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東方project 〜東方少女録〜  作者: mariari
〜異章再成編〜
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不死の炎と不屈の意思:1

「・・・」

「よう!結構頑張ったみたいじゃないか」


颯花の目の前に、白髪の人物が登場した。

藤原 妹紅だ。


「やっぱりお前も阻むか」

「私はこの作戦、あんま乗り気じゃないけど、

私も死んで欲しくない人が居るんでね」

「それはこっちだってそうさ。

よりによってこの世界を選んで」

「ここが可哀想だと思ったからだろ?

私は良く知らないけど」

「・・・」


妹紅の周囲に、炎が発生した。


「さあ、あんたの能力も見せてくれよ」

「悪いが、今は排熱時間(クールタイム)だ。

今は使えないが、戦える」

「へぇ・・・んじゃ待つわ」

「・・・は?」

「んだって、生身と戦ってもつまんないし」

「・・・ある意味予想外だった・・・

こいつも、こいつの脳内も・・・」

「何か言ったか?」

「さあな、鳥だろ」

「ふーん」



「終わったか?」

「・・・ああ、終わった」

「さてと、んじゃ、やろうか」


妹紅の周囲に再び炎が出現する。


「・・・待て待て、能力使えよ」

「・・・使う気はない」

「・・・は?」

「お前ごときに、使うまでもないって、

言った方が良かったか?」

「冗談を」

「(奴は一方的な武力行使は嫌いと見た。

それでも辛そうだが、まだマシか)」

「しっ死んでも知らんからな!」

「(本気でやったら、奴の炎の熱で故障してしまう。

ある程度本気を抑えてもらわないとな)」



「んじゃ、私も」

「・・・は?」

「んだから、炎使わないってこと」

「・・・」

「ほら、やろうぜ」

「・・・」

「ん?どうした?」


直後、妹紅は颯花に心臓を貫かれた。

瞬きの一瞬を見計らった行動で、

また、彼女自身も生身でこの移動速度を

叩き出したことに、驚いていた。


「不意打ちとは・・・いい度胸じゃん・・・!」

「・・・ッ!・・・。

不意でも無かったから不意打ちでは無いさ」

「・・・ならいいけど」

「(何だこいつは・・・?

心臓を貫かれていて、なお平然としている)」

「次は・・・こっちの番だ!」


妹紅は颯花の刺剣ごと胴体を曲げ折り、

続いて、その状態のまま颯花を殴り飛ばした。

その後、折れた刺剣を引き抜き、付近へ捨てた。


「・・・何者なんだ・・・あんたは」

「なあに、とある件で不死身化した人間さ。

何千年と長い間苦しかったが・・・

・・・その事はあんま聞かないでくれ」

「・・・大変だったようだな・・・だが、

長い間苦しむよりも、

連続して大きな悲劇が降り掛かる方が、

生物を駄目にすると知っているか?」

「・・・?」

「長い間苦しむ方はいずれ、その環境に適応

する為に、体が慣れてくるのさ。

素人が銃を持ち、人殺しをするとして、

1人目、2人目はとても辛いだろうな。

だが、3人目はどうだ?

慣れてしまって、簡単に引き金を引けるように

なっている。

それは耐えられない大きな心の痛みを、

脳が感じない様にに変えたからさ。

だが、大きな悲劇が連続に降り掛かったら、

どうなると思う?」

「・・・その環境に慣れる前に、

その生物を殺していく・・・か?」

「半分正解さ。

環境に慣れる前にそんなことが続いて起きたら、

その生物は壊れていく。

けど、その生物は死ぬ訳じゃない。

大きく割り切って二通りあるとしようか。

1つは、同じ悲劇を他人に振り回す奴になる。

自分だけがこんな思いをさせた世界が憎い。

こんな世界には意味がない、とかな。

そう思わせられてくるのさ。

2つ目は、悲劇を耐え切り、

こんな悲劇を繰り返させはしない。

他人の為に、自らを犠牲にする」

「それがお前か・・・

でも、それって結局死ぬ訳だろ?」

「そうだな。だけど、

環境に殺されると、自ら死ににいくのは、

似た様で全く違うものだと。

自ら死ににいくという事は、

死んだ後の世界を信じて託すという事、

未来のために戦っているのさ・・・!」


妹紅の目付きが変わった。


「なら・・・あんたは誰に託す・・・!」

「私は・・・この世界の・・・

全てに・・・・・・託す!」

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