第50話 シップブリッジ
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ガタゴト・・・ガタゴト・・・
「私の妹になって下さいユキナ様」
「むぅ〜嫌だ・・・」
「それでは私の養女になってなって下さいユキナ様」
「王族だから無理・・・」
現在俺たちは、ザリオン街道をシップブリッジへ向けて進んでいる。
精霊馬車の箱の中では、ミルフィーユ王国の第一王女アドレーヌ様がユキナを膝に乗せて、ご機嫌に話している。
俺は御者台に座って精霊馬を操っているので、中の様子は分からないが、何やらアドレーヌ様が不穏な事をユキナに言っているので不安だ。
俺達がアドレーヌ様に事情を打ち明け、ユキナが怪我をした騎士を治したことで、王女様御一行に信用されたまでは良いが、妙にアドレーヌ様に懐かれてしまったユキナ。
もう白竜族のホワイト家として振る舞うのをやめたユキナは普段通りに戻った。
王族として堂々とした姿から一変し、子供らしくなったユキナのギャップにやられたアドレーヌ様はミルフィーユ王国の第一王女の威厳も忘れ、ユキナを取り込もうとしている。
アドレーヌ様は結構ぶっ飛び系の王女様なのかも知れない。
「あの・・・ぶしつけなお願いで申し訳ないのですが、ユキナール様と我々の目的地はご一緒なので、この馬車でご同行させていただけませんでしょうか?もちろん王族として報酬をお支払い致します」
アドレーヌ様が提案してきた内容は魅力的なものだった。
俺たちは堂々とシップブリッジへ入ることができるし、報酬も貰えるらしい。
さらに、騎士たちも同行するので身の安全も確保される。一石三鳥だ。
「そうね〜ミルフィーユ王国へ恩を売れるしいいじゃないワタル」
「ウェンディ・・・そんなハッキリと言わなくても」
ウェンディの発言にヒヤヒヤしながらもアドレーヌ様と一緒に行くことにした俺達。
英雄ザリオンが亡くなってから初めてノーミーがミルフィーユ王国に姿を見せたので、記念式典をしようとするアドレーヌ様をノーミーが止めた。
「私はもう過去の妖精なの・・・今はワタル達と旅をしているだけだから大袈裟にされるのは困るわ・・・」
少し悲しそうなノーミーを見てアドレーヌ様も了承した。
・・・・・・・・・
「そのくらいにしなさいアドレーヌ。ユキナが困っているよ・・・ユキナはワタルの妹なんだよ」
「そうなのですか?しかし、ワタル様は人族ですよね?」
「私はワタルお兄ちゃんと契約したの。だから妹・・・」
「まぁまぁ!!そうなのですか!!それでは私がワタル様と結婚すれば正式に妹になれますね」
「姫様!」
「あなたぶっ飛んでるわね」
「考えなしに突っ走るのはザリオンに似たのかしら?」
ん?なんだ?馬車の中で何を話しているだ?
何をワイワイ盛り上がっているんだ?
「先程は失礼しましたワタル様」
後ろを気にしていると、スッと馬に乗ったザックスさんが話しかけてきた。
白銀の鎧を身に纏い、勇ましく馬を操る姿は様になっている。
「ええと・・・ザックスさんでしたっけ・・・いえいえ、こちらが誤解を招く発言をしてしまいましたから。それにワタルでいいですよ」
「それはできません。国の英雄ノーミー様のご友人を呼び捨てなど・・・」
「う〜ん。なんていうかノーミーとウェンディは友人だったらしくて、俺たちに興味があるので同行しているだけです」
「それではノーミー様とは契約していないのですか?」
「してません。してません。なんだか気に入られたみたいですけど・・・」
「そうですか。ワタル様は不思議なお人だ・・・」
「ハハハ・・・確かにノーミーとは不思議な関係ですね・・・おっ見えてきましたね」
「ええ。あれがシップブリッジの街です」
森を抜けしばらく進んでいると、小高い丘に出た。
開けた視界の下には海が広かっており、帆船がたくさん停泊している港が見える。
大きく湾曲した港に沿って街が広がっているのが分かった。
青で統一された家の屋根がずらりと並び、多くの人々が行き交っているのを確認できるので、活気づいた港町なのだろう。
ミルフィーユ王国第二の都市シップブリッジ。アドレーヌ様が言うには、人口は50万人ほど。漁業が盛んで船を使って多くの商人が訪れる街だそうだ。
「それでは私は先触れに行ってまいります」
「ああ頼む」
騎士の一人が丘を駆け下りていく。
よく見るとユキナに膝の怪我を治してもらった騎士だ。あの一件以来なんだかユキナに対して尊敬というか信仰に似た態度を見せているような気がする。
「あの騎士はユキナを聖女認定しているわね」
「そのうち祈りを捧げそうな感じだな」
いつの間にか俺の側に来ていたウェンディがつぶやく。
「ユキナ!見てみろ!シップブリッジが見えてきたぞ!」
ガチャ!
パタパタ!
俺が馬車に向かって叫ぶと、扉が開く音がした。
「わぁー!本当だー!すごい!すごい!」
「良かったなユキナ!楽しみにしていた街だぞ!」
「ユキナ・・・あなた・・・」
ウェンディの声にユキナの方を見る。
「おう・・・これは・・・」
「まぁまぁまぁ!!なんて可愛らしいのでしょう!これはぜひとも妹にしなければなりませんわーー!!!」
今まで、白竜族の王族衣装でアドレーヌ様の膝に乗っていたユキナは小さな白竜になって俺に飛んできた。
「また、やっちまった・・・」
「なんて言うことでしょう!なんて言うことでしょう!どうしましょう!大変ですわ!」
アドレーヌ様のテンションが天元突破した声がいつまでも響いていた。
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