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尋問

「やぁ〜久しぶりだね〜ポドルフ君。ラド君を通じて情報は入ってるけど、こうして対面するのはいつ以来だろ〜ね〜?」

「いや〜二年くらいは経ってるんじゃないっすかね?リーヤさんは背が伸びた?前見た時より随分可愛らしくなってるね。」

「へへ、でしょ!?まぁいっても後半年くらいで成人だから当然っしょ!ポドッチ、見る目あんね〜。」



 リーヤは笑いながらポドルフという兵士に小突く。上級国民であるにも関わらずポドルフはヘラヘラしており、何も気にしている様子もなかった。


 相変わらず口を開けていたサチコと目が合うと、ポドルフは微笑みかけてくる。



「君、サチコちゃんでしょ?お会いするのは初めてだね。俺の名前はポドルフ、まぁ感じでわかると思うけど味方だよ。」

「え?私の事知ってるんですか?」

「当たり前だよ。だって君がここに来れるように色々と書類関係作ったの俺だもん。いや〜、誰にも気付かれないように一から作んのは本当に大変だったよ〜。

 で、そこの綺麗な姉さんは誰っすか?新入り?」

「いいや〜、全然違うよ〜?彼女はただの一般人みたいな感じさ〜。」



 笑いながらエンスは答えると、ポドルフは顔を真っ青にして恐る恐る彼に問い掛ける。



「ま、マジっすか?俺....やばいこと言っちゃいました?」

「その点は大丈夫だよ〜。変に知られて欲しくないことは言ってないはずさ〜。まぁ、これからはもうちょっと慎重になっとこうね〜?」



 エンスの答えにホッと安堵するポドルフ。すると、彼は思い出したかのようにノトレムに話しかけた、




「あ!そういえば!昨夜、暴れまくってたのってノトレムさんっすよね?怪獣みたいな声出してるからすぐ分かったっすよ。でも、知らない奴からしたら「何事!?」ってなって危うく鉢合わせちゃうかもしれないんで、注意して下さいよ〜?」

「あ!そ、それは本当にごめんね?ちょっと気合いが....」

「まぁ結局鉢合わせなかったし、ノトレムさんに似た猛獣みたいなやついたから、疑いはそっちに行きそうっすけど...アイツ誰っすか?知り合いだったり?」



「ううん、全然知らないよ...確か"魔人"って名乗ってたけど、何か知ってる?」



 そう聞かれた聞かれるがポドルフは一旦首を傾げるが、記憶を辿ってみると思い当たる人物が浮上してきた。



「あ!聞いたことあるっすよそれ!俺も聞きかじりなんすけど、何年か前までゴリアム皇国城外で暴れ回ってたやつっすね!」

「ゴリアム皇国?イザゼル帝国じゃないんだ...ポドルフ君、よく知ってるね〜?」

「当時の偵察部隊から聞いたんすよ。名高い奴を標的に倒しまくってるらしくて、兵士の方にも被害は出てたらしいっす。ただ、倒されたやつはしばらく意識が戻らなかったりとかトラウマで話せないとかで情報が集まらなくて、手配書を作る前にバッタリ姿を消しちゃったんすよ。」

「ふ〜ん....で、そんな危ない人が何でイザゼル帝都に来てるんだろうね〜?何か思いつくこととかない〜?」



 エンスはうわの空を見つめながらそう聞くが、ポドルフは静かに首を横に振るだけだった。



「いいえ、検討もつかないっすよ。噂じゃ調子乗ってこの世で一番強いアズザに戦い挑んで殺されたって話で、自分もそう思ってたんすから。それよりも、何でそんな奴がエンスさんの所に?」

「奴の目的はレイナちゃんで、彼も殺人鬼騒動に一枚噛んでる感じなんだ〜。どうも、思ってた以上に面倒臭いことになってきたね〜。」



 エンスはこれからやるべき事を考えるだけで頭が痛くなり、肩を竦めてから笑いをした。その笑いが虚偽であることを全員が薄々感じ、段々と顔色が暗くなっていく。



「....まぁ〜そんな事言ってられないよね〜。今更放っては置けないし、僕らで出来ることをやろうね〜。ということでポドルフ君、君にお願いがあるんだ〜。」



 そう言ってエンスは彼に近付き耳打ちをする。ポドルフはチラチラとレイナの方を見ながら話を聞き、こくりと頷いた。



「了解っす!じゃあ俺はこれで。一応問題なしと報告しますけど、もしかしたら兵士が裏で張り付くかもしれないんで、そこら辺注意しといて下さい。じゃあ失礼っす!」



 軽く敬礼を向けるとすぐに部屋から出ていってしまったポドルフ。その後ろ姿を見ていたエンスは深くため息を吐くと、部屋に散らばっている壊れかけの椅子を手に取り、ドアの目の前に置いて座った。


 この行動に全員検討もつかず不思議そうに見ていると、エンスは疲れが滲み出ているが微笑んでみせた。



「...ノトレム〜、そこの窓のところにたってて。」

「え?窓?何で?」

「いいからいいから〜。窓に背をビッタリくっつけるように立っててよ〜。あ、ガラスの破片には気を付けてね〜?」



 何がなんだが分からないが、ノトレムは指示された通りに首を傾げながらも動いた。二人が他女性三人を挟み込む形になると、エンスが両手を大きく叩き、笑を零した。



「出口は塞いだよ〜。これで誰も逃げられない〜。覚悟してもらうよ〜?」



 そんな言葉に女性陣は皆目を丸くする。この言葉の真意はハッキリはしないが、エンスが言ったとなると性的なものにしか聞こえず、リーヤはすぐに嫌な予感を感じた。



「ちょ、何ふざけてんのよエンス!!」

「えぇ〜?ふざけてなんかないさ〜。至って本気だよォ〜?」

「あんた....まさか遂に手を出そうと...そ、そんなの絶対に許さないんだから!!ノットーもまさか同じ考えなの!!?」

「ち、違うよ!誤解だよ!エンス君早く訂正してよ!」



 慌てているリーヤとノトレムの二人の反応を見てエンスは不気味に笑った。リーヤは今までの欲望を我慢しすぎて頭がおかしくなってしまったのだと思い始めた。



「ふふふ...あ〜面白い。何勘違いしてのさ〜、多少僕が欲に従順だからって、変な妄想は困るし傷付くな〜?」

「じゃあ....何だってのよこれ...」

「いや〜、問いただしてる時に逃げられても嫌だと思ってね〜。

 じゃあ早速、色々と教えて貰うかな〜?ねぇ....レイナちゃん。」



 いきなり名前が出てきたレイナはキョトンとしつつ、首を傾げた。



「わ、私ですか?しかし....私が知ってることは全部お昼の時点で」

「嘘は良くないよ〜。僕は確信している、君はムルガ君の居場所を知っている。そしてさっきの魔人・ローを仕向けたのは君だとね〜。」



 その発言にレイナの顔色が明らかに変わる。口を塞ぎ瞬間的に硬直反応、そんな反応を見せる彼女をサチコは驚愕しながら見ていた。



「......話してもらおうか〜。君は何者で何のために僕らに近づいてきたのか、自分の口からね〜。」



 そう言われ、レイナは大きく喉元を動かしたのだった。

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