お菓子の家攻城戦4
蓄膿症撲滅、蓄膿症撲滅・・・チクナイン!!
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「こんにちは。お姉さん、今暇ですか?」
「えっ、あっ、だ、男性!?は、はい、急いではないですけど、どなたですか?」
「ああ、有木っていう者です。お姉さん服もセンスあって綺麗な人だなと思って。この辺に住んでいる人だったりします?」
「ええ、近くっていえば近くです…。」
「よかった!私この辺でご飯食べれるところ探してて…。どこかいいとこありません?」
「あ、あそこのごはん屋さんは結構おいしいです…。」
「へぇ、そうなんですね!お姉さんいいお店知ってるんですね!…そうだ!もしよかったらお礼も兼ねて一緒に行きません?デートみたいな!」
「で、デート?すみません、いきなりは…。」
「あ、すみません。いきなりでしたね。だったら20分ぐらいでいいのでそこのカフェでお茶しません?お姉さん美人なんでもう少しお話ししたくなっちゃって。」
「す、少しなら…。」
いい感じに声をかけて件の女性とカフェに入った。まだ怪しまれている気もするので、楽しい雰囲気を作れるよう心掛ける。まずは共通点探しから。
マンション近くの不動産屋に入り情報を集める。畜生、あの馬鹿のせいで車を降りちゃったから徒歩でここまでくる羽目になった。まだ足が震えている。
「驚くことに家賃は3万2千円なんですよね。」
「3まっ!?都内のマンションなのに!?」
「とはいえ、男性限定なんですけども。女性の場合は相場よりもう少し高いです。あと一般のフロアはもう満室ですね。」
「なるほど…、そうなのですね。わかりました、ありがとうございます。」
情報を聞き終わり不動産屋を出る。色々と気になることがあったが、まだ情報が足りない。やはり手掛かりはあの事件にあるのだろうか。
どうしたものかと考えていると、電話がかかってくる。相川さんだ。
「どうしました?何かわかったのですか?」
「うん、一応教えれるだけ教えといたら勝手に考えてくれるかなって。」
「何かいいように使われている気もしますが…。いいでしょう!このボクが華麗に解決して差し上げます!」
「あはは!そんなことがあったんですね!滅茶苦茶じゃないですか!」
「そうなんですよ!あの上司調子乗っちゃって!」
緊張の解けるように工夫を尽くし、何とか話が盛り上がるようにすることができた。ここで相手の女性、春渡渚さんが話題を変える。
「はー、有太郎さんってホントにただ逆ナンパしにきただけなんですね。アタシ最初どこかの宗教か詐欺の人かと思っちゃいました。」
「言ったじゃないですか、渚さん美人だからお話ししたいって!」
「もー、下心じゃないですかー!」
そろそろいい頃かな。一旦お暇することにする。
「そろそろ解散にしましょうか。今日滅茶苦茶楽しかったです。もしよかったら連絡先とか交換しません?」
「いいですね!交換しましょう!」
「ありがとうございます!…またすぐ会いたいですね。渚さん近くで開いている日とかないですか?」
「えっ!?開いている日…。あ、明日ならアタシまだ休みですけど、流石に近すぎるですね。えーと他の日は…。」
「いいですよ、明日にしましょうか。」
「えっ、いいんですか?」
「ええ、それに…」
ここで少し距離を詰め手を握り、机の下で足同士も触れる。
「もしよかったらお家にもお邪魔したいかなって。」
「…ッ!?は、はい…。」
「ああ、もう少しデートしてから、ね?」
顔が真っ赤になった渚さんとお会計を済ませカフェを出る。そのまま上の空になっている渚さんと別れた。さて、とりあえずマンションに入れそうかな。
「っていうわけで撃たれた男性は二週間ぐらい前から仕事場に来てなかったらしいんだよね。」
「ほう、そうなのですね。」
相川さんからいくつかの情報をもらう。流石というべきか、なかなか興味深い内容ばかりだった。
「大体調べたのはそんなもんかな。…あっ、あともう一個だけあってね。」
「何ですか?」
「被害者男性は叫びながら飛び出してきたって話だったでしょ?でも男性の住んでた階の住人は誰も叫び声を聞いていないらしいんだよね。」
「…なるほど。」
今までの情報と照らし合わせてもまだ全貌は見えない。しかし少なくとも今後調べるべき内容は考え付いた。このボクを利用しようというのだ、それなりに相川さんにも働いてもらおう。
「相川さん、調べてほしいことがあるのですが。」
「やだ。」
「まだ何も言ってないでしょうよぉ!」
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