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第73話 市中曳き廻しの刑

やらかしたワタルとアリシアの罰とは?

 ワタル視点


 怪しく口元を上げながら俺にジリジリ迫る執行人。

 その手元には彼の商売道具であろう紐状の物を握りしめ、俺の体に巻き付けようとしてくる。


「や、やめてください」

「なーにすぐ済みますよ。逆に力を入れると長引きます・・・」

「そ、そんな・・・助けてくれ!ウェンディ!ユキナ!ノーミー!」


「諦めなさいワタル!すべては自業自得よ!」


 俺の契約妖精の方を見るが、助ける素振りも見せず冷たく言い放つ。


 どうやらここには俺の味方はいないようだ・・・


 ・・・・・・・・・

 

 アリシア視点


「さぁ観念しなさい!すべてはあなたの行動が招いたことよ」


「ま、待ってくれアドレーヌ!」


 ガシッ!


 私の抵抗虚しく、数人で両手を掴まれ身動きを封じられてしまう。


「さぁ楽しいお時間の始まりですよ。アリシア様・・・」

「や、やめてくれ・・・」


 涙目で懇願するも、商売道具である紐状の物を私に巻き付けくる。


「すぐ楽になるわよ・・・私も同じ目にあうのだから安心して」

「なっ!やめてくれ・・・お願いだ・・・」


 私の声が建物に虚しく響いた。


 味方が誰もいない状況に、私は観念して静かに目を閉じた。


 ・・・・・・・・・


「さて・・・ワタル様には罰を受けてもらいます」


 ここはアドレーヌ様の屋敷。


 昨日遅くまでアドレーヌ様をはじめウェンディやユキナ、ノーミーからシップブリッジの宿屋の一件を尋問された俺はヘロヘロのまま眠りについた。


 翌朝早朝、目を覚ますと仁王立ちしたアドレーヌ様が俺のベットの端に立っていた。


 アドレーヌ様の肩にはウェンディが乗り、ユキナは腕を組んで頬を膨らませている。


 これはまるで宿屋に突撃された陣形ではないか。


「あの・・・昨日のことはすべてお話しましたし、誤解ということを分かってくれたじゃないですか?」


「ええ・・・お話は分かりましたが、それはそれ!これはこれです!」


「そ、そんな・・・それで罰とは?」


「ワタル様とアリシアには社交界のパーティーに出てもらいます!」

「社交界のパーティー?」


 社交界のパーティーって、ラノベで良く出てくる貴族がワイン片手に世間話をするやつか?


「王族である私は、地方の視察をする際に必ず地元の有志を集めてパーティーをする事が決まっております!そこにワタル様とアリシアに参加してもらいます!」


「なぜ?」


「アリシアは今まで騎士団に所属しており、社交界には一切参加しておりませんでした。つまり、その負担をすべて私が負っていたのです!」


「・・・それは大変ですね」


「大して面白くもない話をニコニコしながら聞き、どうでもいいご婦人方の噂話に相槌を打ち、他国からのお見合い話を不愉快にならないように断る毎日!それを一人で担ってきた私の気持ちが分かりますか!」


 アドレーヌ様はだいぶストレスが溜まっているようだ。


「アドレーヌ、本音が漏れているわよ」


「ゴホンッ!・・・まぁこれも王族の務めなので諦めてますが、許せないのはアリシアです!将来剣聖になるために精進していたのは知っていたので、その分私が負担していたのに!」


 バンッ


 アドレーヌ様がベットの端に手をかけ俺に顔を寄せてきた。


「それがなんですか!剣が恋人だなんて言っておきながら、ノリノリでワタル様を誘惑するなんて!」

 

 アドレーヌ様が言っているのは、アリシアが実行した殿方を落とすための最強テクニックのことだ。


「い、いやあれは事情があってですね・・・」

「いくら私が女性らしくしろと言っても聞かなかったくせに、あんな乙女の表情をするなんて・・・それにアリシアの方が可愛くなるなんて許せません!」


「えっと・・・なぜそれが社交界パーティーに繋がるのですか?」


 アドレーヌ様はアリシアが自分よりキレイになったことに嫉妬しているのか?


「アリシアとワタル様には社交界パーティーで大いに困ってもらいます。今まで男のような服装をしたアリシアが女性らしくなったら大騒ぎになるでしょう!それこそ国中からお見合いが殺到し、剣が恋人なんて言ってられないわ!ホホホッ!あーはっはっはっ!」


「・・・アドレーヌは相当溜め込んでいたのね」


 笑い出したアドレーヌ様をノーミーが可哀想な目で見ている。


「社交界パーティーでアリシアが困っている姿を私はユキナちゃんと眺めております」

「えっ?私も参加するの?」

「ユキナちゃんはワタル様がいないと参加しないでしょ?」

「う、うん」

「だからワタル様も社交界パーティーに参加してもらいます」


 それはアドレーヌ様がユキナと一緒にいたいだけでは・・・


「あの・・・俺は社交界パーティーなんか参加した事ないのですが・・・」

「だからこれから社交界のマナーを徹底的に学んでもらいます!」

「いや・・・そう言ってもですね・・・」

「分かりましたね!」

「はい。やります」


 アドレーヌ様の圧に押されて返事をしてしまう俺。


「それでは行きましょうか?」

「へ?どこに?」


「当然・・・これからワタル様のお召し物とアリシアの女性らしいドレスを作りに!」


 ・・・・・・・・・


 そう・・・俺とアリシアはアドレーヌ様とともにシップブリッジのお店を巡り、社交界デビューをする服装を作るために市中曳き廻しの刑を受けることになったのだ。


 社交界パーティーという公開処刑の為に・・・


 何軒も服屋やアクセサリー屋を梯子しては体を計測された俺達。


 その度に俺とアリシアの悲鳴がシップブリッジな街にこだました。


 ちなみに冒頭の話は5軒目あたりの服屋の事。商売道具はメジャーだった。


 た、助けて・・・











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