇いやもはや聖女が助走付けてブン殴るレベル程度になる


 オレの不幸はたまたまこのボスに対するクエストがないことこれに尽きる


 まあそれでも少なくとも直接干渉は禁止しているのでかろうじてまだ運営の良心は持っているのだろう

 ちなみに間接干渉で店の商品ぼったくり的なことは可能である


 とりあえずすごく久しぶりに冒険者ギルドに向かう


 ここで4点だけ冒険者ギルドについて説明しよう

 1点目がランクはIからSSまで実質SSは名誉職

 2点目は依頼はどのランクでも受けれるけど失敗ならその報酬の1割を支払わさせられる

 3点目で訓練場や各種ギルドの施設や銀行、解体代行また金を借りるなどのサービスが無料で利用可能

 最後に規則に違反すると明日から君も似顔絵がたくさん出回って有名人やたね!!

 まあ要するに従わなければ殺すということ


 以上の4点のみを抑えていけば基本ギルドは放任主義なので冒険者としてだいたいやっていける


 さてギルドに入って見れば街中のように明らかに悪意がぶつけられないので少し安堵する

 まあ受付ガールは表情筋がファックなことになっているがそれはいいだろう


 ではなぜボス狩りをしていたオレがギルドに来たのか

 このゲームはかなり世界が広く約ユーラシア大陸3つ分とかいうよくわからない面積なので攻略ウィキを参考にこんな風に強いモンスターと戦える場所があるからそこに行くかみたいに便利ではない

 せいぜい武器のレシピやモンスターの強さを見る程度

 

 話が逸れたが地道に都市の周辺モンスターの分布情報を調べた結果

 マクスウェア坑道に最適なボスヘリオスデュラハンの存在を確認できた

 それを見つけてすぐに一度戦いに行ったが見事に負けた

 なぜなら武器が壊れたのだ

 そんなもん予備持ってきゃあいいだろこのいかれポンチが!!

 っと思われることだろうがオレのアイテムボックスはまだ自身のレベル的に大剣が入るほど容量が大きくないしてか戦闘中に武器が壊れるとかもうその時点で首ちょんぱの可能性が高いのだ


 そんな理由で得られる予測経験値的に仲間を一人ぐらいたとえ役立たずでも効率的だと判断してギルドに来たわけだ


 「うーん、やっぱり候補は魔法使い系かな」


 自身に欠けている遠距離攻撃の手段は魅力的である


 「まっどっちでもいいか」


 どんな人が仲間になるのか今からそれに期待をする


 思えばオレはこの時周りの変化がすごすぎて混乱してたのだろうな


***********************************************


 「はぁーー、やっぱり売れないですね」


 特技の魔法を使った憑代式

 質なら間違いなくこの都市でも最高補だと自慢できる


 「解せないです」


 その言葉に少々のいら立ちを込める


 前の街でもそうだったが何故か売れない


 「込められた魔力の量も多いし使用回数も普通の約3倍クラス何が足りないんでしょうね」


 ここで補足しておくと

 ユズキの作った魔道具は自身の申告通りこの都市でも一番であり

 普通に効果はさて置きその魔道具に使われている技術は現在の技術を鼻で笑うほど高度なものである

 使用回数もわけがわからんくらいに多い

 効果はさて置き


 ユズキはあまりのいつも通りの売れなさに飽きて目当ての鉱石だけ取っていつも何故かこれだけは売れる加速の護符でも作ろうかと思案する

 ここまでの道のりで食費や宿泊費など結構金がかかっているのだ

 戦闘能力はこの辺でも通用するからクエストでも適当に片付けてもいいが

 あくまでここに来た目的は新たな憑代式の作成のためなのだ

 それに今日は何となく気が乗らないのも本音


 まとまらない思考を繰り返して意味もなく地面を眺める


 足音が目の前で途切れる


 また冷やかしかと面倒になる


 顔を上げて前を見ると白い髪の男が商品を手に取って見ていた


 なんとなく何か嫌なことがあったのか沈んだ雰囲気を放っている


 人は共感する生き物だ


 隣の人があくびをすればこちらも眠くなるし


 目の前でうまそうな物を食べられればこちらもお腹が減るし


 近くで筋トレをされれば外国人のブートでキャンプなことがしたくなる


 ?最後のはどうでもいいがおおよそ理解し実際に経験したことがあるのではないか


 男の沈んだ雰囲気はきっと自分とはまったく別の理由だろうが

 長年一人で旅をして来て本人が気づかぬ内に孤独に苛まれていたので

 かなり興味を持った


 男が聞いてくる


 「魔力流してみてもいいか?」


 (ええーと、それですか)


 久しぶりにしゃべり掛けられ内心若干あせる


 悲しいかな人付き合いが少なすぎる


 (まあ一人の方が好きですし!!)


 男が手にした憑代式の効果は感覚の鋭敏化

 言い換えれば普段感じれないものまで感じれるようになるもの


 とりあえず周囲に影響を及ぼす類の物では無いのを確認したので許可を出す


 「大丈夫」


 冷たい印象を与えてしまったかと一人自己嫌悪に陥る


 男が魔力を流す


 「ちょちょちょま、まずい!!」

 

 ユズキは焦って叫ぶ

 

 見誤った

 彼女の心情はまさにそんな感じ

 見た感じ戦士風の男でかつヒューマンであるのであまり魔力がないと思っていたが・・・


 感覚に干渉する憑代式は回路がたくさんあって

 またあまり魔力を消費しないのだ


 もし目の前みたいに自分程ではないがこんな大量の魔力を突っ込んだら魔力が可視化する

 そうすればあたりの人は・・・


 すぐさま自信作の指輪型の憑代式の簡易擬似低位聖域発生器略して聖域君を発動する


 発動と同時に爆発


 ドスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!


 聖域君の能力は3秒のみ現れる


 聖域内のすべての生物はある程度の生命の危機を無効化される

 まあ下位なのでたかが知れているが

 しかし今回はそれで十分


 「やばい逃げるぞ!?」


 周りに一切の被害はないが大きな音を立てたので兵隊が集まってきたのを素早く察知し

 商品を敷き布ごと手早く回収し私の手を握った男に引っ張られる


 あとに残されたのは人々の驚きに染まった間抜け面だけだった


***********************************************


 「・・・・・・・・・・」

 (気まずいです)


 あの後男の人に都市の外まで引っ張られて行って

 とりあえず最初に魔力を込めすぎないように注意しなかったのを誤れば

 相手も言葉少なめに謝罪をしてきた


 その後なぜかこちらを探るような目つきをして来てこう言った「魔法は使えるか?」

 もちろん魔法ならこの付近でも余裕で通用するくらいには扱えるので肯定をすると

 相手はこれから行くモンスターの討伐を手伝って欲しいと依頼してきた

 それでたまたまマクスウェア坑道で鉱石を採取する予定だった私は採取の手助けをするという交換条件で一時的に共闘することになった


 そこまではよかった


 こんなぼっちな私でもなんだかんだ旅の中でやれ村が襲われただのやれ緊急依頼だのと冒険者と共に狩りの経験があったのでまあどうにかなるだろうと思った


 (とんだ誤解だったのはまあアフターザフェスティバルって感じですね)


 坑道に向かう道中はモンスターも弱くてかつ男の人が予想より強かったので特に連携をする間もなく撃破を重ねていった


 そして坑道についてからやらかした


 結論は味方に魔法を当ててしまったのだ何度も


 言い訳をさせてもらえば男の動きが何というか動きが急?なのだ

 例えば敵が剣を持っていたとする

 当然あなたは剣で何かこちらに被害を出してくるのを想定するだろう

 そして敵が剣を上に振りかぶればあなたは振り下ろして攻撃される剣を避けるために回避行動をとるだろう

 また剣を振り上げるのを見るまでもなく肩や肘、はては足腰などの体全体を観察すればより速く回避行動が取れることだろう


 まとめると相手の行動を見てこちらの行動が変化する

 この関係を説明したものだ


 男の動きはそれに合わないのだ

 自身がそれほど武術に精通していないのとまだ余り男の動きを見ていないユズキにはその動きが普通と違うことと何となく急であるという印象のみを受けた


 つまるところ普通はあっ次避けるなとか攻撃しそうなどの自分が培ってきた冒険者としての予測で測れないのだ次の行動が


 それゆえにモンスターに放った攻撃の射線に男が突然現れて被爆してしまうのだ


 ユズキは暗い気持ちになる


 朝から嫌な夢を見て気分がすぐれないし

 戦闘では失敗ばかり

 それに特に攻められることもないので申し分けなさすぎる


 すでに自身の鉱石の採取も終わり目的のヘリオスデュラハンも目前


 このままで大丈夫かなと不安に襲われながらも黙々と足を進める


***********************************************


 ヘリオスデュラハンがいるエリアの前で男がこちらに振り返る


 「戦闘前の確認をしたい」


 「はい」


 「ヘリオスデュラハンは二刀流で3メートル程の大きな鎧で得意属性は火

  で気をつけてもらいたいのがとにかく動きが速いことだ

  魔力で瞬間的に脚部を強化した高速移動はオレの本気の速さにも一時的にだが追いつく

  それと一応魔法で牽制みたいなことをしてくるので注意が必要」


 「わかりました」


 おそらく男の人が実際に戦ったことがあるのだろう

 その後も何種類かの相手が多用する攻撃の予備動作や技の効力あとは範囲などについて軽くレクチャーがあった


 暗記はかなり得意なので一回聞いただけで覚えることができた


 「大丈夫そうか?」


 「ええ」


 短く返事を返すと男の人は頷いてエリアに踏み込んだ


 男の人に付いて行ってエリアに侵入するとそこは大きな闘技場のような作りだった


 軽く周囲を見回すと視線が圧倒的な存在感をまき散らすそれに奪われた


 ヘリオスデュラハン

 その昔魔王の中で武器を魔物にするのが流行った時代がある

 あるものは自慢の剣をあるものは伝説の盾をまたあるものは古代の鎧を

 思い思いに自らの理想を顕現させていった

 さてやはり複数人で同じことをすれば自ずと順位ができるもの

 この魔物を作成する能力が特に高かったのが魔王ヘリオスだ

 彼の作ったものは時に千の軍すら退け神をも躊躇させる

 武器でありながら武器にあらず

 名前が売れるのには時間がかからなかった

 ヘリオスの作った魔物はいつしかヘリオスシリーズと呼ばれ恐れられていた


 では目の前の鎧は何か


 その正体はもっとも初期に開発された傑作である

 コンセプトはいたってシンプル

 わが軍の盾となれ

 魔王はそう言ったそうだ

 性能はとにかく物理防御にすぐれて攻撃力もなかなか高い

 そして速度を一時的に上げるギミック

 少々魔法に弱いという点を除けば能力は高い水準でまとまっていることだろう


 過去の亡霊が今現代の戦士に牙をむく


 始まりは違和感がないという言葉が当てはまる


 お互いに向かい合った戦士は敵を見て突発的に距離を潰した


 ユズキにはそう見えた


 ほうける暇などないのですぐに詠唱を開始


 「流すものすなわち水」


 鎧は右半身を前に押し出し右手で剣を振りかぶり左手は体に隠すように配置


 男は様子見もくそもなくまずは注意を引くために最初から全力

 一気に頭上に剣を引き上げ地面を踏み砕く


 鎧はその体の大きさを生かし大剣を軽々片手で扱っている


 迫力的に完全に負けているが速度は男に軍配が上がるだろう


 キンッ!!


 澄んだ金管楽器のように綺麗な音


 男は力的に負けているのを理解しているのですぐに相手の剣に沿うように武器を動かし体を左に捻りながら剣を左に受け流し重心を右に移動させる


 鎧は受け流されることは想定済みなのか倒れこむように前傾姿勢を取って体を右に移動させつつ隠していた左手で突きを放つ


 「潰されるものそれは汝」


 中級の範囲指定魔法アクアプレスを準備する


 速度で圧倒してまったく鎧の攻撃を受けることなく動きを封殺しつつ的確に自分の攻撃を当てる男の実力におもわず身震いをしてしまう


 常に近い間合いで攻撃を都合のいいようにさばき続ける動きを見て自身の戦闘中に感じていた男に対する違和感の正体に気づく


 (なるほど相手の動きをなんらかの方法で予知くらいの精度で先読みしてるんですね)


 急ではないのだ動き出しが圧倒的に速いのだ


 これがハルをトッププレイヤーたらしめる能力の一つ


 勘なのだただのなんの変哲もなく万人が所持する

 ただし精度が狂ったな


 相手の行動を完全に掌握


 今の行動はなん布石?次の行動の形は?この行動をした場合の相手の変化は?


 すべての答えを握りしめる


 理由理屈論理科学証明


 それらすべてを不要なものと断罪し未来を描く


 予備動作を見抜く前に予備動作を見抜く


 あるはずのないものを理不尽に作り出す


 だからどんなものでも一瞬は相手を観察したり思考したりする間がないのだ


 思考をしながら反射を超える速度の体現


 のちに神の目と呼ばれる技術の産声が確かに世界に響いていた


 「アクアプレス!!」


 稼いだ時間で魔法を発動


 今回は上手いこと男を巻き込むことなく敵を飲み込む


 (いけますね)


 やはり人は何かを成功したとき程愚か者になる


 鎧が突こんでくる


 世界が引き延ばされる


 まずいおそらく死にはしないが戦闘不能になる


 朝の夢がフラッシュバック


 急に視界が母さんの背中に遮られる


 大剣で鎧の攻撃は弾かれる


 吹き飛ばされながら一回しか使えないミニ聖域君をとっさに発動した


 呼吸が乱れる


 寒くもないのに寒い


 震えがとまらないとめられない


 怖い怖い怖い怖い


 (母さんがいなくなる!!一人に・・・)


 涙がはじける


 押し込めていた感情の爆発


 このままでは死ぬそんなことより寒い


 孤独が自身の頭からむさぼり喰らう


 指が右の目に入りそうだったので反射的に右目を閉じる


 「落ち着け」


 右の瞼に感じる熱が寒さから私を守ってくれる


 「落ち着け」


 左目で見ると母さんではなく男の人の顔が写っていた


 「落ち着け」


 繰り返される言葉が心に沁みわたる


 黙って頷くと男が指を瞼から外した

 その熱が名残惜しくて悲しくなる


 「ケガは?」


 「・・・ないです」


 「そうか」


 こちらを安心させるように笑うその笑顔に胸が高鳴る

 体が熱くなってどうしようもなく手に入れたくなる

 よくわからない感情

 でも不快じゃない感じたことのないくらい幸福な感じ


 今思えばあの時すでに落ちてたのかも

 何にって?

 もちろん秘密です


 心の底の一つだけ亡くなって無くなった要素が戻ってきた


***********************************************


 「って言うのが私とマスターの出会いですね」


 夜中の大海の本部のある部屋でのある話


 「ふふっマスターもかっこいいとこあるのね」


 ヒナタはまるで実の娘を見るかのように優しい瞳を向ける


 「そうですそうですいつもはあんな感じですがたまにドキッとします!!」


 「ふふっそっか」


 マスターの話になるとものすごく楽しそうになる娘を眺め思う


 (なんていうかわかりやすい子ね)


 見ててとても満たされた気持ちになるが続きを促す


 「それでその後はどうなったの?」


 「もちろんマスターと復活した私で圧殺しましたよ

  まあ戦闘で正直マスター一人でも勝てたかもしれませんが」


 大海に入るまで魔法より憑代式の研究ばっかりしてきたユズキに戦闘を求めるのは無謀である

 

 「そうね他の団員に聞いた話だと昔からかなりおかしい性能だったそうね」


 ヒナタはマスター対大海全員でも勝てる未来が想像できないことに苦笑いが漏れる


 「確かにマスター戦闘能力は最強ですけど万能ではないですから」


 「そっかじゃあみんなで支えなきゃね」


 大海に所属するすべてのものの思いが代弁されていた


 (そろそろ眠るには良い時間ね)


 ユズキもあくびをして眠そうなのでここでお開きにする


 「じゃあおやすみユズ」


 「はいおやすみなさいママ」


 光の魔道具を消してユズキの向かい側のベットに潜り込む


 ふと気になって聞いてみる


 「最後に一つだけいいかしら?」


 「なんですか」


 「坑道の帰り道の約束ってなんなの?」


 めずらしく右ではなく左目の瞼を撫でる


 「う~ん、秘密ですただまだ達成されてないですね」


 「そうじゃあ達成されたら教えてちょうだいね」


 その照れる姿に満足してし質問を切り上げた


 次の日ユズキは左の瞼に口づけをされる夢をみて一日にやつき続けたことを

 ここに補足しておく

CFOの知識辞典

 今回は商人の紹介

 フィーリア・・・ラウル隊副団長

 金金金おまけに金金金っと

 ・・・・・・・・・ヤベェこれ以外紹介いらねぇな

 種族はドワーフの合法ロり枠の大海の財布係り

 武器は値段が高そうという理由からラウルとユズキが開発した魔法銃

 モデルはガバメントで2丁とも髪の色に合わせて黒色

 もともと見習いの商人の時に盗賊に襲われたのを大海に助けられたという経歴の持ち主

 レンの能力は外交的な交渉や軍隊の指揮などにおいては天才的であるが金銭的なことにおいて能力は一流程度

 そこで超一流の商人のフィーリア姉さんがお金を管理している

 金銭が絡むことでは神がかり的な能力を発揮し

 お金が大好きな一部のメンバーと共に日々莫大すぎる利益を大海に貢献している

 戦いはなんだかんだ得意で体術においてはステラとタメをはれる程であり銃の早打ちや精度は化け物の領域と言える

 こんなにお金が好きなのは昔お家がビンビンボーだということ

 大海に入ってからの一番幸せかつ趣味は皆が金銭的に不自由することなくいっぱい食べて楽しく過ごしているのを見ること

 ラウルは何か作っているか酒飲んでいるか寝てるか戦っているかのほぼ4択でしっかり隊の運営はやらされている

 副団長にしては不真面目で結構な頻度でマナにお説教を受けている

 普段は金のためにかけづり回ったり泥水をすすったり金に粘着している

 いつもラウルが性能重視で金に糸目はつけないのでたびたび衝突するが亡くなった父を思い出してしまい最後は許可してしまう

 ラウルもフィーリアを表では邪険に扱うが自分以外がそんなことをすれば・・・

 とりあえずひき肉は好きですか?とだけ聞いておこう

 一番よく一緒にいるのはユイ

 以外にもあまり金の話はせずにプライベートなかつ女子力高そうな話をしている

 一番大切なものは聞かれれば大海の皆と思っていても言わずに金という照れ隠しはもはや公然の秘密

 まあ2番目は金なんだけど

 大海で行われる宴会の9割はこの人の主催

 もちろん騒ぐのは大好きだが一番は宴会が好きなラウルのため

 今日も今日とて金金金

 流れ星がなくても金金金

 お金で買えないものがある?

 そういう時はどうやって安く入手するか考えてそのアイデアで一儲け

 今日も皆のためにお金を稼ぐ

 え?私の分はって?

 2重帳簿って便利だよね☆

 眠る前に大海の皆が笑顔でありますようにと毎日祈っているその姿が彼女の本当の姿かもしれない

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