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閑話 家族会議

 閑話を3つほど挟んで新章「悩める剣士との出会い」を投稿予定です。


面白いと思われた方、★やレビューを頂ければ嬉しいです♪


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「さて・・・始めましょうか・・・」


 ここは狭間の世界、アトランティス担当の屋敷の地下室。

 薄暗い部屋の中に置かれた大きなテーブルには燭台が置かれ、4本のロウソクが灯っている。


 ユラユラ揺れる灯りが参加者の顔を怪しく照らす。


「まだ全員いないようだが・・・いいのかサツキ?」

「ええ、少し仕事を頼んでいるから」

「仕事・・・あの事か・・・」


 サツキの会議の宣言を遮ったガンテツは、今回の参加者を見回す。


「今回の議題の関係者だけ集めたのよ。まぁドリュアスの参加は意外だったけどね」


 風の精霊エアロがワイン片手に答えた。大きめのグラスには自身の美貌が映り、その顔が隣の緑色の女性をチラリと見た。


「眷族と神託を託した人族からおもしろい話を聞いた・・・ガンテツの息子に興味がある・・・」


 木の精霊ドリュアスはボソボソ答える。

 小さな白い花が付いた緑色のドレスに目元を隠した長い髪。その樹海を思わせる緑色の髪の上にも花が咲き乱れている。


「そうか・・・梨の木と熊男だったな。ワタルが世話をかけた」

「別にいい。私の眷族の妖精を助けてくれるかもしれないし・・・」

「ああ・・・あいつか・・・まだザリオンの事を引きずってるのか・・・」


「では改めて始めましょう。七星家家族会議を」


 パッパッパッ


 そう宣言したサツキの言葉で部屋の明かりが灯る。魔法で灯された壁掛けのランプが「七星家家族会議」と書かれた横断幕を照らした。


「この始まり方やめません?なんだか悪巧みしてるみたいで怖いです」

「エルザ・・・何事も雰囲気が大切よ。何か重要な事が話されているみたいじゃないの」

「諦めろエルザ。サツキはアニメの影響を受けているんだ」

「はぁ。分かりました」


 そう、サツキは某ロボットアニメの影響を受けて、会議のたびに部屋を真っ暗にして、ロウソクを灯すのだ。目の前に巨大なモニターはないが・・・


「今回の議題は「私の愛する息子がロリコンになった件〜お兄ちゃんと呼ばないで〜助けた幼女がお姫様なんて聞いてない」よ!」


「長いよサツキ。どっかの小説のタイトルみたいじゃない」

「ああ、これも地球の影響だ」

「ずいぶん変わっちゃったのねサツキ」


 すっかり地球の文化に染まりまくった元アトランティスの聖女。今でも地球の管理者アマテラスに頼んでアニメやラノベを取り寄せてている。


 議長のサツキ

 そして、その夫のガンテツと部下のエルザ。

 風の精霊エアロ、木の精霊ドリュアス。

 5人の参加者で七星家家族会議が始まった。


「まず、出会う妖精、出会う妖精がワタルと契約してしまう件について」

「さすがにこのペースは予想外ね〜ウェンディなんて初日に契約したし・・・」

「いやエアロはある程度予想していただろ?」

「うふふ。そうだったかしら・・・これでガンテツとサツキの親戚になったわね」


 風の精霊エアロは眷族の妖精や幼霊の母親たる存在だ。ウェンディと契約したワタルは息子ということになる。


「ワタル本人が妖精の契約の意味を知らないのがまずい。なんでウェンディは本当のことを言わないんだエアロ」

「それは揺れ動く乙女心のせいよ」

「好きで契約したんじゃないんだからね!でも頼りないからもう少し一緒にいてあげる。勘違いしないでよね!ってことねエアロ!」

「キァーー!!!わかってるわねサツキ!!これが人族の青春ってやつよね!!」

「面白いからもう少し観察してましょう」


 ワイワイ

 キャーキャー


「・・・いや。ワタルは27歳のアラサーなんだが・・・まぁウェンディの事はこれでいいのか」


 盛り上がる二人の話に冷静にツッコミを入れるガンテツ。


「ゴホン!えー盛り上がっている所申し訳ないですが、問題なのはもう一人の妖精のほうかと思います」


 いつの間にか司会進行の役に収まったエルザが促す。


「ユキナール様はご存知の通り、白竜族、ホワイト家の長女。つまり王族です。ワタルさんは王族と契約を結ばれました」


「デュトロとも親戚になっちまった・・・」


「そんな事は些細な問題よ。それよりも相手が幼女だと言うことが問題ね」


 ガンテツの愚痴を一刀両断するサツキ。


「ワタルは幼女趣味はなかったわ。むしろ巨乳エルフやくっころ美人剣士が好きなの。最近趣味が変わったのかも知れないわ」

「サツキはなんでそんな事知ってるんだ?」

「そりゃ母親だもの。そのくらい知ってて同然よ!」

「お前、ワタルのパソコンやスマホのデータ見ただろ?」

「・・・・・・問題は相手が幼女と言うことよ」

「話逸らしたな。・・・う〜んワタルはユキナールに妹の面影を見ていると思うぞ」


 母親に女性の趣味を把握されている事など全く知らないワタル。


「本当にロリコンだったら黙ってないけど、そんな感じじゃないし安心しなさいサツキ」

「そう・・・さすがに考えすぎかしら」

「心配し過ぎだサツキ。まぁ息子思いのお前らしいがな。優しいお前が俺達をいつも見守ってるのは知ってるぞ」

「もうあなた・・・褒めても何も出ませんよ・・・ふふふ」

「うふふ・・・相変わらず仲がいいのね」

「よせよエアロ照れるだろ!」


「うふふ」

「あらあら」

「あはは」


 バンッ


「全然違います!!あなた達は何を言っているのですか!!バカなのですか!!」


 突然、テーブルを叩くエルザ。その音にほんわかした雰囲気が凍りつく。


「おいおいどうしたエルザ?彼氏と揉めたか?」

「彼氏は関係ありません。そんなことよりユキナール様は王族なのですよ。ワタルさんが契約の意味を知らないとはいえ、白竜族になんて説明するのですか?下手したらユキナール様が弄ばれたと勘違いして我々と戦争になりますよ」


「あ・・・そりゃそうだ」

「まぁそうなるわね」

「気づかなかったわ」


「なので、ガンテツ様とサツキ様は今すぐ白竜族のもとに向かい、説明と謝罪をするべきなのです!!わかりましたね!!ハァハァハァ」

 エルザは全力で声を出して事の重要性を説明した。


「・・・ハイ。そうします」

「・・・ハイ。すぐに謝罪の品を用意するわ」

 意気消沈した二人は最後に


「「エルザも一緒にきて」」


 ハモりながらお願いしたのだった。























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