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第4章 数字狩りの開幕
標的の名は《貴族殺し》ロイド。
二桁の数字を持ちながら、裏切りと暴力で貴族すら切り捨てた危険人物。
だが今夜は、大通りの屋敷で盛大な宴を開くらしい。
俺は屋根の上からロイドを見下ろす。
背中に光る88。
距離を詰めるチャンスは……一度きり。
「心臓を狙え。数字を奪うなら、必ず一撃で」
レイスの声が耳に残る。
俺は深呼吸し、袖の中の短剣を握った。
宴の笑い声が響く中、俺は屋根から飛び降り――
「【逆計術】発動」
刃がロイドの肩を掠めた瞬間、契約が成立する。
背中の数字が――
10009 → 9985
ロイドの数字は――88 → 112へ。
「……貴様……!」
怒り狂ったロイドが、椅子を粉砕する。
二桁の速度は化け物だ。
俺は必死で距離を取り、裏路地へと逃げ込む。
「次は……必ず仕留める」
初めての二桁奪取。
だが俺は理解した。
これが、数字狩りの本当の地獄だと。