カレーライスを食べてみた!
「むう。これが」
食卓に置かれた白い皿をのぞきこみ、川村猫衛門はうなった。
華麗米斬りという必殺技を持つ川村だったが、カレーライスを食べたことはない。
そこで、友人である星野天使が家に招いてカレーを振る舞うことにした。
甘口のレトルトのカレーを電子レンジで温め、盛り付けた白米にかけるだけという超手抜き料理であるが、
川村は大きな黒い目を輝かせて興味津々の様子だ。
スプーンを手に取り、実食。
「いただくでござる!」
カレーをすくって食べて、沈黙。
もぐもぐと口を動かして飲み込んでから、言った。
「天使殿、美味でござる!」
「それはよかったです」
機械のような淡々とした口調で告げ、星野は買ってきた特売のカレーパンにかじりつく。
長い髪をポニーテールに束ねた女顔に黒い袴姿の侍少年と。
半開きの眠そうな目をした茶髪の無表情な美少年。
友達ふたりきりの夕食は静かながらも、どこか珍しい光景となった。
おしまい。