揺れ動く心
月の片隅に一輪の宝石が咲いていた。
小さな小さな淡く光る宝石
地球からじゃ見えないはずの淡い光
満月の夜に一人の青年がふと空を見上げると
月の色ではない光を見た。
驚き目を瞑るり、再び開けると目の前に
おとぎ話に出てくるようなドレスを着た
若い女性が現れた。
その女性は、青年に「あなたなら私の光が
見えると思った。私は月の使者あなたが気
づいてくれるのを待っていた。」と言って
きた。俺はなにがなんだかわからずなにも
言えずにいた。
女性は、俺に「私の名前は仙果」
と名前を伝えてきた。
俺はその名前に聞き覚えがあった。
なぜなら、幼なじみの名前と同じだったからだ。
当時は珍しい名前だったが、今となっては
珍しくもなく普通に思えるようになっていた。
俺は仙果に「なんで俺だけに見えるんだ。」
ときいた。
仙果は「それは、あなたの血の半分が月下の
血がながれているから。あなたは地球人の
父と月下人の母との間に出来た子供だから」
そう、仙果は伝えてきた。
俺は意味がわからず、思考が停止状態。
仙果は話を続け「あなたの額にこの月
を近づけると印が出てくるはず。」そう
言って俺の額に近づけると淡い光りを放ち
はじめ額に印が現れた。
仙果は「あなたは、もう少しで20歳になる。
その歳になると地球にはいれなくなる。もし
そのまま地球にとどまるとあなたは、人の姿
ではなくなり、淡い光りになり消えてしまう。
そうなる前に私と月に来てほしい。」と言っ
てきた。
俺はますます意味がわからず、唖然とした。
仙果は「あなたは、王族の血を受け継いでいる
の。だから、あなたは、王位継承を受けないと
いけない。そして、未来あなたは王になる運命」
と伝えられた。
ごくごく平凡に暮らしてきた俺があと数日で、
地球から月へ旅立たないといけないという運命
しかも、それをしなければ光になるとか意味が
わからない。
どうして、俺がこのような運命になるんだ。
様々な思いが交錯してその場に座り込んだ。
仙果は「1日考える時間をあげるから次の
日には迎えにくる。」そう伝え再び月に帰っ
て行った。
俺はどうするべきか、頭の中がぐちゃぐちゃに
なった。
続く