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第1章 双子の魔法使い
最初に魔法使いが出現してから100年後、2039年。
大戦直後は極少数だった魔法使いやリーパーは、今や全世界で100万人に達した。
確認されていないのを含めると更に多いだろう。
そう言う俺―――御剣木 一真も
双子の妹である凛々と一緒に世界中を旅する魔法使いだ。
否、『だった』と言うべきだろう。
俺と凛々は魔法使いとしてきちんと生きるためにも学歴を得ようと生まれ故郷である東京に帰ってきた。
そして、日本で唯一の魔法学院である『東京魔法学院』の高等科1年に編入することになっている。
俺と凛々は今、東京魔法学院の門前にいる。
「凛々、本当に良いのか? 」
「兄さんは心配しすぎですよ。私だって人と話せますよ」
そう言う凛々の手は微かに震えている。
「そうか、なら行くか。東京魔法学院に」
俺は凛々の手を握り、魔法学院の門に向かって歩き出す。
「はい。行きましょう」