決戦の夜明け前
「・・・で、どうするの」
「まだ分からない・・・。
この身体の修理と、あと火力、速度、防御力、
それらを取り揃えた装備をつくってくれないか?」
「ああ、それならあるよ」
「・・・嫌な予感しかしない」
にとりが持って来た物は、
金色か黄色と青のカラーリングの、
大きな盾と妙な形の銃とV字の様な形の飾り、
見た目は悪いが使える感は凄かった。
「これはアサルトバスターって言ってな」
「やっぱりな。ガ〇ダムだろ絶対!
どー見てもV2ガ〇ダムだろ!
著作権大丈夫か!?
なんか言われない?大丈夫だよな?」
「あれっガ〇ダム知ってるの?」
「そんな事いーから!
解説とか必要になってきて面倒そうだから!
とにかくこの装備の説明を頼むから」
「そ、そう・・・?
まああれほど高性能じゃないけど・・・
武装関連はほとんど一緒だよ。
この銃は火傷程度から消し炭まで、
出力を変えられる。
この盾は空中に設置可能、
数秒間前方の攻撃を無効化出来る」
「なんか意外と本家よりも便利な事に意外だわ」
「次に右肩のこの武装はロングレンジで攻撃可能。
左肩は拡散ビームが撃てる。
それと全身の各パーツにミサイル内蔵。
両腰に高出力のヴェスバーという名のサブ銃」
「で、背中は?」
「このV字のおかげで飛べるようになる。
これを壊されたらパーツを外さないと爆発するよ。
何故かは分からないんだよなぁ」
「何それ怖い。 エネルギー源は本体か?
無理に撃つと爆散しそうだな」
「君専用に作ったけど、
それでも爆散してしまうんだ。
まあ乱れ撃たなきゃ大丈夫かな」
「随分とリスキーな・・・けど、
これがあれば希望が見える。ありがとうね」
「後でツケは払ってもらうけどね」
「・・・仕方ないか。分かったよ。
だが、こういう奴は二度と使わん」
「あれ、気に入らないのかい?」
「はぁ・・・全く・・・
まぁ・・・気にすんなよ」
「えぇぇ・・・」
「紫様。準備が整いました」
「分かったわ。後は月が満月になるまでね。
2日後かしら?」
「はい。その通りです」
「分かったわ。
周辺の守りを固めておこうかしらね」
八雲紫と八雲藍は、紅魔館跡地にいた。
奇妙な機械が設置してあった。
パラレルワールドを移動する機械だろうか。
これが作動してしまえば、
こちらの世界の消滅、全ての生物の死亡。
敗北が決定する。
身体の修理はあと5時間程度で終わるらしい。
このドローンとかいう偵察機、
壊さないようにこの程度で偵察を終了しておくか。
移動しなくても視認出来るとは便利だな。
「・・・静かに・・・!」
「ぬっ・・・?」
にとりが指した方向に、
あの氷結少女と大ちゃんがいた。
その大ちゃんはどうやら名前は大妖精らしい。
にとりが言っていた。
「あれ?にとりなにしてるの?」
「いや別に、散歩」
「そういえば今日コウマカンっていう所に
集まって欲しいって〜」
「そ、そーなのか、分かったよ。ありがと」
「んじゃあねー行こー大ちゃん」
「もう大丈夫だな」
「場所はここでいいのか?
やけに人が通るぞ」
「大丈夫。ここ妖精の類しか知らない場所だから」
「へぇ・・・」
「あと、私も戦うよ。君だけじゃあの数を
突破出来なさそうだし」
「・・・。ありがとうな」
「準備が整ったよ」
「よし、行けるか?夜中に攻めに行きたい」
「寝込みを襲うのかぁ。そういう趣味なんだな」
「・・・。全く・・・」
「12時まであと8分。
時刻ピッタリで着きたいならそろそろだね」
「ああ、作戦通りやってくれよ。
無理はしないでね」
「大丈夫さ。君もあまり自分を捨てるなよ?」
「・・・」
「捨てる気だね。でも、君は殺させない」
「私の事は気にしなくていい。
もし阻止限界時間になったら、
あの機械へ突撃して」
「私だけでもあっちの世界で生きろって?
相変わらずだな、君は。
けど、私はこの幻想郷と運命を共にする」
「・・・。そうか。
さて・・・行くぞ・・・!」
颯花はアサルトバスターを装備した。
にとりはGNアームズ type-Dという、
大きな搭乗型の機械に乗った。
これ本当に大丈夫?
問題になったりしないか?
そもそも目立つから隠れられないし、
色合いがアレだしなんか言われそうだし、
この装備に信頼していいのか分からんしなぁ。
そう思いつつ、颯花は重い装備に、
重心を取られつつ紅魔館へ向かう。
少しコケた。気にする程度ではないが、
やっぱり無駄に重過ぎるなぁ。
「一応、考えてる事、筒抜けだぞ?」
「・・・すまん・・・」
幻想郷崩壊まで、残り24時間。