2人の召使い:2
「ハンデ・・・?
笑わせないで、貴方がそれ以上、
強くなっても私は倒せない」
「さあな、結果は運命のみぞ知る」
「それはどうでしょうね・・・
マジックスターソード」
8本のナイフが、直線で颯花へ向かう。
颯花はそれを刺剣の盾で防御、
再び刺剣へと戻し、剣先を上空へ飛ばした。
それは、咲夜の足元へ落下した。
「そんな弱々しい攻撃で・・・!」
「こいつの使い方は他にもあるのさ・・・!」
颯花は真っ直ぐ刺さった刺剣に、
左腕のアンカーを引っ掛け、
ワイヤーを引き戻し、移動技として使った。
「そんな隙のあり過ぎる行動をして!
幻符『殺人ドール』ッ!」
「形態変更、美鈴形態へ変化!」
颯花はそのまま百烈拳でナイフを弾き、
咲夜へと接近した。
腕が届く距離まで近付いた。
「オラァ!くらえッ!!」
「ふっ・・・その状態では、
私の世界へ入る事は不可能・・・!」
次の瞬間、颯花の全身が斬り刻まれた。
颯花から大量の血が流れてきた。
「ふっ・・・あなたの判断ミスね」
「いいや、これも想定内さ」
「想定内・・・?」
「(攻撃をした後の取った距離はそこら辺か。
とりあえず程度に記憶しておこう)」
颯花は再び咲夜形態へ変化した。
互いがナイフを構える。
「奇術『エターナルミーク』ッ!」
「相変わらずナイフ切れがないな!」
向かって来るナイフへと走っていく。
自ら距離を縮めた。
「傷符『インスクライブレッドソウル』!」
「回避せずに弾き飛ばすのね!」
「これがお前との最短距離だ!」
前方へ何度も振っているナイフは、
前方から来るナイフとぶつかり合い、
刃が欠ける等、ボロボロになった。
颯花はそれらを捨て、数本を拾う。
「私は次に・・・時を止める!」
「・・・!?秒数的に絶対不利なはず!」
「それはお前の意見だ!」
颯花は時を止めた。
咲夜は一瞬止まったが、
彼女も能力を発動し、再び動き出した。
同時に、2人のナイフが鍔迫り合う。
「今回は良く接近されているな!」
「ふっ、気にすることではないわ!」
「なら次は、傷符『インスクライブレッドソウル』」
「やはりね!貴方は模倣相手の上位技を、
使う事はできない!
傷魂『ソウルスカルプチュア』!」
互いの似た技が衝突するが、
上位技なだけに、劣化の部分もあるが、
咲夜は颯花の技を圧倒した。
「くっ・・・!」
「やはり貴方は私に勝てない!」
「私にはお前を倒せない・・・
倒すのは私ではない・・・!」
同時に、颯花の動きと咲夜の技が止まった。
技の終了と颯花の4秒が終了したのだった。
「これより静止時間3秒で片をつける!」
「(やって・・・みろ!)」
颯花の額にナイフが向けられた。
その後、額の中心から、深く差し込まれた。
「・・・生きてる・・・!
脳に弱点があったはず・・・!」
「・・・それは私の過去の身体!
今現在の弱点はそこじゃない!」
「くっ・・・!」
咲夜は距離を取ろうとしたが、
動き出せた颯花に腕を掴まれた。
その後、颯花は咲夜を抱く形になった。
「何のつもり・・・!」
「気絶とだけ言っておこう!」
「・・・ッ!させない!」
咲夜は颯花の背中を何度も刺した。
しかし、颯花は動じない。
「(あと3秒・・・!」
依然として、咲夜は颯花の背中を刺し続け、
抵抗をしていた。
「よし、今・・・だ・・・!」
「・・・ぐッ・・・!?」
その時、颯花は背後から刺された。
刺剣で串刺しにされたのだった。
颯花の視界には、
颯花自身の心臓から突き抜けた剣先が、
咲夜の心臓を貫いていた。