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第壱話 夢が叶った

来ていただき感謝したします!読んでいただけると有難いです。

僕の名前は阿河 再介(あがわ さいすけ)。至って普通の中学2年生。

成績は平均よりちょい上で、運動神経はそれなりにある方だ。

ある日クラスのリーダー格とも言える存在である、鏡 光弘(かがみ こうひろ)がこういった。

「みんなさぁ。もし好きな異能がもらえるとしたら何がいい?」

するとある女子が

「いのうって何?」

こう質問をされて光弘は

「超能力みたいなもんだよ。瞬間移動とか時間停止とか」

へぇ~!

そんな声が響いた。

すると、クラスの中の紙々 切太郎(かみがみ きりたろう)

「俺、なんでも切れる手がいい!」

「かみきりって紙切るの好きだもんな。」

確かに、紙々は紙を切るのが何よりも好きだ。

そんな紙々の英雄譚を語ると、

ある美術の授業の時、紙々以外のクラス全員がハサミを忘れたことがあった。

要因はハサミが次の授業で必要と、伝え忘れた美術の先生である。

本来なら授業は自習か別の内容の授業をするはずだが、

『俺、ハサミ持ってきてるから、みんなの分の紙、切るよ!』

そう紙々は云った。先生は無理だと云ったが、みんなは紙々に託した。

そうして50分足らずで紙々はみんなの分の紙を切り終えた。

先生が云うには一人3時間程かけて作るはずだったみたいだが、

紙々はそれを50分足らずで終わらせた。

先生は悪魔を見る様な目で恐ろしく紙々を見た。

クラスのみんなは神を見る様な目で崇めるように紙々を見た。

まさに神様、神々様。

そんな英雄譚が語られている。多分後世にも伝えられるだろう。

一応僕の少ない友人の一人が紙々である。

そこからクラス中で欲しい異能についての話題で盛り上がった。

リーダー格の影響って恐ろしいものだな。

そんな話題が終わった後、紙々が僕の方にやってきて、

「再介はどんな異能が欲しいんだ?」

「僕?僕は...不老不死かな。」

「へぇ?どうして?」

「やっぱり、あんまり便利過ぎないものがいいからかな。」

「不老不死も結構便利じゃね?」

「でも時間停止とか瞬間移動とかと比べると地味じゃないか?」

「確かに地味かもしれないけど、不老って事はずっと若々しく生きれるって事だよな?」

「まぁ、そうだな」

「って事は女子めっちゃ欲しそうだな。」

「でも不死があるぞ?」

「それ取ればよくね?不老だけでも異能になるでしょ。」

「確かに!?」

「不老になりたいのはわかるけど、なんで不死にもなりたいんだ?」

「そりゃ死にたくないからだよ。」

「死にたくないのはわかる。わかるよ。でも残機制にした方がよくないか?」

「というと?」

「ずっと死ねないなんて不便でしょ。もうやりたいことがなくなったら死ぬしかないでしょ?」

「それでも僕は不死になりたい。」

「まぁ好きにすればいいよ。どうせ一生叶うことのない妄想なんだから。」

「そうだな...」

こんな事を語ったって意味はないんだ。

どうせ何も変わらない。

どうせ叶いもしない様な事を考えたって意味はないんだ。

そのはずなのに、心の奥底では叶ってほしいと願う僕がいる。

そんな夢物語を願っている阿河再介がいる。

あれからつまらないギャグをしたりする先生の授業等を受け、家に帰った。

ちなみに部活には通っていない。そそられる部活がなかったからだ。

別に部活なんて必ずしも入部しなければならないものではないし、

自分の時間の方が大事だ。学校より家の方が好きだ。

家のご飯は学校の飯より実にうまい。

そしてゆっくり食べることができる。

そうして風呂に入り、宿題を済ませ、寝る準備をして、寝床についた。

なかなか眠れないと思っていたが、異能の事について考えていると、

不思議と眠りにつけた。

そして夢を見た。

目の前には魔法のランプがある。

だいぶベタな感じに願いを叶えてくれる夢なんだろうな。

試しにランプをこすってみると予想通りに魔人が出てきた。

『俺様をランプから出してくれてありがとよ!出してくれたお礼に願いを()()に叶えてやろう。』

『本当にって現実でも叶うって事か?』

『それはお前自身が考えるんだ。さぁ願いを云ってみろ。』

『それじゃあ不老不死になりたい。』

『本当にそれでいいのかい?後悔しない?後で元に戻せとか云われてもどうしようもないよ?』

『全然構わないよ。後悔しない。元に戻せとも言わない。』

『オーケー。それじゃあお前を不老不死にしてやる!ぽぽいのぽい!』

随分と変な呪文だな。

『これで僕は不老不死になったのか?』

『試しに殺してやろうか?』

ここは夢の中だ。大丈夫。不老不死なんだから死ぬはずない。

『ああ。頼むよ。』

そう僕が言うと、魔人は指を鉄砲の様なしぐさをして

『パン!』

そう魔人が云うと僕の胸元から血が噴き出していた。

夢の中のはずなのにものすごく痛い。

でも噴き出し続けるのではなく段々と胸元が修復されて行っているのが見えた。

本当に不死になっている。後、よく見ると筋肉が少しばかり出来ているのも見える。これは不老の能力とみていいんだよな?

『本当に不老不死になってる...!ありがとう、魔人』

『別に感謝される様な事はしていない。俺様はお前に助けられたんだ。だから感謝として願いを叶えてやったまでだ。』

『だとしてもありがとよ。』

すると突然体が薄くなっているのが見えた。

夢から覚めるのかな...夢から...

夢から覚めた。やけに現実味のある夢だったな...

そう思い、体を見てみる。

夢と同じ様な筋肉がついていた。

え?まさかそんなはずはないよな...

しまっていたカッターナイフを使い、試しに指を切ってみた。

・・・

一瞬で再生した。

どうやら夢で魔人が云っていた事は本当だったようだ。

と、いうことで僕は

不老不死になる夢が叶った。

ここまで読んでいただきありがとうございます!何か指摘する部分があれば良ければ教えていただければ幸いです。

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― 新着の感想 ―
不老不死という設定の小説はあまり読んだことが、ないですね。小説内でも述べられていましたが、不死にはデメリットもありますが、あえて選んでいて今後の展開が気になります。
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