第五話 平凡少女act3 姫の目覚め
小鳥が鳴き、暖かい日差しが降り注ぐ中。彼女は目を覚ました。
(ここどこだろ?)
現状把握は大事である。彼女はただの平民ではあるが、誘拐という言葉が脳裏を掠めた。
「起きたか。体調はどうだ?」
「あ、大丈夫です。」
目覚めてから初めての会話。しかし、相手は人間ではなかった。体は半透明で人の形をしていて、大きさは小学六年生程度の大きさ。声はやや低め。
「えっと、あなたは?」
「ん?俺は見ての通りいまみーだよ。」
「え、でもいまみーってもっと小さいんじゃなかった?」
「俺は一番偉いいまみーだからな!(ドヤァ)」
ドヤ顔してるとこ申し訳ないが、現状の説明をした方がよろしいのではないだろうか。
「あ、そうだな。えっと自分の状態は分かるか?」
「いえ、全く分かりません。何で私はここにいるんですか?」
「そうだな。まずそこからだよな。カクカクシカジカで。」
「あ、そうだったんですね。危ないところを助けてくれてありがとうございます。」
「にんげ…いまみーとして当然のことをしただけだよ(ドヤァ)。」
めちゃめちゃ誉めて欲しそうである。テストで百点をとった子供のような顔をしている。
「えっと、本当にありがとね。」
「まぁ、気にするな。そうだ、何か不満があれば言ってくれ、直ぐに改善する。」
「…じゃあさ。その、お腹空いちゃったなぁ、なんて…思ったり…しなくも…なかったり…します、はい。」
「…直ぐに用意させよう!」
いまみーは走り去っていった。




