独白
楽しい世界なんてどこにもなくて
幸せな物語なんて絵空事でしかなくて
世界は理不尽で残酷だから
物語には涙が溢れる
現実は空虚で
虚構は飽和していて
幾多の想いが犠牲になっていく
抑えきれない痛みを感じて
数え切れない傷を抱えて
張り裂けそうになりながら
壊れそうになりながら
あなたは涙を流す
叫んだ悲鳴が届かなかったとしても
伸ばした手が届かなかったとしても
想いはきっと届くから
報われない涙を流しながら
指先に触れたページをめくる
誰かのために涙を流せる
そんなあなたの未来はきっと
素敵だから
優しいから
繋いだ心を離さないで――