造り者達:1
「怒ってるのか?けど、
私を作った君がいけないのさ…
君が!居なければ!
こんな事にはならなかったのさ…!」
「お前が…お前が言うな…!」
「お前が私に置いていったんだろ?
人を憎み恨む、憎悪をさ!」
「私は…憎んだ事なんか無い…!」
「自分の能力は他人と同じ物が使えるだけで、
自分にも特別な何かが欲しかっただろ?」
「能力ではない…!特別な何かは持っている…
仲間との…友情という奴を…!」
旧颯花は、馬鹿にした態度で放った。
「友情?お前の事はどうも思ってないと思うぞ?
他人は他人であって、
自らの孤独感を抑制する為だけに、
友情という図々しいものを語るのさ」
「…お前は…人間が嫌いか?」
「いきなりどうした?」
「質問に答えろ」
「ふん…嫌いだね。弱いくせに自らを大きく見せ、
多種を蹴落として自らの存在価値を作る。
人間という生物は、自我が強過ぎたんだよ」
「ふっ…そのくらいがいいんだよ…
自らを思うことが出来なければ…
人間は戦わずして滅びている」
「だから今まで繁栄出来たからこそ、
傲慢と呼ばれるんだよ…!」
「人はいつか変われる。
その時を…信じて戦うまでだ」
「甘いんだよ…発想がなぁ!」
旧颯花は刺剣を取り出した。
颯花もすかさず刺剣を構えた。
「お前は何の為に戦う?
仲間に認められたいからか?」
「何の為にも戦わない。
私がするべき事だと…そう思ったから戦う!」
「そんなテキトーな決意じゃあ、
死んだ仲間の言葉が知りたいなぁ!」
「死んだ生物に2度目なんて存在しない…!」
颯花は駆け走った。
そのまま刺剣で旧颯花を攻撃した。
旧颯花の刺剣と鍔迫り合う。
「生き返らしたら2度目になるだろ?」
「いいや…1度目がリセットされただけだ…!」
颯花は旧颯花の刺剣を弾き、
そして美鈴形態へ変化し、
旧颯花の全身に百烈拳を放った。
その反動で互いの距離が開いた。
旧颯花にダメージは入っていなかった。
「やはり生物には限界があると思わないか?」
「…」
「どんなに頑張ったって、
その生物が進化しなければ、
その生物の限界を超える事は出来んよ」
「そうかな…?信じることが出来るのなら、
いつかその壁を超える事も出来るはずだ」
「信じるだけで変われるのならば、
もう既に人間は進化しているだろうな?」
「そんないきなり変化して、
生物がその負担に耐えられると思うか?」
「無理だね…だが、私達はどうだ?
生物でも人間でもなければ、神にでもなれる!
人間共をひれ伏せ、手の上で踊らす事も出来る!」
「ふっ…神なんて存在しないさ。
居るのならば、そいつは見るだけで何もしない、
ただの傍観者だろうな」
「無能な神に代わって私が導く。
人間にも指導者…いや、救世主が必要なんだよ!」
「必要なのは分かっている…
だが貴様の様な者を救世主とは呼べない!」
「呼ばしてやるさ、地獄の底まで落としてもな!」
旧颯花はあの時の破壊神の姿へ変化した。
しかし、彼女からは蒼く、悲しみの表れの様な、
不気味なオーラを発していた。
「フハハハ…生物の頂点に立つ!
吸血鬼3人分だぁ!」
「蒼か…だが、私の求めているものは…
そんなものじゃない…!」
颯花も、あの破壊神の姿へ変化した。
彼女からはいつも通り紅いオーラを発している。
「さあ来い…
死よりも苦痛なものを味合わせてやる!」
「貴様に可哀想だと思った事は1度もない。
貴様は貴様であるこの桐初 颯花が、
直々に…ぶちのめす…!」