閑話 愛の白龍族戦士 リッカ・ユグナス
閑話を挟んで、次の話からアリシアの戦いがはじまります!
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「なぁリッカ・・・本当にその格好は人族では普通なのか?」
「当然であります!王国では庶民の一般的な服装であります」
「そ、そうか・・・それならいいが・・・」
ここは、トカリ村の入口。
フブキ達白竜族の一行は、人族の服装になりユキナの捜索を開始しようとしていた。
しかし、白い大きな帽子に同じ色のワンピースを着て、鼻息を荒くしている副長のリッカはどう見ても目立っている。
人族に偽装して聞き込みをするというより、フブキとデートを楽しむ為の服装だ。
「よしっ!各員村人へ聞き込みを開始してくれ!くれぐれも人族との諍いは避けるように!」
「「「はっ!」」」
リッカの服装よりもユキナの捜索を優先したフブキは、部下たちに命令を下した。
・・・・・・・・・
「おいっ!これはあくまでも夫婦に見えるための偽装なんだよな?」
「当然であります!」
「ではなんで人もいない所でも腕を組んでいるんだ?」
「白竜族たるもの、いついかなる時でも油断しないと教わったからであります!つまり仕方ない事です!」
「なんか違うような気もするが・・・」
早速街の中でユキナの捜索を始めたフブキとリッカ。
しかし、トカリ村は過疎化が進み人が全然いない。それなのにリッカは歩き始めてすぐにフブキと腕も組み、何だかご機嫌な様子だ。
「お、おいっ!あの人族の子供を見てみろ!」
「なぜあの子供からユキナール様の魔力を感じるのでしょうか?」
「あの頭巾からユキナの魔力を感じる・・・」
二人は少し離れた所で、花を摘んでいる少女を見つけた。
嬉しそうな顔でしゃがんでいる少女の頭には白い布が巻かれており、何故かそこからユキナの魔力を感じた。
「おい!そこの人族ちょっといいか!」
ビクッ!
「ヒッ!」
フブキの声に一瞬体を強張らせ、怯えた表情でこちらを見上る少女。
ただでさえ長身のフブキが強い口調で話しかけたので、子供は萎縮してしまったようだ。
「いけません!あなた!子供には優しく声をかけないと・・・」
「あなたってリッカ・・・」
「うちの夫がごめんなさいね。妻である私が叱っておきますね」
「ああ・・・もう好きにしてくれ」
「お姉ちゃん誰?」
リッカの優しい声に落ち着きを取り戻した少女は、改めてリッカの事を見た。
(わぁーユキナお姉ちゃんと同じ髪だ!)
「私たちは夫婦で人を探しているの。夫婦ってわかる?」
「うん!結婚をしている人のことでしょ?」
「そうよ!結婚をしている人の事ね」
「一体何の話をしているんだ?」
一人でも多くの人族にフブキと夫婦である情報を伝えるのに必死なリッカはフブキの言葉をスルーした。
「お名前教えてくれるかな?私はリッカって言うの。この人はフ、フブキさ、フブキって言うのよ」
「私はリリ!お姉ちゃんたちなんかぎこちないね」
「・・・っ!まだ新婚だからね」
「ふーん。新婚さんなんだね」
(新婚・・・まぁなんて甘美な響きなんでしょう)
「リッカ。話が進まん」
「そうです・・・そうね。ねぇリッカ。その頭に被っている布の事を教えて」
思わずニヤけてしまったリッカをフブキがツッコミを入れた。
「これはね!ユキナお姉ちゃんから貰ったの!私はユキナお姉ちゃんの妹だから!」
「何だって!ユキナがここに来たのか!」
「ヒッ!お兄ちゃん怖い!」
「あなた!子供には優しく言ってください!今から練習しておかないと・・・」
「練習?・・・すまんなリリ・・・そのユキナって子は俺たちみたいな髪の色をしていなかったかい?」
「そうです!その調子です!」
リッカは座り込んでリリと目線を合わすフブキを見て満足そうに頷いた。
「うん!とってもキレイな白い髪だよ!まるで聖女様みたい・・・あっ・・・これは内緒だった・・・」
・・・・・・・・・・・・
「おかーさーん!お客さん連れてきたよー」
勢いよく宿屋の扉を開けて声をかけたリリ。
リリの話が本当だとしても、事情を知っている大人と話すことができないか尋ねるとリリは自分の自宅兼宿屋に案内してくれた。
「おかえりリリ・・・お客さん連れて来てくれたのかい?」
「うん!ユキナお姉ちゃんの知り合いだって?」
宿屋の食堂にいたリリの母親のキマリは、リリが連れてきた二人を見る。
「すまない女将。私は白龍族のフブキという者だ。妹のユキナールを探して旅をしている」
「あなたよろしいのですか?」
「ああ・・・こちらの身分を隠して怪しまれるよりキチンとした情報が欲しい」
「ユキナールってユキナちゃんの事かい?ユキナちゃんは白龍族だったんだね」
「そうだ・・・事情があって失踪してしまって困っているところだ」
「ユキナール様は白龍族にとって大切な人物なのです」
キマリは少し考え込むと、二人をテーブルに案内した。
「とりあえず何か注文したらどうだい?ここは宿屋兼食堂なのは知っているだろ?幸い客もいないし、リリの恩人のユキナちゃんの事を教えるよ」
・・・・・・・・・
「聖女?ユキナが?」
食事を取りながらキマリはワタルとともにトカリ村に訪れたユキナの事を教えた。
フブキが特に驚いたのはユキナが癒しのブレスでリリの怪我を直し、聖女様として認定されていることだ。
「そうだよ。本人は否定しているがあれは聖女様の御業に間違いないね」
「それは、ワタルとかいうヤツに無理矢理やらされているのではないのか?」
「ワタル?ああ・・・ユキナちゃんのお兄さんの事かい?」
「いや・・・兄は私なんだか・・・」
「とっても仲良しな兄弟だったね。なんだかワタルさんと結婚するような事を言っていたけど・・・まぁあのくらいの年の娘だからね・・・」
(一体どうなっているんだ?ユキナはワタルに無理矢理契約させられたのではないのか?)
「ところであんたらは夫婦なのかい?」
「いや・・・まぁそんなところだ」
「夫婦です!新婚です!」
キマリに夫婦に間違えられたリッカは勢いよく肯定する。
「そ、そうかい。すぐにシップブリッジへ行くのかい?」
「そうだなー・・・すでに夜も遅いし、せっかく人族の街に来たのだ。泊まっていくかリッカ?」
「是非そうしまょう。夜も遅いですし、我々夫婦が同じ部屋に泊まるのは仕方ないことなのです」
(なんて言うことでしょう!この自然の流れで女将は当然フブキ様と同じ部屋に案内するはず・・・ついに訪れた同衾チャンス!既成事実さえ作ってしまえばこっちのもの!)
「へへ・・・ついに・・・」
「なんでお前はニマニマしているんだ?」
「あいにく今日は満室でね。部屋は空いていないんだ。御前試合が近いからね〜」
がーーーん
がっくりと膝をつくリッカ。
「そ、そんな・・・神はいなかった・・・」
「いや・・・リッカはガンテツ様とサツキ様と会ったことがあるだろ・・・」
フブキと結婚する為に全てをかける愛の白龍族の戦士リッカ・ユグナス。
彼女の戦いはまだ続く。
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