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東方project 〜東方少女録〜  作者: mariari
〜異章再成編〜
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死者達の意思

あれが無ければ、ここでもうボロボロだったな。

あれを作ってくれたおかげで、

私はここまで来れた」

「あんなもので?」

「確かに、お前にとってはあんなもの、

そんな程度だろうな。

だが、私の唯一の仲間が作ってくれた物。

そして、私の唯一の希望!」

「希望・・・?貴方が悪いんでしょ?」

「そう思い込まされてんだよ・・・!

お前らの記憶を消し!そして!

この幻想郷を!この世界を破壊される!

そういう奴にな!」

「馬鹿ね・・・アニメやドラマじゃないんだし」

「私は事実しか話していない。

そして、私は宣言すると・・・!」

「・・・」

「私は・・・貴様を・・・殺す!

何度も自分の判断で仲間を殺してきた!

死んだ仲間はもう二度と生き返らない!

だが!私は自分の思った事を必ず遂行する!

この今の世界が血に染まれても!

私はもう!何も躊躇わない!

私は!私を阻む者全てを殺す!

それがどんなに苦しい思いでも!

それがどんなに彼女達を悲しませても!

それがどんなに自らの手を汚しても!

もう2度とこんな世界は生ませない!」

「いい決心じゃない!けど、

貴方一人で何が出来るの?」

「出来るさ・・・1人じゃないから!

レミィ達が背中を押してくれている!」

「それは死人に囚われてるだけじゃないの?

死んだ者に、何が出来ると?」

「出来るさ・・・未来を託す事を・・・!必ず!」


颯花の全身が赤い光に包まれる。

しかしその色は、禍々しくもなく、

人の信念を集めたような、

真直ぐな光を放つ真紅だった。


「皆・・・私に・・・力を・・・!!」


周囲から、颯花へ光が集まっていく。

その真紅は、更に輝きを放つ。

V字スラスター部の配色が、

黄色と青から、黄色と紅に変わった。


「レミィ・・・ッ!!

神槍『スピア・ザ・グングニル』!」

「全身全霊の一撃ね・・・!

そんなふざけた光で!何が出来ると言うの!

爆死しなさい!人形『レミングスパレード』!」


颯花へかなりの数の人形が、接近していく。

その数は、アリスの姿を覆い、空をも覆い隠した。


「この数は約10万!私も全力の証拠よ!」

「それがどうした!たかが人形に!

私の理想を阻むことなど出来ない!」


颯花も、その圧倒的な数へと突撃していく。

両手で槍を前へ構え、スラスターを最速で使用、

彼女の斬り進んだ道は、

斬り刻まれた人形の残骸のみが残っていく。


「はあああああッ!!!!」

「この数を突破する気!?」

「そうさ!目の前の敵を!

私はただ倒すのみッ!!」

「くっ・・・もう2割を減らされたのね!

だけど、まだまだよ!」

「一斉に掛かってくるか!

だが負けない!私はぁ!!」


颯花は槍を分裂させ、一斉に来た人形を、

ひたすら切り裂いていく。まるで鬼神のように。


「なんて戦闘力なの!?」

「こんなの!魔理沙や霊夢だったら一瞬だろうな!

だが!私は魔理沙でも霊夢でもない!

私は私だ!私は私の戦い方で!未来を切り拓く!」


直後、スラスターが故障を起こした。

数秒の隙が生まれ、

そこへ数多くの人形が突撃する。

そして広大な爆発を発生させた。


「やった・・・!?」

「いいや・・・まだだああッ!!」


颯花は、背中に例の翼が生えた状態で、

二つの槍を再び合成し、大きな槍へ戻す。

そして、アリスへと突撃する。


「馬鹿な!あの数を耐えきったの!?」

「いけえええええええッ!!!

貫けええええええええええええッ!!!!!」

「まだ!まだ人形は残っているわ!

まだ打つ手は…ある!」


アリスは人形を投げつけた。

颯花はそれを斬り裂いたが、

爆発で視界を覆われた。

そして状況を把握出来ないまま、

目の前の人形1体に颯花が目を斬られた。

しかし失明する程ではなく、すぐ回復し、

その最後の人形を倒した。

再びアリスへ突撃した。

槍の先端が、寸前で止まった。


「なんで・・・止めを刺さないの・・・?」

「いいや、私は殺した。

私を阻んだ人形達をな」

「・・・お見事、もう人形は0ね」

「・・・」

「貴方の信念は凄かったわ。

けど、貴方はきっと、人を殺せない。

殺す事は出来ない」

「・・・何故そう思う?」

「だって、私を殺せなかったじゃない?」

「・・・」


颯花から、真紅が消え、翼も消失した。

颯花自身の全身の皮膚に、

大きな亀裂が入っている。

脚の内部の配線が切れたのか、

時々火花が散っていた。


「その状態で、何が出来るかしら?」

「まだ動く。たとえ四又切り落とされようが、

動くのならば、私は戦う」

「・・・」


颯花は、再び進んでいく。


「変な人ね」

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