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お父さんのVRMMO奮闘記  作者: まるぼろ
序章 ログイン
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テロリズム 1

基本土日投稿で。

37歳会社員。

先月第一部上場を果たし、大企業として一歩を踏み出した会社に勤務する。

医療系の会社で、日々家族のために働く・・・そんな俺だが今人生の岐路に立たされようとしている。

目の前には娘が装着したヘッドギアから出力される無機質な電子音が聞こえる。

俺の隣には泣きながら娘の顔を見る妻の顔がある。


俺はやるせない気持ちのまま、どうしてこんなことになってしまったのか考えていた。



「お父さん、お父さん!」

バタバタと足音を立てながら書斎に入ってくる妻が慌ただしく声をかけられる。


「どうしたー?」


「あのね、ゆうちゃんが一緒にゲームしようって言ってるの」


娘の夕陽は最近VRMMOにはまっているようで、今回も新作のVRMMOが先行発売されたのが当選したと喜んで話していた。


「昨日言ってたやつか、でもゲーム自体は1つしかないだろう?」


「それが、なぜか2つ送られてきているみたいなのよねー」


「はあ?マジか。それでやるのか?」


「いや、私は・・・」


そうだった。妻は機械関係がからっきしダメだったな。

結婚前も洗濯機の使い方を教えるのに半年ぐらいかかった気がするし。


「じゃあもったいないし俺がやるか」


「うん、ゆうちゃんもそうしてって言ってた。お母さんじゃダメーって怒られちゃったしね」


「あははは、まあそれはそうだな」


妻はむくれているようだが、こいつに機械関係をやらせるのは正直俺も怖い。


「夕陽はリビングか?」


「そうよ、なんかタブレットで色々調べているみたい」


「俺も色々調べたらそっちに行くよ。夕陽にもそう伝えてといてくれ」



VRMMOって仮想世界でのオンラインゲームで、今回プレイするのは「ヴァルキリーオンライン」。

テンプレのオンラインゲームのようだ。

自分で職業を選択して転職しながら自分を強くしていくようだ。

俺は公式サイトに載っている情報を確認しながら、前衛職、後衛職、生産職とどの職業に就くべきか決めていった。



「夕陽はもうどの職業に就くのか決めたのかー?」


リビングに行くと夕陽がタブレットを操作していた。


「んー、私はね前衛職って決めてるんだー。前のVRMMOでも前衛だったし、その方がモンスターを狩る効率上がるしね。お父さんは?」


「んー、俺は生産職にする予定だが?」


「えー?生産職って結構大変だったりするんだよ?狩り行くのだって、一人だときついみたいだし。お父さんはVRMMOしている友達とかいるわけじゃないでしょ?」


「まあまだ決めたわけじゃないしな」


「そうだねー。とりあえずスキルはー・・・」


娘と久しぶりにタブレットを見ながら団欒していた。

今年で高校2年生になる娘で、俺が20過ぎに生まれた。

回りには早すぎと言われたが、妻には二人で頑張ろうと言われてここまでやってこれたわけだ。

中学校の2年から1年間ぐらい無視されるというつらい時期はあったが、最近はちょっとずつ話してくれるようになった。

こんなに楽しく話をするのは多分小学校以来だろう。

世の中のお父さんはつらいのです。


「なになにー。二人して楽しそうね。お母さんも混ぜてよ。」


「えー。でもお母さんオンラインゲームのこと話してもわからないでしょー」


「それもそうね。お母さんわからないけど二人が話しているのを聞くのは好きよ」


「お母さんはいっつもそれだよね。まあいいけど。あ、お父さん、ログイン開始は12時からだから、ちゃんと時間守ってよね」


「お、おう。任せておけ」


12時開始って言うと今から3時間後か、今日は土曜日だから会社はないが、会社でトラブルが起きた場合などは対応しなければならない。

まあ俺に連絡が来るようなトラブルなんて滅多にないから、多分大丈夫だろう。




12時まであと30分となり、いよいよゲーム開始の準備を行う。

寝室でゲームをするなんて今までなかったのだが、どうせ仮想世界で行うゲームなのだから寝室でも問題ないだろうということで、ゲームギアはセットしたし、専用ヘッドセットも準備済みだ。

さて、後はログイン可能時間までもう一度ネットで情報でも仕入れるかな。


ピピピピピピ・・・携帯の着信音が突然鳴り響く。

まあ携帯なんて突然以外に鳴り響かないのだが・・・これは会社の着信音だな。


「はい、柊です。」





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