第60話 ウェンディのあれやこれや
ウェンディの妄想です!
商業ギルドからアドレーヌ様の屋敷に帰ってきた俺が見たものは、ウェンディが興奮しながらみんなに力説している姿だった。
「後少し待ってワタルが帰って来なかったら商業ギルドへ殴り込むわよ!私だけじゃ少し戦力が足りないけど、ユキナとノーミーがいればあいつを倒せるわ!」
「エルザさんはきっといい人だよウェンディお姉ちゃん」
「そうだよウェンディ。エルザさんはこの世界の管理者代行なんでしょ?私たちが敵うわけないじゃない」
「何を弱気のことを言ってるの!今もワタルは怪しげな部屋に監禁されているのよ。きっとあれやこれやされているに決まっているわ!」
何故か俺の寝室に集まり、妖精たちが話し合ってある。扉の前に立っている俺には気づいていないようだ。
「あれやこれやってなーに?」
「子供が知るのは早いわよユキナ!」
「ふーん・・・ウェンディが知っているあれやこれやをノーミーお姉さんに教えてごらんなさい?」
「・・・それは・・・あれよ・・・」
ん?ノーミーは俺に気づいているな。顔を真っ赤にしたウェンディをからかっているぞ。
「きっとウェンディは他の女にいかがわしいことをされたと思っているのね。かわいいわウェンディちゃん!そう思わない?ワタル?」
「お前ら人の部屋で何やっていんだよ?」
ニマニマしながらこっちを見ているノーミー。
「ワタル!無事だったのね?あれやこれやされてない?」
「落ち着けウェンディ!別に何もされて・・・されたかもしれない・・・」
美人エルフに膝枕されたのはアウトかも知れない。
「ほらほら!やっぱり想像した通りだわ!すでにワタルは汚されてしまったのよ!全面戦争よ!」
「待て待て!俺は汚れてなどいない。清いままだ!」
「あら?ワタルってそうなのね・・・良かったわねウェンディちゃん」
「べ、べ、べ、別にどうでもいいわよそんなの・・・」
「またまた素直になればいいのに・・・」
「うるさいわね引きこもり妖精!」
「うわーおこちゃま妖精が怒ったー!」
「いかがわしい事ってなーに?」
「「「子供にはまだ早い!!」」」
全員がユキナにツッコミを入れた。
・・・・・・・・・
「ジャン!これがギルド証だ!晴れて無職を卒業できそうです!」
俺は貰ったばかりのギルド証を掲げて宣言した。
「なんかやけにピカピカしてるわね?」
「なんか最上級のギルド証らしい。どこでも使えて、人頭税もただになるようだ」
「それがあれば商会の立ち上げも大口の取引もできますよ」
「何故ここにアドレーヌ様がいるんですか?」
俺の寝室でワイワイギャーギャーやっているといつの間にかアドレーヌ様が混じっていた。高そうなシルクの寝巻きを身にまとい当たり前のように会話に参加している。
「今日はユキナちゃんがここで寝たいと言ったので、私もご一緒にと思いまして。すでに寝る準備を整えております」
「駄目に決まっているじゃないですか。そんな事がバレたらセバスさんに殺されます」
「ヒドイ!私に一人で寝ろとおっしゃるのですか!」
「今まで一人だったじゃないですか!諦めてください!」
「相変わらずぶっ飛んでいるわね王女様」
その後、なんとかアドレーヌ様を説得し、寝るまでの間一緒にいることにした。
・・・・・・・・・
「・・・・・・っとまぁこんな感じだ」
俺は、エルザさんからギルド証と一緒に貰った手紙を読んでみんなに内容を話すことにした。
簡単にまとめるとこんな感じ・・・
精霊馬車の機能が強化していた犯人は、なんとエアロ様。暴走モードの時に張られていた膜は風の魔法のようだ。
そして、妖精の住処は今後増えていくと思われる妖精のための勝手に作ったと書いてあった。
そんな予定は無いのに困ったものだ。精霊馬が妖精の巣窟になってしまったらどうするのだ。
次に親父の事。
この街にある石像は本来の親父の姿とは似てもにつかわない。
しかし、手紙によるとあの石像がこの世界の親父の姿のようで詳細はそのうち分かるだろうとのこと。
いや、それが一番知りたいことなんだが・・・なんでも禁則事項に触れるらしいので無理に聞けない。
たくさんのゴーグルを付けた妹達が来たら洒落にならない。
最後にユキナのこと。
ユキナを誘拐した犯人は人族解放軍なる組織のようだ。妖精を攫って何やら悪巧みを計画しているらしい。ユキナが生贄にされるとか言っていたから、今後注意しよう。
詳細は現在調査中とのこと。
ユキナの故郷ホワイト・パレスには無事が伝えられているようだが、大事になっているから覚悟しておいて欲しいと書いてある。
覚悟ってなんだ?
2番目のお兄様がユキナの無事を確認するために、こちらに向かっているらしいので、会ったらご挨拶しないとな
追伸としてエルザさんはバカンスに戻ると書いてあったので今後連絡はあまりできないようだ。
ウェンディは手紙にビビっていたけど、そろそろ誤解は解いて欲しい。
「フブキ兄様が来てるの!やった!」
「良かったわねユキナちゃん!」
俺達の秘密に触れる会話を普通に聞いていたアドレーヌ様。
まぁ一国のお姫様だし、他人に言いふらしたりしないだろうと思う。
何よりすっかりパーティーの一員みたいになっているからな。
なんとかアドレーヌ様を自分の部屋に戻ってもらい、久しぶりにユキナと寝た。
今日はウェンディもノーミーも一緒だ。
商業ギルドで地球の家族の事を話した覚えがあるがなんだか意識がぼんやりしている。
その後妙に心が軽くなった気がするので気分がいい。
ハルカは元気だろうか?
そんな事を思いながら眠りについた。
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