第一章【記憶】
僕の名前は『柊蓮』、ごく普通の高校2年生、と言いたいところだけど、末期癌で余命数年と言い渡された。
そんな僕だけど、なんと彼女がいる。
彼女の名は『永瀬夏輝』、僕にはもったいないぐらい優しくて可愛いくて、、、危ない危ない、思いっきり話がずれるところだったよ、話を戻そうか、
彼女と付き合ったのは1年前の2022年12月24日、そう、
クリスマスイブに僕は思い切って告白をした、
結果は、見事付き合う事に成功した。
なぜ付き合ってくれたのか後々聞いてみると、『ひみつ!』っと言われました、、やばい、めちゃくちゃ気になる、
まぁ、いつか教えてくれることを言じるしかないか。
そんなことは置いといて、
なんと明日は、記念すべき夏輝とのデート10回目!
どこに行くのかというと、僕と夏輝が好きな水族館!
日本最大級のアクアミュージアムに行く予定
さて、明日に備えて早く寝ないと、そう思った時、『ピロリン♪』と着信音が鳴った、夏輝からだ。
『ねえ、まだ起きてる?』と来ていたので、『起きてるよ』と返した、そしたら『よかった~』と返ってきた、なにかあったのだろうか、そう思っていると、『明日が楽しみすぎて寝れなくて、ごめんねこんな時間に』
・・・なんて可愛い過ぎるんだ僕の彼女は、その後色々お話をした。気が付いたら朝の2時だった。
そしてついに、その時が来た。
最高の日になるはずが、最悪の一日になるとも知らずに、、
『ピピピッ、ピピピッ』
『ん?朝か、今は、9時26分、後4分!?』この後大急ぎで用意したが、しっかり遅刻しました。
30分後・・・
『あ、やっときた!もう遅いよ蓮ちゃん!ほら、早くいくよ!』『ごめんねー夏輝~』
その後仲良く水族館内をまわった。
そろそろ帰ろうとしていたその時、夏輝が、頭を押さえながら突然倒れた。『・・・え?』
訳が分からなかった、なぜ然倒れたのか、夏輝の身に一体何が起きたのか、頭の軽理が追いつかなかった。
それからの記憶がない。衝撃で記憶が飛んだのだと思う。
その後、夏輝は運ばれ、診察が始まった。
結果は、『頭を強く打ち、脳にダメージを負い、そのダメージが後々襲ってきたのかと思われます。』
2日後、夏輝が目を覚ましたとの連絡がきた。
しばらくして僕は病院に着いた。
夏輝がいる病室のドアを勢いよく開け、目に入った光景が。
頭を下げて悩んでいる夏輝の父と、泣いている夏輝の母、明らかに嬉泣きではない泣き方だった。
その理由はすぐにわかった。『だ、誰・・・?』そう、記憶を無くしていた。覚悟はしていたが、まさか記憶を失くすとは思ってもいなかった。
だけど覚悟をしていたおかげか、冷静でいられた。
が、さすがに僕のことまで忘れられているのは心に来る。
ひとまず僕は誰なのかを説明した。
そしたら夏輝は罪悪感を感じたのか、ひたすら謝ってきた。
そりゃそうだろう。自分も彼女の事を忘れていると言われたら罪悪感に押しつぶされると思う。
でも1つだけ思ったことがある、それは、記憶が無くなっても、夏輝は夏輝なんだなと。
大抵の人は記憶を無くした場合、本来の性格があらわになり、別人と化する。だけど夏輝は記憶を無くしても夏輝のままで安心した。
数分後医者が部屋に来て夏輝の両親を連れて行った。
えまって、クソ気まずいんだが?簡単に言えば、初対面の男女が部屋で2人っきりみたいなものだぞ?
しかも夏輝は記憶喪失で罪悪感に蝕まれている状態、この状況をどうしろと?などと考えていると、夏輝が、『あ、あの!よかったら、お、お話、しませんか・・・?』僕は内心、ナイスタイミング!と思ってしまった。
もちろん僕は「いいよ』と答えた。一時間ぐらい他愛のない話をした。
僕の趣味、特技、好きなもの、嫌いなものなど、ほぼ質問を答えていた感じだった。
そして両親が戻ってきた。どうやら記憶喪失以外問題なく、すぐ退院できる状態らしい。