不死の炎と不屈の意思:2
「全てを託す?自分を絶望に追い込んだ世界に?」
「ああ・・・託すさ・・・!」
「何故そこまで他人を信じれるんだ?
お前は他人にとって他人としか、
思われてるだけかもしれないんだぞ?」
「信じるのに、理由なんて要らない。
信じてまで、賭ける価値がある」
「・・・あんたみたいな奴が、
敵じゃなかったら良かったな」
「味方にこんな説教じみた話はしない」
「敵に対する、『対話』という事か。
だが、対話なんてするだけ無駄さ。
ほとんどの生物は、
自分の事だけしか考えないように、
造られているからな」
「そいつは・・・どうかな?
貴様だって誰かの為に戦っているだろう?」
「・・・なら・・・お前の意思を、
拳で語ってみろ・・・!」
颯花は、妹紅の右頬を殴った。
妹紅は、反動をその場で耐えきった。
「左利き・・・なんだなぁ!」
妹紅が、颯花の左頬を殴る。
颯花は、少し後ろに押されつつも、
その場で踏ん張った。
「強い拳・・・じゃないか!」
再び、颯花は妹紅の右頬を殴った。
妹紅は、1歩後ろへ下がったが、
そのまま再び颯花を殴った。
颯花は、フラフラになりつつも、
その場で踏ん張っている。
「ならっ・・・こいつでどうだ!」
颯花は、左の拳に電力を溜め込んだ。
その一撃が、妹紅の全身に電撃を流した。
妹紅から、ビリビリと音が響く。
「いってぇ・・・そいつが能力か・・・?」
「・・・こいつは内蔵武装だ・・・違うね」
妹紅は、その状態のまま颯花を殴った。
妹紅自身に残っていた電気が、
颯花へ一気に流れていった。
「ぐっ・・・(機械に想定以上の電気はまずいって!)」
「効いてるみたいじゃん・・・
自分の攻撃を返されて・・・
戸惑ってんのかな・・・?」
「・・・問題・・・ない・・・!」
颯花は、妹紅の額へ思い切り頭突きをした。
妹紅は再び、反動で後ろへ下がった。
「この・・・石頭がっ!」
妹紅が、同一の頭突きをかました。
颯花は、後ろへ後ずさり、
肩膝を付きそうになった。
「もう・・・限界か?」
「さあな・・・自分でももう・・・
どこまでやれるか分からない・・・」
颯花の額から、血が流れていた。
しかし、既に出血は止まっていた。
颯花は、再び左手で殴り掛かった。
しかし、妹紅はそれを体勢を低くして回避し、
腹部へ重い一撃を入れた。
颯花は、両膝を付く。
「・・・へっ・・・脆いな・・・
お前も・・・お前の意思も・・・!」
「まだ・・・脆くても・・・
・・・崩れちゃいない・・・!」
颯花は、吐血を拭き、左手の機械を露出した。
「一つ教えてやるよ・・・
私は確かに左利きだ・・・けど、
今まで右手ばかり使ってた・・・!」
「なんだよ・・・相手への手加減か・・・?」
「いいや・・・右手の方が力が強い・・・!」
「って事は・・・私に手加減してると・・・?
まだ余裕こいて・・・!」
「余裕なんか・・・ないね・・・!
右手を・・・温存する為さ・・・!」
颯花は、機械を地面へ叩きつけた。
その風圧で、妹紅の体勢を崩し、
大きく吹き飛ばす。
「ぬおっ!?・・・何を・・・?」
「・・・こうするのさ・・・!」
颯花は、妹紅へ追撃した。
右手を大きく振り上げ、
匍匐の状態の妹紅の頭部へ思い切り叩き付けた。
辺りに土煙が巻き上がった。
「いない・・・!」
「こっちだッ!」
「ぬぅ・・・させない・・・!」
妹紅の炎に包まれた右脚と、
颯花の右手の機械が衝突した。
しかし、数秒で機械が熱にやられ、
炎に包まれた脚が、颯花を蹴り飛ばした。
「ぐっ・・・(やはり熱にも弱いのか・・・?)」
「どうした?あんたの決意はその程度か?」
「煽ってくれてやんの・・・ったく・・・」