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お父さんのVRMMO奮闘記  作者: まるぼろ
序章 ログイン
3/16

バルキリア 1

ゲーム起動後、次に俺が転送されたのはまたチュートリアルの場所だった。


だが、先ほどの少女の姿はなく、白い空間に少女が座っていた椅子と机だけがあり、なぜか倒れていた。


何があったのだろうか。


恐る恐る倒れている椅子に近づき、元の位置に戻しておく。


すると机の上にはコンソールが置かれており、俺の名前が記されていた。


【名前】???(入力してください)

【身体情報】男、178cm、63Kg

【種族】人間

【1次ジョブ】商人

【基礎ステータス】

 STR 15

 AGI 15

 VIT 15

 INT 15

 DEX 15

 LUK 15

 

【ステータスポイント】15

【スキルポイント】15


【数値ステータス】

HP:390

MP:108

攻撃力:24

魔法攻撃力:28

防御力:25

魔法防御力:24

命中率:224

回避率:140

行動速度:30

運:6





・・・これはあの少女が見ていた俺のキャラステータスかな。

名前のところをタップすると、名前入力画面が出たので、「HIRO」と入力する。(なぜか日本語変換されなかったので)


商人のキャラにしては基礎ステータスが高い気がするが、気のせいだろうか。

というか、全部15ってキャラ特性まったく関係ないじゃないか。

ジョブ変更中に停電なんて起きたから、あの子がステータス割り振る直前だったのだろうか。


どちらにしてもこの高ステータスはありがたい。

ちなみにステータスポイントなどのポイントをいじることはできなかった。



この場所から移動するにはどうしたらいいのだろうか、と考えていると、キャラステータスのコンソールの一番下にチュートリアル終了というアイコンがあった。


タップすると目の前に青白い光に包まれた魔法陣が起動した。



「これでチュートリアルから抜け出せるのか・・・?」


どちらにしても早く夕陽を見つけたい俺は、その魔方陣の上にジャンプして乗った。


すると目の前がぼやけると、どこか違う空間に放り出されたような浮遊感が感じた。


視界が開けるとそこはどこかの広場のようで、あたりにはプレイヤーらしい人物を大勢発見することができた。


夕陽を探そうと周りを確認していると、なぜかプレイヤーの多くは打ちひしがれたように沈んでいるものが多い。


何が起こったかは大体想像ができた。


おそらくテロリストによる声明がこの世界でもされたのだろう。


みんな絶望に満ちた顔をしているようだ。こんな阿鼻叫喚な世界で夕陽が一人寂しい思いをしているかと思うと、胸が締め付けられそうになる。


俺がふと左下にある自分のステータス画面を見ると、メールマークのようなものがピコンと表示された。


俺はそれを開いてみた。




「遅い!いつまでチュートリアルに時間取られているのよ!

ログインしたら、町の北にある【十六夜の酒場】に集合!

                       夕陽 」


俺は自分の現在地を広場にあるマップ図で確認すると、北へ向かって駆け出していた。





【十六夜の酒場】


昔の西部劇に出てくるような酒場だった。

俺は駆け足でそのまま酒場へと突入した。


「おい、夕陽!大丈夫か!!」


「おそーい!何やってたのよ!馬鹿親父!」


「ちょ、え?おま・・・」


「ちょ、え?おま・・・じゃないわよ。今何時だと思ってるのよ、13時過ぎよ!13時過ぎ!私と約束した時間何時だったっけ?」


「えーと・・・12時?」


「はい、じゃあ言い訳タイムする?それとも怒られる?」


「言い訳タイムを・・・ってそれどころじゃないだろ!今の状況を理解しているのか、お前は!?」


「はあ?・・・あー、テロリストに乗っ取られたみたいね、このゲーム。ログアウトできないって言われてもねー。

別に普通にゲームするだけでログアウトできないだけなら問題ないんじゃない?」


「返せ」


「え?何?」


「返せ、俺と母さんのドラマチックな展開と感動と俺の恥ずかしい台詞を返せ!」


「ちょ、やめて!知らないわよ、そっちが勝手に暴走しただけじゃない!」



その後、俺は夕陽にログイン直後に起きたこの世界での声明について確認した。



テロリストが言うには、この世界からログアウトできないようにした。

この世界から抜け出すにはこのゲームをクリアするしかない

殺す気はないが、何かの実験を兼ねているとか言っていたようだ。



「こっち側で死んでも現実世界で死ぬわけじゃないからねー、まあ早めに攻略しないと現実世界の体が持たなくなるのは困るから早めに攻略しようと思っているけどね」


困った顔をしながらもそんな言葉が出てくる夕陽を頼もしく、そして自分の娘がこんな大きく育ってくれたのかとも嬉しく感じた。


「なんというか、夕陽が夕陽でいてくれてほんとよかったよ」


「どちらにしてもこの世界から抜け出すには、今のところゲームクリアするしかないみたいだし、私はもちろんゲームクリアを目指すよ」


「そうか、じゃあ俺も朱里との約束もあるし、お前をちゃんと現実世界に戻せるようにがんばるわ」


「はい、ところで、お父さんは見た感じ商人を選択したようだけど、プレイヤーポイントはどんな風に振っているの?見せてよ」


通常はプレイヤーのステータスを見ることはできないが、開示側が特定プレイヤーに開示許可を出せば見せることができるようだ。


これはパーティ戦やギルド戦などでプレイヤー内の連携を円滑にするためと公式サイトに載っていた。



「おう、なんか商人らしくないステータスになっているが、確認してみてくれ」


自分よりもゲーム暦が長い娘に情報開示するように選択する。


夕陽の名前は「YU」にしているのか。



「ちょ・・・なによ、これ」


「え?やっぱり変なステータスになっているか?まだプレイヤーステータスは割り振っていないから、デフォルト値になっているみたいなんだが」


驚きに満ちた夕陽の顔を見ると不安になる。

やっぱり生産職はまずかったのだろうか・・・。



「これ、全職業の最高ステータスになっているわよ」


「は?どういうことだ?」


「つまり、たとえば戦士だとSTRの最高ステータスが15で他は一桁がデフォルトなの。でも、お父さんのは全部15にしてあるから、全部の職業のMAX値がデフォルトになっているみたいなのよ


「えー、つまり・・・」


「チートね」


「えー、なんでこうなった」


「それはさっきの話を聞く限りだと、お母さんのコンセント抜きのせいでしょうね。ま、与えられたものは貰っておいていいんじゃない?

今後はどうなるかわからないけど、通常だとレベル1上がる毎にポイント1ずつもらえるし、上限値は99までだから特化型には勝てないしね」


ヴァルキリーオンラインのプレイヤーレベルは99まで、ジョブスキルは1次職~3次職でそれぞれ決められているらしい。

だからスタートブーストが決まっても、今後の展開次第では強くもなるし弱くなることもあるようだ。

ましてや生産職を選んでいるから、前衛職みたいに効率よく狩なんてできないのでプレイヤーレベルも上がりにくい。。。



「まあ、特に前衛職やりたいってわけじゃないしな。とりあえず商人として大成して夕陽をバックアップできるようにまでは頑張るさ」


「あ、そ。まー今の段階では最強プレイヤーになっているみたいだから、適当にマップに出て戦闘でもしてきたらいいよ」


「お前はどうするんだ?」


「え?私はこれから前のオンラインゲームで友達だったと人と会って、パーティ組んでしばらくはレベル上げかな」



「そこに俺も・・・」


「男子禁制でーす」


「そうですか・・・」



ひとまずこれから友達と待ち合わせしているという夕陽とは一旦別れることにする。

いつでも連絡ができるようにフレンド登録を行っておいた。




広場に戻ってきた俺は、とりあえず今後の方針をいくつか考えることにする。


①拠点の確保

②生産職としてのスキル取得

③安定した狩場の確保


①については、事前に情報サイトを確認していたので問題なし。

そのあと、②、③って流れだろうな。


現在の町バルキリアは4つの区画に分けられる。

ギルド協会などが乱立している西区

いくつかのNPCショップとイベントNPCが数多くいる東区

まだいくつかの露店しか出店されていないが、プレイヤー用の露店通りがある南区

これから俺が向かう生産職のメインとなる住宅街がある北区


なぜ住宅街が生産職のメインになるかというと、プレイヤー一人一人に必ず与えられる初期住宅とは別に

生産用の生産スペースが借りられるのだ。

生産スペースは初級、中級、上級とランク分けされていて、それぞれ設備や賃貸料などが異なる。

また中級以上はスキルレベルが一定未満だと金があっても借りることができないようなのだ。


とりあえず自分の居住スペースを確保しにいくか。



北区にある大きな建物を仰ぎ見る。

ひとつの大学がすっぽり入るようなスペースに、巨大な建物が聳え立っていた。

一体何階建てなんだろうと数えてみるが、下からは頂上を確認することもできない。

たぶん上の方は上級住宅=高級住宅なんだろうな・・・一体いくら払えばいいんだろう。


建物前にいるNPCに話しかけ、初期住宅の契約を済ませる。

NPCから建物に入るように促される。


部屋番号とかは聞いていないが、教えてくれずに、スマイルだけを返された。

訳もわからずそのまま玄関へ向かう。

なぜか玄関の前にはチュートリアルで見たワープポータルがあった。


ワープポータルというものらしい。(夕陽に聞いた。)

ワープポータルに入ると、そこは8畳ぐらいの一間だった。

簡易式だったがベッドもあり、一人暮らしするには十分なスペースだった。


「おお、すごいな、各部屋にワープできるのか。セキュリティ万全じゃないか」


昔一人暮らしをしていたことを思い出しつつ、とりあえず部屋を物色することにした。


チートって言っても所詮生産職です。

前衛職には敵いません。


2/26

数値ステータスを変更しました。

プレイヤーレベル1ごとにポイント1に変更しました。

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