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第41話 木の妖精 ノーミー

「うわーーー!!!」

「ギァーーー!!!」


 思わず手に持っていた妖精草を放り投げる。


 草だと思って引っこ抜いた物に人の顔がついており、それと目が合うと俺は絶叫した。

 その声に反応したのか、草も声をあげる。


「ウ、ウェンディー!!ユキナーー!!なんか出たーー!!」


 腰を抜かした俺は精霊馬に隠れているウェンディとユキナを呼ぶことに。


「なに?大声だして」

「どうしたのお兄ちゃん?」

「ギァーー!!出たーー!」


 精霊馬から首だけだした二人に俺は再び叫んだ。


「お、落ち着きなさいワタル」

「お兄ちゃんが変になった」


 そ、そうだ二人は俺の契約妖精だ。お、落ち着こう。


「き、聞いてくれ。草が喋ったんだ。きっと魔獣だ」

「はぁ?草ってあれのこと?ただの草じゃないの・・・ってなるほど・・・」


 ウェンディは俺が放り投げた草を指差す。

 あれ?普通の草に戻っている。


「いやでも確かに叫んでいたんだよ!ギァーーって・・・わかったぞ。これは叫び声で相手を狂わす魔獣だ。きっと俺は錯乱状態になっている」

「いやお兄ちゃん普通に喋ってるよ」


「・・・ワタル。とりあえずその辺の草を取ってみなさい。」

「いやだよ。すっげぇ怖かったんだぞ」

「それは魔獣なんかじゃないわよ。ほらあそこの草を取ってみて」

「ホントだな?絶対だな?」


 ポンッ

 恐る恐る草を引っこ抜く。


「ギァーーー!!!」

「ほらーーやっぱり出たーー!!!」


 もうウェンディは信用できない。そんな事を思っていると・・・・・・


「何やってるのよノーミー・・・」

「えへ?バレた?」


 ウェンディは草に声をかけた。


 ・・・・・・・・・


 さて、俺が手に持っている物を説明しよう。


 俺は身長50センチほどの人間の髪の毛を掴んでいる。

 緑色の長い髪を掴んでいるので、顔のパーツが全部上に引っ張られている。なので昔の芸人がストッキングを被り、上に引っ張られている顔のようだ。


 そいつが髪と同じく薄い緑色の服を着ている。ひざ上くらいのドレスで健康的な印象だ。

 ウェンディが話しかけた事から妖精の類だろうと予想するが正直何者なんだ?


「アハハハハハ!その人族面白いねー!久々に笑った!!」

「あんまりからかわないでよノーミー」

「ごめんごめん・・・さてっと・・・はじめまして人族さん。私は木の妖精ノーミー・ウッドだよ」

「・・・ノーミー・・・」


 これが、いたずらっぽく笑う木の妖精ノーミーとの初対面であった。


・・・・・・・・・


「俺は七星ワタル。こっちがユキナ。よろしくなノーミーさん」

「はじめまして。ユキナール・ホワイト。白竜族」

「ウェンディとノーミーさんは知り合いなのか?」

「そうだよ。ノーミーでいいよ。ウェンディはたまにここに来てお話する仲」

「そういう事ね」


 なんだウェンディの友達か。


「んんん?・・・ワタルは二人と契約してるのかな?」

「ああ、成り行きでな。ウェンディはエアロ様に言われて、ユキナは俺が守るために仮契約したんだ」


 ノーミーが俺の顔を覗き込み質問してきた。よく見ると緑色をしたタレ目で長いまつ毛、いたずらっぽく笑う口をしている。

 大きな瞳がパチパチと俺を見つめている。


「仮契約?」

「そう。仮契約。まだウェンディとユキナとはお試しなんだよ。早く本契約したいけどな」

「ふーん。そーなのー。どー言うーことなのかなーウェンディちゃーん?」

「・・・これは・・・あれよ・・・」

「人の恋愛話をさんざん聞いておいて自分では何も話さないのかな〜・・・んん?」

「ちょっと来なさいノーミー」

「キァーウェンディに攫われるー!!!」


 ウェンディはノーミーの手を引っ張り精霊馬に消えていった。


「なんか賑やかな妖精さんだね」

「そうだな・・・ノーミー・・・あの妖精が・・・」


 ドリュアス様が言っていた助けてほしい妖精の名前だ。

 でも本当に過去に縛られているのか?

 全然そんなふうには見えないぞ。


 ・・・・・・・・・


「っとそういう事だからよろしくねワタル」


「どう言うことなんだ?一体ウェンディと何を話したんだ?」

「・・・ノーミーが面白いから一緒に行きたいって」

「そういう事・・・ドリュアス様が面白い人族が来るから話してみなさいって言ってたの。実際会ってみたら想像以上だったよ」


 面白い人族って失礼な。俺の何が面白いのだろうか?


「いや別に一緒に旅をするのは構わないけど、俺たちは仕事も何も無い無職の集団だぞ。いいのか?」

「別に人族の仕事には興味ないよ。ウェンディのお話をじっくりねっとり聞かないといけなくなっちゃった。ニシシッ!」

「な、なによ。別に話すことなんかないわよ」

「まぁまぁウェンディちゃん。仲良くしましょ!」

「・・・厄介なのがついてきた」


 こうして、俺達に新しい仲間が加わった。

 過去に囚われた妖精ノーミー・ウッド。

 ドリュアス様から聞いた時は悲壮感たっぷりの妖精を想像していたが、本人は至って元気いっぱいのいたずら好きそうな顔を浮かべている。


 ウェンディとも仲が良さそうだし、なんとかなるかな?


「さてトカリ村に帰るか!」


 俺は何やらブツブツ言っているウェンディの肩を組んで笑っているのノーミー達に声をかけた。











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