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第3章 裏社会の掟
翌日、レイスは俺を連れて、裏社会の“数字ギルド”に入った。
ギルドといっても、殺し屋、詐欺師、情報屋の寄せ集めだ。
彼らはナンバーの奪取を請け負い、成功報酬として数字の一部をもらう。
「掟は三つだ、ガキ」
1.ギルド員を狙うな。
2.一桁は狩らない(狩ろうとすれば全員で潰す)。
3.契約は絶対に守れ。
破れば――数字だけでなく命もない。
俺は登録料として10数字を奪われ、背中の数字が9999 → 10009になった。
数字が上がる……それだけで体が重くなる。
この感覚は二度と味わいたくない。
「……お前の最初の依頼は決まった」
差し出された写真には、貴族のような男。
背中の数字は――88。
「嘘だろ、二桁じゃねえか」
「依頼人は“見せしめ”が欲しいそうだ。逃げてもいいが……妹は諦めろ」
逃げ道は、ない。