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ジュリエットは怨恨の心を知る5

アークナイツのリアイベ行ってました。楽しかった。

 「はい、問題ないですね。協力してくださりありがとうございました。」


 ボディチェックと持ち物検査をしていた警察官からバッグを返される。三重底の下に隠されたナイフは気づかれることはなく、その場を切り抜けられた。

 私は主人公だ。メインヒロインなのだ。彼の心、私と添い遂げた事実と共に生きていく運命がある。それだけは譲れない。もう何もなくせない。それしかないのに。


 周りの3人も異常はなかったらしい。そのまま待っているとやがて別室に通されていた彼が帰ってきた。なぜか疲れている様子でふらふらと歩いている。





 有太郎は疲れた顔をしながら茶髪の女性、輪島の横に座り込み、そのまま輪島に体を傾けてしまう。輪島はそれに驚き、慌てふためいた。


 「え。え!あ、え、あっあ。どっ、どうしたんですか!?」

 「あ…、すみません。ボディチェックを受けたんですけど、検査してくれた人が何度も触ってきてちょっと気持ち悪くて…。ごめんなさい、驚きましたよね。」


 有太郎はゆっくりと輪島から体を起こし、謝りながら流れるように輪島の手を握った。輪島は急な接触に驚き、また同時に顔を赤らめさせた。


 「え、え、えっと。だ、大丈夫です。大丈夫なんで…。」

 「ああ、ごめんなさい。これもよくなかったですね。」


 また謝った後有太郎は手を放し、今度こそ距離をとった。輪島は握られた手を見つめ、何かを確かめるように手を開いたり閉じたりしている。その様子を見て高原がまた声を上げた。


 「何やってるのよ!あんた容疑者だって自覚はないの!?あんたも!男に触られるなんて~っ!!」

 「い、いや。その。わざとじゃないんで…。」


 高原がまた白熱し、有太郎と輪島に対して自論を展開しようとする。輪島は萎縮したようだったが、有太郎は高原に向かって一歩近づいた。


 「すみません。私の行動が不快にさせてしまっているようで申し訳ないです。よかったら、どういうところが良くないのか教えてくれないですか?」

 「え?えっ?あ、そうよ!良くないのよ!良くないけど…、えっ?」


 高原は有太郎が言い返してこないものと思っていたのか、その様子に困惑しているようだった。その間も有太郎は高原に向かって近づいて行った。高原はさらに困惑する。

 

 「えっ?なんであんた近づいてきてんの?」

 「いえ、先ほどから私の行動が気に入らないようだったんで…。どこが良くなかったんですか?」

 「あっ。…そうよ!あんたはよくないのよ!教えてあげるから、ちょっと触ってもいいわよね!教えるためだもの!私だって男に触ってもいいわよね!」


 先ほどの様子から一変して目をギラギラとさせ始めた高原。そのまま手をゆっくりと有太郎の方へ近づけていった。もう少しで届くといったところでその手を輪島に止められた。


 「なっ、何してるんですか!そういうのダメですよ!」

 「い、いや!教えるためだもの!こいつだっていいって言ったし!」

 「彼は何も言ってないですよ!そっ、そういうの犯罪です!」


 さすがに問題のある行為だという自覚はあったのか、渋々と高原は手をひっこめた。輪島は有太郎に声をかける。


 「大丈夫ですか?いっ、いつでも私を頼ってくださいね?ふへへ…。」

 「…はは。ありがとうございます。」


 有太郎は礼を言って少し離れる。雰囲気がなんとも言えなくなったところでこほん、という咳払いの音が響いた。全員がそちらを見ると、いつの間にか天神明星がそこにいた。そばには相川が控えている。


 「皆さん。検査の協力ありがとうございました。皆さんの中に怪しいものを持っている人はいなかったです。」

 「じゃあ、早く帰しなさいよ。ここにいさせる理由ないでしょ!」

 「まあ落ち着いてボクの話を聞いてください。…実をいうと皆さんが今回の事件の容疑者なのです。」


 容疑者という言葉に5人がどよめいた。そのまま明星は続ける。


 「今回の殺害方法は刺殺。そのため返り血を浴びた、被害者のすぐそばにいたはずの皆さんが犯人の有力候補になるのは理解できますよね?」

 「で、でもだれも凶器を持ってなかったんですよね?」

 「まあどこに凶器を隠したのかはわかりませんが…。ちなみに未だ被害者の身元は分かっていないのですが、皆さんの中で彼のことを知っている方はいらっしゃいますか?」


 だれも首を縦に振らない。その様子を見て明星は頷く。


 「彼が何者なのか。一体どうして女性専用車両に乗っていたのか。それを考えていくことにしますか。」


 警察とみられる女性がトレーを持って部屋に入ってきた。


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