異颯花の世界:1
「・・・ここが貴様の世界か」
「・・・くっ」
この隙間の世界は、おそらく彼女だけの世界で、
私の世界とも、八雲紫の世界とも繋がっていない。
ちなみに私の世界は、
広さが普通の一部屋分しか無かった。
私、涙目。
「へぇ、広いじゃないか」
「・・・」
周囲を見渡す。
周囲は目のような模様がいくつもあり、
紫色と相まって不気味な雰囲気を出している。
その先に、書き換えの水があった。
「・・・私の勝ちだな」
「・・・」
「敗北を認めれず、絶句しているのか。
哀れな奴だなと思ったが、
哀れだとは思っていないな。
単純に、ざまあみろって所だな」
「・・・フッ」
「・・・なぜ笑う」
「その壺をよーく見てみろ・・・」
「・・・。偽物だな。造りが雑だが頑張った方か」
「・・・そして!これを見ろッ!」
「・・・ッ!」
異颯花が取り出して、颯花へ見せたのは、
先程まで持っていた紅石だった。
「・・・単純にこちらが不利だな」
「フッ・・・」
「だが、それを手にして私に水を渡しても、
全く問題ないんじゃないか?」
「そうさ。問題ない。けどな・・・
あちらの世界では、私の正体は既に知られている。
救った後に、色々と面倒なんでな。
余計な事は忘れてもらうのさ」
「・・・ったく、強欲な」
「お前も・・・この世界へ入ったからには、
容易く出ようなどと考えない方がいいぞ?」
異颯花の周囲に、複数の隙間が展開される。
その隙間から、霊夢、魔理沙、
そして何故か美鈴が登場した。
「何故・・・美鈴を?」
「美鈴はあちらの世界での私の師なのよ。
それが理由ね」
「自らの師まで、利用するとは・・・
後で・・・必ず後悔させてやるよ・・・」
「フッ、やれるもんなら、だわ」
「(この3人相手に、コピー15分程度まで
使えないとは・・・とても辛いな・・・)」
霊夢は、妖怪バスターを放った。
颯花はそれを刺剣で切り刻む。
「気符『地龍天龍脚』ッ!」
「ぐぬぬっ・・・!?」
「彗星『ブレイジングスター』ッ!」
「てあああっ!」
「ぐぶっ・・・ッ!!」
魔理沙と美鈴の攻撃が、
颯花の前後から挟むように命中する。
颯花はその場で膝をつく。
「(・・・15分も持たない・・・か)」
「何故こんな弱い奴に・・・レミリアが・・・」
「こいつに止めを刺して、さっさと終わらせよう」
「もっと強い奴と戦いたかった。残念です」
「・・・。まだ動ける・・・まだだ…まだ終わらんよ」
「あの直撃で動けるなんて・・・!」
「(どうする・・・何か手は無いのか・・・?)」
「でも・・・終わりよ!」
霊夢のお祓い棒が、颯花の首元を突き当てる。
「・・・ッ!」
「何っ!?」
颯花は脚部を分離した。
その勢いを利用して、霊夢の脚を蹴り、
転倒させる事が出来た。
「・・・気絶しろ・・・ッ!」
霊夢の額へ自分の額を当てて、
接触部分から電流を流した。
その後、霊夢は倒れた。
「霊夢っ!」
「まず1人・・・ちょっとせこいが・・・
そんなこと気にしてる場合では無いよな・・・」
「(霊夢・・・気絶してる・・・
あいつが・・・殺してない・・・?)」